障害福祉関係ニュース(障害福祉制度・施策関連情報) 平成26年度10号 通算314号 (平成26年12月25日発行) 本ニュースは、全社協 高年・障害福祉部に事務局をおく、 セルプ協・身障協・厚生協・全救協・障連協の協議員・役員・構成団体、 ならびに都道府県・指定都市社協に電子メールにてお送りしています。 [発行]全国社会福祉協議会 高年・障害福祉部 〒100-8980東京都千代田区霞が関3-3-2新霞が関ビル内 TEL:03-3581-6502 FAX:03-3581-2428 E-MAIL:z-shogai@shakyo.or.jp ◇◆◇ 今号の掲載内容 ◇◆◇ T.障害福祉制度・施策関連情報 1.社会保障審議会障害者部会(第59回)にて、総合支援法施行後3年を目途とした見直 し検討の進め方が示される …P.1 2.「障害福祉サービスの在り方等に関する論点整理のためのワーキンググループ」(第 1回)が開催される …P.5 3.社会保障審議会福祉部会(第9回、10回)が開催され、施設職員等退職手当共済制度の 見直しと、役員報酬と関係者への利益供与禁止等に関する議論が進む …P.7 4.厚生労働省「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」(第13回、14回)が開催され る …P.11 5.「労働政策審議会障害者雇用分科会」(第66回)が開催される …P.20 T.障害福祉制度・施策関連情報 1.社会保障審議会障害者部会(第59回)にて、総合支援法施行後3年を目途とした見直 し検討の進め方が示される    「社会保障審議会障害者部会」(部会長:駒村康平慶應義塾大学教授)の第59回が、11 月25日(火)に開催されました。本会合では、@報酬改定チームの議論について、A障害 者総合支援法施行後3年を目途とした見直しについての検討の進め方について、B平成25 年度の自治体における障害者虐待事例への対応状況の調査結果について、をテーマとする 協議が行われました。 (1) 報酬改定チームの議論について  同検討チームにおける議論の状況に関して、主な検討項目として次の8項目が報告され ました。 @ 障害福祉従事者の処遇改善 A グループホームにおける重度者支援の充実  B 地域移行に向けた支援の充実 C 就労移行後の定着実績の評価 D 計画相談支援の強化 E 強度行動障害を有する者に対する適切な対応 F 障害児支援の充実 G サービスの適正な実施等  事務局(田中厚労省障害福祉課長)からは、この8項目は検討チームにおいて特に重点 的に対応すべきと意見をいただいた内容でまとめたものであるとの説明がありました。な お、報酬・基準に関する基本的な考え方の整理については、1月に遅れる見込みであるこ との説明もありました。 [委員からの主な意見] ・ケアの質を高めるための報酬改定としてほしい。人材確保や養成、定着を進め、利用者  の自己実現を支援するケアを提供するのにふさわしい報酬体系であるべき。強度行動障  害者への支援のみならず医療的なケアが必要な方への支援の評価もあわせてお願いした  い。 ・処遇改善加算の対象は直接処遇職員に限定するのではなく全職員対象としていただきた  い。 ・強度行動障害支援者養成研修修了者の配置を評価するとのことだが、研修の機会が十分  に提供されていない地域もある。受講資格要件緩和も含めて、受講を希望する人すべて  が受講できる配慮をお願いしたい。 ・主な検討項目に掲げられた「計画相談支援の強化」の中で、質の高い相談支援とあるが、  “質の高い”の基準を決めないと議論ができないのではないか。このことについては、  セルフプラン、また、(市町村が作成することが27年度に限り認められた)代替プラン  も含めて考えなくてはいけないのではないか。 ・就労移行支援は定着実績ではなく実施した支援を評価していただきたい。 ・生活介護の新たな減算は、長時間送迎を考慮したものとしていただきたい。 (2)障害者総合支援法施行後3年を目途とした見直しについての検討の進め方  平成25年4月1日に施行された障害者総合支援法には、附則第3条において法律の施行後 3年を目途として、以下の項目(開催要綱案の「2.主な検討項目」参照)について検討を 加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとしています。  今回、「障害福祉サービスの在り方等に関する論点整理のためのワーキンググループ開 催要綱案」(以下参照)が示されました。   障害福祉サービスの在り方等に関する論点整理のためのワーキンググループ開催要綱(案)    1.趣旨   障害者総合支援法の附則における3年後見直し規定等を踏まえ、障害福祉サービスの   実態を把握した上で、その在り方等について検討するための論点整理を行うことを目   的とする。 2.主な検討項目  ・ 常時介護を要する障害者等に対する支援、障害者等の移動の支援、障害者の就労の支    援その他の障害福祉サービスの在り方  ・ 障害支援区分の認定を含めた支給決定の在り方  ・ 障害者の意思決定支援の在り方、障害福祉サービスの利用の観点からの成年後見制度 の利用促進の在り方  ・ 手話通訳等を行う者の派遣その他の聴覚、言語機能、音声機能その他の障害のため意 思疎通支援を図ることに支障がある障害者等に対する支援の在り方  ・ 精神障害者及び高齢の障害者に対する支援の在り方 3.構成等 (1)社会・援護局障害保健福祉部長によるワーキンググループとし、社会・援護局障害 保健福祉部長が開催する。 (2)構成員は、別紙のとおりとする。 (3)ワーキンググループに座長及び座長代理を置く。 (4)座長は、構成員の互選により選出し、座長代理は、構成員の中から座長が指名する。 (5)座長は、必要に応じ意見を聴取するため、参考人を招へいすることができる。 (6)ワーキンググループに、必要に応じ検討項目について検討するため、作業チームを 置くことができる。 (7)その他、ワーキンググループの運営に関し、必要な事項は座長が定める。 (別紙) 障害福祉サービスの在り方等に関する論点整理のためのワーキンググループ 構成員名簿(案)  大塚 晃  上智大学総合人間科学部教授  吉川 隆博 東海大学健康科学部准教授  佐藤 進  埼玉県立大学名誉教授  寺島 彰  浦和大学総合福祉学部教授  野沢 和弘 毎日新聞論説委員  山下 幸子 淑徳大学総合福祉学部教授  事務局(川又企画課長)からは、障害保健福祉部長のもとにワーキンググループ(以下 WG)を設け、(5項目すべてが間に合わない可能性もあるが)来年の春を目途に整理し ていくことを目指して作業するとの説明がありました。さらに、WGは、論点整理のため の事務局の作業を公開の場でするためのものであることから、障害者部会で議論をするた めの内容を整理することが目的であり、WGで結論を出す、方向性を決めるというもので はないことを強調した説明がありました。WGは必要に応じて作業チームを置き、そこで ヒアリングを行い関係者の方の意見をうかがうことを検討しているとの説明もありました。  この説明に対して、障害者総合支援法の附則に“障害者やその家族その他の関係者の意 見を反映させる措置を講ずる”とあることを踏まえ、委員から多くの意見が上がりました。 [委員からの主な意見] ・附則で「障害者やその家族その他の関係者の意見を反映させる措置を講ずる」とあるに  もかかわらず、メンバーは学識者だけで構成するのか。 ・作業チームを設定し、そこでヒアリングすることで関係者の意見を聞くことが前提であ  れば、WGと作業チームの役割分担がよく分からない。WGが屋上屋のような存在にな  ることはないのか。WGが論点整理の議論をするのであれば、そこでの議論の段階で論  点がしぼりこまれてしまう可能性があり、そこに当事者が入らないのはおかしいし、そ  れは権利条約の理念に反する。 ・附則にあるその他の関係者には、我われ就労支援事業関係者も入るという趣旨の説明を  これまで受けてきた。関係者が集まってあり方を真摯に議論する場が必要だ。関係者が  最後に論点を決める場にいればよいのではなく、議論をする場から入るべき。 ・とりまとめは障害者部会でということだが、WGに障害者就労の専門家はいない。WG  のメンバー構成を変えないのであれば、就労系の作業チームを設けて雇用部分も含めて  関係者も入れて議論するべき。    こうした意見を受けて駒村部会長は「全く機能が同じ2つの検討の場が設けられるとい うことであれば問題だが、部会とWGの機能は異なるということである。(事務局の説明 で)障害者総合支援法の附則にある関係者の意見を反映させるという場はこの障害者部会 であること、WGで論点や方向性を決めるのではなく決めるのはあくまで障害者部会であ るということはこの場で確認した。WGでの検討内容は部会にも適宜報告していただくと いうことを事務局にお願いしたい」とまとめました。  駒村部会長のまとめの後に藤井障害保健福祉部長からも「総合支援法施行後3年の見直 しの検討の土俵はこの障害者部会である。部会で論点を決めていただくための材料を提示 するための作業は事務局が本来するべきことではあるが、自立支援法から総合支援法への 制度移行の経過から、厚労省だけでその作業をするのではなく有識者の皆様のお力を借り て、透明性をもってやっていければという意図であった。WGにおいて論点を絞り込む、 結論づけるということではなく、論点を幅広く拾い出すための作業をするということであ り、ご理解をいただきたい」との発言がありました。  加えて作業チームについても「5つ全ての項目ではなく特に大きな課題で集中的に議論 が必要なものについて、WGのメンバーにそれぞれ分担で入っていただき、必要であれば 何人か加わって、回数多く議論していただくようなことを考えている。そこで関係者の意 見を聞くことも行いたい」との説明がありました。 (3)その他〜平成25年度障害者虐待事例への対応状況等(調査結果)〜  厚生労働省が11月25日に平成25年度都道府県・市区町村における障害者虐待事例への対 応状況等に関する調査結果を公表したことについて、報告がありました。  平成25年度に全国の都道府県(47)・市区町村(1,742)に障害者虐待について相談や通 報のあった件数は7,123件に上り、そのうち虐待があったと判断されたものは2,280件、 2,659人が被害に遭っています。  虐待があったと判断されたものの内訳は、家族ら養護者によるものが1,764件(77%)、 被害者1,811人(68%)。障害者福祉施設従事者等によるものが263件(12%)、被害者 455人(17%)、職場の使用者によるものが253件(11%)、被害者393人(15%)となって います。虐待が認められた事業所種別は、障害者支援施設71件(27%)、就労継続支援B 型51件(19%)、生活介護36件(14%)、共同生活介護35件(13%)、就労継続支援A型 16件(6%)となっています。  これらの報告について、構成員からは「この件数の中で刑法に触れるような事例はどれ くらいあるのだろうか。こうした報告の中に刑事告発件数も出すべきではないか。刑法に 触れるようなケースはしっかりと刑事告発で対応するべき」との意見がありました。  なお、調査結果の詳細は、厚生労働省ホームページの下記URLをご参照ください。    次回の障害者部会の開催予定は未定です。   [厚生労働省]ホーム>政策について>審議会・研究会等>社会保障審議会(障害者部会) >社会保障審議会障害者部会(第59回)   http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000066375.html [厚生労働省]ホーム > 報道・広報 > 報道発表資料 > 2014年11月 > 平成25年度 都道 府県・市区町村における障害者虐待事例への対応状況等(調査結果) http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=205517 2.「障害福祉サービスの在り方等に関する論点整理のためのワーキンググループ」   (第1回)が開催される  上記1において設置が決定した「障害福祉サービスの在り方等に関する論点整理のため のワーキンググループ(以下、WG)」の第1回会合が、12月15日(月)に開かれました。 これは、障害者総合支援法の附則における施行3年後見直し規定に関する検討を進めるにあ たり、障害福祉サービスの実態把握のほか、サービスのあり方などを検討するための論点 整理を行う目的で開催されるものです。  構成員については上記「1」に掲載の名簿のとおりです。また、本WGの座長は、互選 により佐藤進氏が就任することとなりました。  冒頭に、事務局となる厚労省より、障害者総合支援法施行3年後の見直しを進めるにあた っての論点整理は事務局が行うものであるが、より幅広い観点から整理を行うために、学 識者の協力を求めてこのようなかたちで進めていきたいとする旨の挨拶がありました。  なお、検討スケジュールとしては、平成27年4月を目途に論点整理を行うべく、ワーキン ググループ、作業チームともに、年明け以降、回数を多くし実施する予定であるとの説明 がありました。  整理していく主な検討項目は、次の通りです。 ・常時介護を要する障害者等に対する支援、障害者等の移動の支援、障害者の就労の支援  その他の障害福祉サービスの在り方 ・障害支援区分の認定を含めた支給決定の在り方 ・障害者の意思決定支援の在り方、障害福祉サービスの利用の観点からの成年後見制度の  利用促進の在り方 ・手話通訳等を行う者の派遣その他の聴覚、言語機能、音声機能その他の障害のため意思  疎通を図ることに支障がある障害者等に対する支援の在り方 ・精神障害者及び高齢の障害者に対する支援の在り方  これらの中で、WGのもと、次の3つの検討項目については、論点整理を行う「作業チ  ーム」を設けられることとなりました。 ○「常時介護を要する障害者等に対する支援の在り方」(とりまとめ役:野沢和弘構成員) ○「手話通訳等を行う者の派遣その他の聴覚、言語機能、音声機能その他の障害」(とり  まとめ役:寺島彰構成員) ○「高齢の障害者に対する支援の在り方」(とりまとめ役:大塚晃構成員)  これについて構成員からは、「作業チームには幅広く深い検討が可能となるよう、さら  に学識者を加えてほしい」との要請があり、事務局は、それぞれの取りまとめ役と相談  して追加していく旨の回答をしました。  なお、WGや作業チームにおいて関係団体等からヒアリングを行いつつ検討を進める旨 は、先日の社会保障審議会障害者部会においても確認されたところです。  続いて、障害保健福祉施策の動向と各論点(項目)についての事務局からの説明の後、 意見交換が行われました。項目別の委員からの意見と、それに対する事務局からの回答は、 以下のとおりです(意見のあった項目のみ記載)。 (3)障害者の就労の支援  構成員から「就労支援のどういう内容を議論するのか事務局にイメージはあるのか」と の質問に対し、事務局からは「いろいろな意見を聞いてどういう論点にするか考えたい」 との回答がありました。  その他、「工賃向上5か年計画はほとんど効果が出ていない点をどう考えるか。これを就 労支援と言えるのか」「高次脳機能障害の方等への就労支援ももっと探究されるべき」と の意見も出されました。   (4)障害支援区分の認定を含めた支給決定の在り方  構成員から「障害程度区分から障害支援区分に変わったことで、特に知的障害者や精神 障害者についてどういう変化があったのか」との質問に対し、事務局からは、いま手元に データがなく、関連情報を収集したいとの回答に留まりました。   (5)障害者の意思決定支援の在り方、障害福祉サービスの利用の観点からの成年後見制 度の利用促  進の在り方  「成年後見制度はそもそもこういう仕組みで良いのか。そうした点で、検討には法務省 関係者も呼ぶべきではないか」との構成員からの意見に対し、事務局からは「検討に必要 な人は呼びたいとは考えるが、ワーキンググループは(同)制度の根本を変えていくよう な議論をするものではない。障害者部会でこのテーマについて議論するべく、論点整理を していくものである」との回答がありました。   (6)手話通訳等を行う者の派遣その他の聴覚、言語機能、音声機能その他の障害のため 意思疎通を図ることに支障がある障害者等に対する支援  構成員からの「ITの進歩に伴い、スマホ等の通信関係機器も意思疎通を図るうえで有 効なものとなっている。そうしたツールの導入や厚労省以外の部分でのさらなる関係予算 確保を考えると、総務省関係者も検討に加えるべき」の意見に対し、事務局は「有効であ るようなら他省庁からの情報収集や話をすることもできるが、まずは(障害者部会に向け てここでの)論点整理を行ってほしい」との回答がありました。  また、構成員からは、「知的障害者への意思疎通支援についても検討すべき」「意思疎 通支援は現在、市町村事業であるが、地域差が出ているのかについて検証すべき」との意 見も出されました。 (7)精神障害者に対する支援  このテーマについては構成員から「20万人の社会的入院の地域移行支援を最重点課題と すべき」という意見が出されました。また、「このテーマについてはこの場以外でも議論 するのか」との質問に対し、事務局は「精神保健福祉法の施行3年後の見直し検討規定につ いて別途、議論していくこととなる。そちらと連携して検討していく」と回答しました。 (8)高齢の障害者に対する支援  構成員から「基本は介護保険制度での対応が原則だが、切れ目のない制度化は大きな論 点である。障害福祉関係施策で保障されていた自治体の上乗せ、横出しサービスが、介護 保険分野においてもきちんと認識されているのか」、「検討にあたっては在宅、施設、病 院を利用している者とその家族との関係を併せてみていく必要がある」、「医療ニーズが ある障害者について、高齢化に伴う医療との関係はどうなっているのか」、「若い頃から 障害がある方が高齢になった場合を中心に議論されることが多いが、高齢になって障害が 生じた方の課題にも配慮し、両者のバランスを取って議論すべき」との意見が出されまし た。  その他、構成員より、「附則以外に賃金補填や障害年金などの積み残しの問題について も議論するのか」との質問に対し、「附則の検討規定が中心となるが、関連事項も含めて 議論する。障害者部会においても、広く議論していくことを期待する声もある。広く議論 を進めるなかで(検討内容の)優先順位も出てきて整理できていくと考える」と事務局は 回答しました。  当日の配布資料は以下のURLよりご参照ください。次回の開催日程は未定です。 [厚生労働省]ホーム>政策について>審議会・研究会等>障害保健福祉部が実施する検討 会等>障害福祉サービスの在り方等に関する論点整理のためのワーキンググループ>障害 福祉サービスの在り方等に関する論点整理のためのワーキンググループ(第1回)  http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000068219.html 3.社会保障審議会福祉部会(第9回、10回)が開催され、施設職員等退職手当共済制度の 見直しと、役員報酬と関係者への利益供与禁止等に関する議論が進む    「社会保障審議会福祉部会」(部会長:田中滋慶應義塾大学名誉教授)の第9回が11月 19日(水)に、第10回が12月19日(金)に開催されました。 〔第9回 開催内容〕  第9回では、社会福祉施設職員等退職手当共済制度の見直しについての協議が行われま した。  同共済制度は、社会福祉法人の経営する社会福祉施設等の職員の待遇改善をすることで 職員の身分の安定を図り、社会福祉事業の振興に寄与することを目的に、昭和36年より独 立行政法人福祉医療機構が運営し実施しているものです。掛金については、国と都道府県 からそれぞれ3分の1の公費補助となっており、平成12年の社会福祉基礎構造改革により 高齢者対象の福祉サービスを中心に社会福祉法人以外の多様な主体の参入が進められたこ とから、平成18年度以降は介護保険制度の対象となる高齢者関係の施設・事業所に対する 公費補助は廃止されました。  平成26年4月現在の被共済職員数は約78万人にのぼります。なお、被共済職員である期 間が1年以上である場合は、退職してから2年以内に再び被共済職員となった場合にその期 間を支給額算出の際に合算できる仕組みとなっています。  今回の議論では、同共済制度の給付水準、合算制度、公費助成について、それぞれ以下 にある見直しの考え方が示されました。 給付水準について ○ 社会福祉施設職員等退職手当共済制度は、社会福祉施設等に従事する人材を確保し、福   祉サービスの安定的供給と質の向上に資することを目的としている。その給付水準の見 直しにあたっては、民間との均衡を考慮しつつ長期加入に配慮した支給水準など、職員 の定着に資するような仕組みとすべきではないか。 ○ 国家公務員退職手当制度において、民間との均衡を考慮して支給水準の見直しが行われ、 本年7月から本格施行されており、社会福祉施設職員等退職手当共済制度と比較して長 期加入に配慮した支給乗率になっていることから、国家公務員退職手当制度に準拠した 支給乗率としてはどうか。 ○ 給付水準を見直した場合、既加入職員の期待利益を保護する観点から、適切な経過措置   を講じてはどうか。   合算制度について ○ 出産、育児、介護その他の事由により退職した職員が、社会福祉事業の職場に復職しや すい環境を整える観点から、合算制度をより利用しやすい仕組みとすべきではないか。 ○ 被共済職員が退職した日から2年以内に再び被共済職員になった場合、前後の期間を合 算する規定について、中小企業退職金共済制度と同様に、期間を3年に見直してはどう か。   公費助成について ○ 保育所及び障害者総合支援法等に関する施設・事業(児童福祉法に基づく障害児を対象 とする事業を含む。以下同じ。)については、介護関係施設・事業において公費助成が 廃止されていること、他の経営主体とのイコールフッティングの観点等から、公費助成 のあり方を見直すべきではないか。 ○ 障害者総合支援法等に関する施設・事業については、前回改正時に公費助成を維持する 理由とされた障害者関連施策に係る制度移行が完了したこと等から、前回改正時の介護 関係施設・事業と同様に、公費助成のあり方を見直す必要があるのではないか。 ○ 保育所については、  ・子ども・子育て支援新制度が平成27年度から本格施行されること、  ・平成29年度まで待機児童解消加速化プランに取り組むこと  などを踏まえ、公費助成のあり方について、さらに検討すべきではないか。 ○ 公費助成のあり方を見直すに当たっては、既加入者の期待利益に配慮した経過措置を講 ずるとともに、公費助成の見直しに伴う法人の掛金負担の増分を、見直し後の報酬等の 改定において、適切に報酬等に反映するよう措置すべきではないか。 ○ なお、措置施設・事業については、他の経営主体の参入がない上に、介護関係施設・事 業や障害者総合支援法等に関する施設・事業のように報酬により運営費を賄うシステム になっていないことから、今回の見直しでは公費助成を維持することとしてはどうか。 [委員からの主な意見] ・同共済制度は人材確保が目的のものであり、重要なものである。ただし、手当給付額も 少なく、成熟度が低い制度。賦課方式であるため、法人負担が厳しくなることもありう る。公費補助は必要で、安易な見直しはすべきでない。 ・働く職員の意欲にも連動するもので、ある程度の目途がたってから、いずれ時期を見て あらためて慎重に検討すべき。 ・退職手当は、給与の後払いと功労の意味がある。勤務年数が長い者には老後の生活保障 になくてはならないもの。そうした者の給付水準の引き上げにつながるようにすべき。 福祉施設職員への社会的評価の表れとして、公務員並みの保障がなされる仕組みとすべ き。 ・障害福祉分野については補助廃止を機に契約解除する事業所が出てくるだろうが、それ は制度の空洞化につながる。 ・公的補助廃止の場合、掛金を報酬に組み入れるとなると、それが労働者保護に見合う水 準になるかどうか検証すべき。 ・超長期勤務である運営者等の給付額が、不自然に大きくならないような仕組みづくりも 必要。 ・共済制度から、契約数の多い保育分野が抜けてしまうと、制度が維持できないのではな いか。 〔第10回 開催内容〕  第10回は、12月19日(金)に開催され、「業務運営・財務運営の在り方について」、と くに役員報酬と関係者への利益供与の禁止等の2項目を協議題として開催されました。  以下、項目ごとの内容(配付資料より抜粋)とそれに対する構成員からの意見等です。 1.役員報酬について [考え方] ○ 公益財団法人と同様に、役員報酬等は、定款の定め又は評議員会の決議により決定する こととしてはどうか。 ○ 公益財団法人等と同様に、不当に高額なものとならないような理事、監事及び評議員に 対する報酬等の支給基準を定め、公表することを法律上義務付けてはどうか。 ○ 理事、監事及び評議員に対する報酬等の適正な水準を担保するため、役員等の区分ごと の報酬総額を公表するとともに、個別の役員等の報酬額について所轄庁への報告事項と してはどうか。 ※役員報酬等には、職員給与又は職員賞与として支給される分を含むこととしてはどうか。 [役員報酬に関する構成員からの関係意見] ○ 法人としての形態上、役員報酬は制度としてあるべきだが、社会福祉法人の本部会計は 社会福祉事業の残余金により一定の制限のもとで運営しているような実態であり、役員 報酬は出しにくい制度であった。施設長の場合は理事と兼務していないと報酬が出しに くく、兼務していても理事報酬を受けていない実態もある。「役員等の区分ごとの報酬 総額の公表にあたっては職員給与等として支給される分を含むこととしてはどうか」と の考え方が示されているが、先の課題が解決されれば理事報酬と施設長の職員給与等は 切り分けて支給されることが可能となるため、この「考え方」は適切ではない。 →[事務局]報酬が施設職員給与として支払われ、しかも中身が経営実態にそぐわない実 態になっていることが多いことから、平成26年6月の「規制改革実施計画」においても、 社会福祉法人の役員報酬において算定方針や報酬総額の開示の義務付けることについて、 職員給与も含んでの開示が謳われているところ。 ○ 自治体の立場からいえば、報酬水準等に関するチェックについて実効性あるものにする には、報酬が不当に高額だということをどのような基準で判断すべきか、国が明確なも のを示すべき。 ○ 今回の見直しによる理事等の権限強化を考えると、今後は非常勤ボランティアな役割で はなくなるため、報酬の支払い体系はしっかり備えるべき。役員報酬に関する国のガイ ドラインがあってもよい。 ○ 徹底した情報公開を進めると、報酬が事業費の何%を占めるかは誰でもわかるようにな る。そうした中で、批判があれば受け止める等、デスクロージャーを進めるべき。 ○ 役員報酬総額開示にいちばん反応するのは職員であり、その実態によっては、なかには 組織が維持できなくなることも出てくるかもしれない。今回の改革が職員への給与抑制 につながらないようにもしなければならない。 2.関係者への特別の利益供与の禁止等 [考え方] ○ 公益社団・財団法人制度と同様に、特別の利益供与を禁止する規定を法令上明記すべき ではないか。 ○ 財務諸表の注記対象となる関連当事者の範囲については、公益財団法人制度を参考に、 (1) 当該社会福祉法人を支配する法人若しくは当該社会福祉法人によって支配される法 人又は同一の支配法人をもつ法人 (2) 当該社会福祉法人の評議員及びその近親者に係る要件を加えることとしてはどうか。 ※ なお、社会福祉法人の場合は、法人外への資金拠出が制限されていることから、被支配 法人の資金調達額に占める当該社会福祉法人からの融資割合に関する要件を設ける必要 はないのではないか。 ※ 社会福祉法人が株式を保有する場合、営利企業を実質的に支配することがないよう、そ の保有割合は2分の1を超えてはならないこととされているが、公益財団法人制度につ いては、公益認定の要件として法令上明記されていることから、社会福祉法人制度にお いても、同様の取扱いとしてはどうか。 ○ 社会福祉法人会計基準において、財務諸表の注記事項として関連当事者との取引内容の 開示の対象となる取引の範囲については、公益法人会計基準と同様に取引額が100万 円超える取引としてはどうか。 [関係者への特別の利益供与の禁止等に関する、構成員からの関係意見] ○ 関係当事者のうち近親者については3親等ということであるが、財団や社団法人等にな らって2親等にしないと、地域の中に多く発生する。また、100万円という金額につい ても対象が広がり過ぎるのではないか。 →[事務局]さまざまな他の法人改革もこれからなされていく。社会福祉法人がその先陣 を切る。発生する事務負担については何らかの考慮しなければ、とは思う。 ○ 事務量負担が指摘されていたが、公費投入されているのになぜそんな事務もできないの かと社会から見られてしまうのではないか。 ○ 理事長が独断で取引先を決めないような権限規定を国がしっかり作るべき。 →[事務局]理事長権限の範囲については現在も規定はあるが、行政関与により監査を重 点的に行う等、あらゆる手段を講じてさらに適正なものとしていきたい。 ○ 関係者への利益供与については財務諸表の注記対象とする等情報公開の範囲内に留める のではなく、社会的信頼が失墜するような行為の例示を国が示すとともに、退出ルール (ペナルティ)も決めるべき。財務規律違反は、経営責任を負うような仕組みにし、毅 然とした態度が取れるものとして、業界全体のモラルが低いと見られないようにすべき。 【その他の関係意見】 ○ 社会福祉法人制度改革について、次は10年後というのでは心もとない。施行しつつ、時 間をかけて直していくことも必要で、継続的に検討すべき。 ○ 仲間意識で組織を守ろうとする評議員会だけでは牽制機能は充分に働かず、行政として の牽制チェック機能も同時に必要である。 ○ 法人運営について地域や職員がこれはおかしいと感じる部分を訴えていく受け皿も必要。 法的受託事業なのだから行政にも設けられるべき。 ○ 社会福祉法人は先駆性を持ち、常にイノベーションしていくべき存在であり、これまで の歴史の中でさまざまな福祉制度化についても貢献してきたが、現在はそうしたミッシ ョンにつながっておらず、むしろ後退しているのではないか。ある時期になったらイノ ベーションしていかないと指示を得られなくなるものだ。 ○ 日本型(終身)雇用がくずれ、社会の中でいわゆる制度の谷間に置かれたニーズが増え ている。その部分に応える社会福祉法人であるべき。 ○ 内部留保が積まれている法人と、ギリギリまでさまざまな事業に投下し続けている法人 との間で、財産を流せるような仕組みが作れないか。  これらの議論について、田中滋部会長は、「先日、ある人から今回の検討は社会福祉法 人への規制強化ではないかと言われたが、そうではない。規制が厳しければ、法人経営者 など要らないこととなる。そうではなく、説明責任やガバナンスを強化することによって 社会の理解を高めて、社会福祉法人が自主的な経営ができるようにしていくものだ。それ ぞれの社会福祉法人が自主性を持って事業展開していけるようにするために議論している のである」と述べました。  本来であれば年内を目途に方針のとりまとめとされていましたが、国会情勢の影響によ り、部会としてのとりまとめは年明けの予定となりました。次回の開催日程は未定です。  本検討チームの配布資料は、以下のURLにてご参照ください。 [厚生労働省]ホーム>政策について>審議会・研究会等>社会保障審議会(福祉部会) >第9回社会保障審議会福祉部会 資料  http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000065834.html >第10回社会保障審議会福祉部会 資料  http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000069451.html 4.厚生労働省「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」(第13回、14回)が開催される  厚生労働省「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」の第13回が、11月27日(木)に、 第14回が12月18日(木)に開催されました。  第13回では、(1)障害福祉サービス等従事者の人材確保・処遇改善について、(2)横断的 な事項についての検討が行われました。続く第14回では、これまでの各論の議論を踏まえ た報酬改定の基本的な方向性について(案)が示されました。  第13回において議論された各事項についての論点等(配布資料より抜粋)と、アドバイ ザーからの意見は次のとおりです。 (1)障害福祉サービス等従事者の人材確保・処遇改善 @ 福祉・介護職員等処遇改善加算 (論点等) ○ 現行の福祉・介護職員処遇改善加算(以下、処遇改善加算)を維持しつつ、更なる資質 向上の取組、雇用管理の改善、労働環境の改善の取組を進める事業所を手厚く評価を行 うための区分を新設してはどうか。 ○ 具体的な要件としては、処遇改善加算では、加算取得のキャリアパス要件として、  @ 職位・職責・職務内容に応じた任用要件と賃金体系を整備すること、   又は  A 資質向上のための計画を策定して研修の実施又は研修の機会を確保すること、 のいずれかを満たすことを求めるとともに、『定量的要件』として、賃金改善以外の 処遇改善への取組の実施を求めているが、現行のキャリアパス要件@とAの両方の整 備を求めることとしてはどうか。 ○ また、新設区分の定量的要件は、積極的に賃金改善以外の処遇改善への取組を実施し ていることを確認するため、近年に新たに実施した取組の記載を求めてはどうか。 [アドバイザーからの主な意見] ・ 人材を確保するためには今の水準では不十分であり、新たな区分の新設には賛成である。 ただし、定量的要件について、1つ行なっていれば良いとのことだが、1つも行なって いない事業所が果たしてあるのか。要件を絞り込む、(充たした要件の数等で)傾斜を かけるといった必要があるのではないか。質を高めるためにはハードルを設けて、事業 所に取り組みを促すことも必要ではないか。 ・ 現行のキャリアパス要件の@とAのどちらもしているところは、近年新たな対応をした 事実がないということにならないか。そう考えると、定量的要件を絞り込んでしまわず に、広い選択肢があっても良いのではないか。 ・ 全体的な底上げは必要だが、頑張っている上位を引き上げていくようなことも必要では ないか。処遇改善加算Vの減算幅は2割(加算T100%として80%)だが、これを3割 にして良いのではないか。 A 福祉専門職員配置等加算 (論点等) ○ 良質な人材の確保と障害福祉サービスの質の向上を促す観点から、福祉専門職の配置割 合が高い事業所をより評価できるよう、福祉専門職員配置等加算の要件を見直すことに ついて、どう考えるか。 [アドバイザーからの主な意見] ・ 25%以上の雇用が要件であるが、これでは25%をクリアすれば良いとなり、それ以上の 配置を進めるということにならない。この割合はもっと上げてはどうか。 ・ 強度行動障害者への支援が今回の改定で重要課題になっているので、該当の研修修了者 も対象に加えてはどうか。 (2)横断的事項 @ 地域区分 (論点等) ○ 今般の地域手当の見直しを受け、障害者サービス及び障害児サービスに係る地域区分に ついて、介護、保育等の対応を踏まえつつ、見直すことについてどう考えるか。また、 これらの施行における経過措置についてどう考えるか。 [アドバイザーからの主な意見] ・ 平成24年度改定時の見直しの完全施行は平成27年4月からで、すぐ同時にまた新たな見 直しへの段階移行がはじまるというのはどうのなのか。制度としては完全施行し、その 後に新たな移行となるのではないか。 ・ これは大きな見直しなので、地方でどういった反応があるかを見極め、慎重に進める必 要がないか。 ・ 障害児施設については、入所者の半数以上が措置入所であり、先行して見直しを進める 必要がある。 A 視覚・聴覚言語障害者支援体制加算 (論点等) ○ 視覚・聴覚言語障害者支援体制加算については、コミュニケーションに困難がある者に ついて、日中活動を円滑に実施する観点から、視覚障害者等との意思疎通に関し専門性 を有する者を配置した場合に加算することとしている。 ○ 一方で、施設入所支援やグループホーム等の居住系サービスについては、活動の場では なく生活の場であることから報酬上の評価を行っていなかったところであるが、障害者 の重度化・高齢化を踏まえると、地域で生活していた視覚障害者等がグループホーム等 へ入居・入所していくことが想定されることから、生活の場における職員や他の利用者 とのコミュニケーション支援についても検討が必要なのではないか。 ○ 施設入所支援、宿泊型自立訓練及び共同生活援助について、意思疎通に関し専門性を有 する者を配置することについてどう考えるか。施設入所支援、宿泊型自立訓練及び共同 生活援助について、意思疎通に関し専門性を有する者を配置することについてどう考え るか。 [アドバイザーからの主な意見] ・ この加算での支援の対象になる方は重複障害の方が多く、これまでは制度の狭間にいた が制度改正の中で対象となってきたという経緯がある。支援に係る困難さは大きいので、 総合支援法の施行後3年の見直しでもしっかり検討してもらいたい。 ・ 親の高齢化により自宅での生活が難しくなり、施設やグループホームに入所するという 方は増えているので、そうした場でのコミュニケーション支援の充実は必要である。 B 送迎加算 (論点等) ○ 送迎加算は、基本報酬で評価している以上の送迎実態を評価することを目的としている 一方で、基金事業で都道府県独自の基準を認めていた場合はその基準の適用が可能とな っているが、今後の取扱いについてどう考えるか。  【考えられる対応例】  @ 国基準を一律に適用する。  A 基金事業からの独自基準を継続して認める。 B 国基準の要件を緩和する一方、現行の国基準の要件を満たす事業所と緩和した要件を 適用する事業所で評価に差を設ける。 [アドバイザーからの主な意見] ・ 市町村合併が進み利用者の居住範囲も広がり、送迎も一方向ではなく両方向(北と南) の送迎が求められる。1回の送迎につき平均10人以上という国基準は、10人に運転手と 介助員を加えれば12人で、マイクロバスと大型免許が必要になる規模だ。そう考えると この基準は非常に厳しく、だからと都道府県独自の基準を認めている県が多いのではな いか。対応例Bに賛成である。 ・ 移動のニーズは個人差が相当あるので、本来は個別給付が望ましいものだと考えている。 この基準を厳しくすると、家族の負担が増えたり、利用がしづらくなったりする。でき るだけ個々のニーズに応えられる設計にすべき。 C 栄養マネジメント加算 (論点等) ○ 栄養ケア・マネジメント(個人の身体の状況、栄養状態等に応じた高度の専門的知識及 び技術を要する健康の保持増進のための栄養の指導等)は本来、管理栄養士の業務であ る。 ○ 前回の経過措置延長により、栄養ケア・マネジメント実施は栄養士から管理栄養士へと 確実に移行している。 ○ 一方で、施設における栄養マネジメント加算の取得率は従前と同程度となっている。 ○ 入所施設における栄養ケア・マネジメントを進めていく観点から、経過措置の延長や管 理栄養士の  評価について、どう考えるか。 [アドバイザーからの主な意見] ・ 管理栄養士を配置し計画に基づいて食事を提供することで、健康になり日中活動の充実 につながったという話を聞く。医療的ケアが必要な方への支援では、特に管理栄養士の 配置が必要だ。 ・ 管理栄養士の配置は進める必要がある。栄養ケア計画の作成が半数の施設でされていな いのはいかがか。 D 食事提供体制加算 (論点等) ○ 平成27年3月末で経過措置の期限が切れることを踏まえ、今後の加算の取扱いについて どう考えるか。 [アドバイザーからの主な意見] ・ 低所得者対応という意味でこの加算は必要、恒久化を考えていただいても良いと思う。 家族の高齢化等の理由で、自宅でしっかりとした食事を摂れない環境にある方も多い。 昼食の1食だけでも栄養バランスのとれた食事を摂ることは重要である。 ・ 生活介護の1か月のあたりの食事提供に要する費用(約5,556円)を1食分に換算すると 約300円、加算は42単位なので420円であり、差が生じている。是正が必要ではないか。 ・ 障害基礎年金(2級)で月6.3万円、授産工賃が月1.2万円であわせて7.5万円、そこに自 立支援法施行で利用者負担が生じ、食事1食分だけはみようという議論があった。現在、 年金も工賃も水準が変わらない中で、ただ経過措置を廃止とはできないのではないか。 E 補足給付 (論点等) 論点@:基準費用額について ○ 補足給付の基準費用額の設定に当たっては、障害独自の調査が行われていなかったこと から平成1 4年の介護施設経営実態調査を基に、基準費用額を58,000円(食費48,000円、 光熱水費10,000円)としたところ。 ○ 一方で、介護保険の補足給付の基準費用額については(多床室の場合)平成16年介護事 業経営概況調査を基に、平成17年から基準費用額を52,000円(食費42,000円、光熱水費 10,000円)としている。 ○ 制度創設以降、基準費用額の見直しは行われておらず、平成26年の消費税引上げの際も、 同様の 制度である介護保険サービスにおいて実態調査を行った結果、現行の基準費用 額と消費税引上げの影響を加味した調査結果の額に見直しを要するほどの差が生じてい なかったこと及び障害福祉の経営実態調査の直近のデータがなかったことから、介護と 同様に基準費用額については据え置くこととした。 ○ 補足給付の基準費用額の水準についてどう考えるか。 <基本的な考え方> ○ 基準費用額については、障害福祉サービス等経営実態調査等を踏まえ検討する。 論点A:平均的な家計における一人当たりの支出額の経過措置について ○ 20歳未満の者の補足給付については、本人がまだ障害年金を受給しておらず、実際には 保護者が食費等の費用を負担することとなると想定されることから、こうした事情を踏 まえた算定方法としている。 ○ 具体的には、平均的な家計における一人当たりの支出額から、食費・光熱水費以外に要 する費用(その他生活費)等を控除して得た額を食費等の負担限度額としている。 ○ 一般1世帯においては、世帯の負担軽減を図るため制度施行時から、平均的な家計にお ける一人当たりの支出額を住民税非課税世帯と同様の額とする経過措置をおいている。 ○ 当該経過措置は、平成27年3月31日までとなっているが、経過措置について、どう考え るか。 [アドバイザーからの主な意見] ・ この給付の存在が入所施設志向の要因の一つである。地域で生活する方にグループホー ムの家賃助成があるとは言え、公平性が保てているだろうか。給付がなくなったら、事 業所は負担を利用者に求めることになるので、地域で生活する方の負担も踏まえた検討 をしないといけないのではないか。 〔第14回 開催内容〕  第14回は12月18日(木)に開催され、これまでの各論の議論を踏まえた報酬改定の基本 的な方向性について(案)が示されました。  当日配布された資料「平成27年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性につい て(案)」は「福祉・介護職員の処遇改善」、「障害福祉サービス等の充実と適正な実施 等」、「その他」により構成されています。  資料説明の際には、「前回の検討チームで必要な議論が一巡したため、報酬改定の基本 的な方向性について一定の整理を行ったものである。報酬改定の内容を網羅的にまとめた ものではなく、主なものについてまとめたものである」、「具体的な改定内容は、介護報 酬における対応を踏まえつつ、予算編成過程を経て決定する」との説明が事務局よりあり ました。  事務局からの資料説明の後に各項目の協議となりましたが、アドバイザーから全体に係 る意見として「障害福祉サービスの事業所は介護保険に比べて事業規模が小さいため、少 しの理由で収支差率は大きく変わり、金額(収支差額)は絶対的に少ない。複数の事業を 組み合わせて1つの事業所として運営しているところも多く、1つの事業の収支のプラス だけで経営実態が良いとは言えない状況がある。利用者の状態によって毎日の利用となら ない方も多く、それで給付費収入の変動が大きくなる事業所も多い。介護保険とは異なる、 障害福祉サービスの特性を是非考慮してもらいたい」との発言がありました。       (※資料より抜粋) 【T、福祉介護職員の処遇改善】 〔対応の方向性〕 ・ 現行の福祉・介護職員処遇改善加算を維持しつつ、更なる資質向上等の取組を進める事 業所を手厚く評価するための区分を新設する。 ・ 新設する区分の算定要件として、現行の加算のキャリアパス要件とされている、  @ 職位・職責・職務内容に応じた任用要件と賃金体系を整備すること  A 資質向上のための計画を策定して研修の実施又は研修の機会を確保すること  の両方を満たすことを要件とし、併せて、定量的要件として、積極的に賃金改善以外の 処遇改善の取組を実施していることを確認するため、近年に新たに実施した取組を要件 とする。 ・ また、福祉専門職員配置等加算(T)について、専門職員の配置割合がより高い事業所 に対して単位数の引上げを行う。 【U、障害福祉サービス等の充実と適正な実施等】 @ グループホームにおける重度者支援の充実 〔対応の方向性〕 ・ 基本報酬について、障害支援区分の高い利用者に係る報酬への重点化を行う。 ・ 重度障害者支援加算について、現行の体制加算から、重度障害者に対する支援を個別に 評価する加  算へと単位数を含めて見直すとともに、一部の従業者に対して一定の研 修の受講を促すことにより資質の向上を図る。 ・ 現行、利用者4人以下の場合に一律となっている夜間支援等体制加算の単位数について、 より少人数の区分を設けて単位数の引上げを行う。 ・ 介護サービス包括型における個人単位の居宅介護等の利用に係る経過措置を3年間延長 する。 A 地域移行に向けた支援の充実 〔対応の方向性〕 ・ 施設・病院等を訪問し、利用者の生活状況の把握等を行った場合の加算を創設する。 ・ 1回の支給決定で90日以内かつ15日までとされている体験利用等に係る利用制限期間を 延長する。 B 就労移行後の定着実績の評価 〔基本的考え方〕 ・ 就職時の適切なマッチングや継続的な職場定着支援を推進することにより、一般就労に 移行した障害者の更なる職場定着を促進する。 〔対応の方向性〕 ・(一般就労移行後の定着実績(定着期間)に応じた評価への見直し)   現行、基本報酬で評価されている期間(就労移行後6月)経過後についても、職場定着 の期間に応じて加算により評価を行う。 C 工賃向上に向けた取組の推進 〔基本的考え方〕 ・ 工賃向上に向けた取組を更に推進するため、目標工賃の達成やそのための体制整備に積 極的に取り組む事業所をより評価する。 〔対応の方向性〕 ・(事業所の取組実態に応じた評価への見直し)   目標工賃達成加算、目標工賃達成指導員配置加算について、目標工賃の達成実績や工賃 向上に向けた体制整備への取組状況に応じた評価ができるよう算定要件を見直す。 D 計画相談支援の強化 〔対応の方向性〕 ・ 整った人員体制や関係機関との連携等により、質の高い計画相談支援が提供されている 事業所を評価する加算を創設する。また、よりきめ細やかな支援の実施を図る観点から、 サービス利用状況の定期的な検証(モニタリング)について検討する。 ・ 障害児相談支援において、保護者の障害受容ができないこと等により、特にアセスメン トに係る事業所の業務負担を評価する加算を創設する。 E 強度行動障害を有する者に対する適切な対応 〔対応の方向性〕 ・ 従前、サービスを提供していた行動援護の従業者が、重度訪問介護の従業者に同行して 利用者の居宅を訪問し、必要な指導・助言を行った場合等に加算により評価を行う。 ・ 施設サービス等において、強度行動障害者養成研修を受講した職員の配置を要件として 加算により評価を行う。 F 障害児支援の充実 〔対応の方向性〕 ・ 「児童指導員」等の有資格者を配置し、又は加配(配置基準以上の指導員を配置するこ と)した場合の評価を行う。 ・ 障害児の居宅を訪問し、障害児及びその家族等に対する相談援助等を行った場合に算定 される家庭連携加算について、児童発達支援を利用した同一日にも算定可能とする。 ・ 重症心身障害児を受け入れる事業所に係る定員6人以上10人以下の報酬単価を見直し、 小規模事業所における追加的な利用者受入れのインセンティブを高める。   また、重症心身障害児を手厚い人員配置で受け入れ、営業時間を延長して支援を行った 場合に算定される延長支援加算について、単価の引上げを行う。 ・ 短期間のサイクルで、入所・退所調整に時間、労力を要する「有期・有目的入所」の対 応を行った場合に評価を行う。 G サービスの適正な実施等 ○ 生活介護事業の開所時間減算の見直し 〔基本的考え方〕 ・ 生活介護については、サービス提供実態が様々であり、開所時間にもばらつきが見られ ることから、開所時間に係る減算を見直し、サービス提供の適正化を図る。 〔対応の方向性〕 ・(4時間以上の開所時間に係る減算の適用)   現行、開所時間が4時間未満の場合に適用される開所時間減算について、減算の対象区 分等を見直す。 ○ 就労移行支援の就労移行実績がない場合の減算の見直し 〔基本的考え方〕 ・ 事業の趣旨を踏まえ、就労定着の実績がない事業所に適用される減算を見直し、サービ ス提供の適正化を図る。 〔対応の方向性〕 ・(就労移行実績がない場合の減算の見直し)   現行、過去3年間、就労定着実績がない場合に適用される減算の適用期間等を見直す。 ○ 就労継続支援A型の短時間減算の見直し 〔基本的な考え方〕 ・ 就労継続支援A型については、かねてより利用者の利用時間が短い事業所の問題が指摘 されていることから、短時間利用に係る減算を見直し、サービス提供の適正化を図る。 〔対応の方向性〕 ・(利用者1人あたりの1日の平均利用時間に応じた減算への見直し)  現行、短時間利用者の割合が5割以上の場合に適用される短時間利用減算について、利 用者1人あたりの1日の平均利用時間に応じた減算に見直す。   ○ 障害児通所サービスの開所時間減算の見直し 〔対応の方向性〕 ・ 現行、開所時間が4時間未満の場合に適用される開所時間減算について、減算の対象区 分等を見直す。 ○ 食事提供体制加算の時限措置の延長と見直し 〔対応の方向性〕 ・ 時限措置を3年間延長するとともに、現に要する費用の実態に鑑み単位数を見直す。 ○ 施設利用者の食費・光熱水費を補填する「補足給付」の見直し 〔対応の方向性〕 ・ 経営実態調査等における直近の費用の実態等を勘案し、基準費用額を介護保険と同程度 の水準に見直す。  これらの各項目の内容については、どの項目についてもアドバイザーから概ね賛成の意 見が上がりました。 [主な意見] ・ 就労移行後の定着実績の評価について、より長い期間の定着を評価することは重要であ るが、定着するまでどのような支援をしてきたかも重要ではないか。 ・ 障害者を雇用してみて、しばらく経ってから思いもよらない問題が出てきて、それで困 った時に相談できる場所がないという苦労を企業等から聞く。定着事績を評価すること も重要だが、定着するためのアドバイスがあることが雇う側からすれば助かる。ジョブ コーチやハローワーク等がそれぞれの立場でやってはいるのだろうが、それらが繋がっ ていないという問題がある。関係機関が情報を共有できる仕組みが必要である。 ・ 移行実績がない就労移行支援事業所からはいろいろな事情があるという話は聞くが、一 方で民間の障害者の就職支援をしている事業者等からは、補助を受けて(給付費収入を 得て)事業をしているのに就職実績がないことには理解できないとの意見がある。介護 報酬のマイナス改定がいわれている中で、障害福祉サービスにも厳しい対応が求められ るのではないか。国民が納得するような改定でなくてはならず、やはりここについては 厳しい対応をせざるを得ないのではないか。 ・ 新体系となって就労移行支援事業ができて数回の改定を経ており、そろそろ実態に応じ た厳しい見直しがあっても良い時期なのではないか。就労継続支援A型の減算について は、A型事業は民間企業で働くことに近いイメージのものであるはずで、短時間の利用 は本来の趣旨からは外れたものではないか。しかし、難病患者等の短時間の利用が有意 義な方もいるので、減算の算定の対象からは難病患者は外すということをお願いしたい。 ・ 福祉介護職員の処遇改善について、量も質も確保していかないと現場は大変である。今 回質を上げることのメッセージが出されていることは重要である。 ・ 処遇改善の取り組みを頑張ってしている事業所を応援すること、取り組みが不十分な事 業所にそれを促していくことの両方が必要。 ・ グループホームにおいては、重度者への対応の重点化と夜間帯の支援の充実はセットで 進めるべき。 ・ 地域移行に向けた支援の充実について、体験利用は状態に波のある方のためにも120〜 150日くらいまでの延長を是非お願いしたい。 ・ 強度行動障害を有する者に対する適切な対応について、養成研修をしっかり体系化して いくことが必要であり、基礎研修を受けたから良いではなく実践研修も受講することが 必要である。 ・ 研修を受けた方への評価はもちろん大事だが、実際に改善できている事業所の努力を評 価できるような仕組みが今後は必要。  その他、介護報酬が平成27年度改定で3.0%程度引き下げられるとの各種新聞報道があっ たことを踏まえ、アドバイザーより「介護報酬は引き下げとの話が出ているが、障害福祉 サービスの報酬についてはどうなるのか」との質問がありました。それに対して藤井障害 保健福祉部長は「国の財政が厳しい中で、介護・障害に限らずどこも厳しい状況にある。 予算編成過程の折衝は相当厳しいものになることは間違いない。必要な予算を確保できる よう、我々として最大限の努力をすると言うしかない」と回答しました。  次回の開催予定は未定です。  本検討チームの配布資料は、以下のURLにてご参照ください。   [厚生労働省]ホーム>政策について>審議会・研究会等>障害保健福祉部が実施する検討 会等>障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(平成27年度報酬改定)   >第13回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000066633.html >第14回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000069299.html 5.「労働政策審議会障害者雇用分科会」(第66回)が開催される    「社会保障審議会福祉部会」(分科会長:山川 隆一 東京大学大学院法学政治学研究科 教授)の第66回が、12月15日(月)に開催されました。  これは障害者の雇用促進を積極的に進めていくことを目的に、地域の就労支援のあり方 や、民間企業や作業所、支援機関などをはじめとする就労の場での障害者に対する差別の 禁止、必要とされる合理的配慮の提供指針などについて協議されているものです。  今回の会合では、合理的配慮指針についてと、両指針(合理的配慮、差別禁止)のまと めについて、これまでの分科会での協議を踏まえた修正案が示され、協議がされました。  協議に入る前に事務局から、前回からの大きな変更点としては、合理的配慮の内容に係 る採用後の必要な措置の箇所で「障害の特性に配慮した職務の円滑な遂行に必要な設備、 援助を行う者の配置」が追加されたこと、相談体制の整備の内容で「相談体制の整備に当 たっては、障害者である労働者の疑義の解消や苦情の自主的な解決に資するものであるこ とに留意すること」が追加されたこと、それ以外の変更箇所は、現在並行して内容に係る 法令審査を実施しており、審査の過程において現時点で出ている意見(字句整理、項目標 題の追加等)を反映したものである、との説明がありました。  また、差別禁止指針については、これまで分科会で示された内容から変更が発生してい ますが、すべて法令審査における意見を反映したもの(差別禁止指針案については法令審 査済)であるとの説明でした。 [委員からの主な意見] ・ 合理的配慮の内容について、「合理的配慮の事例として、多くの事業主が対応できると 考えられる措置は別表のとおり」とあるが、この“多くの”は数ではなく全体的な割合 を指すという理解で良いか。 ・ 内容を修正するべきという意見ではないが、合理的配慮の例をあげた別表の「出退勤時 刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること」とあるが、これは障害者ではない 労働者に対しても使用者がしなくてはいけないことであり、取り立ててここで掲載する 必要があるのかは疑問だ。障害のある人とない人に差をつけることにもつながらないだ ろうか。 ・ 合理的配慮指針の中の、「手続きにおいて、障害者の意向を確認することが困難な場合、 就労支援機関の職員等に障害者を補佐することを求めても差し支えない」について、ピ アサポートが効果をあげることも期待できるので、障害者雇用の拡大につなげるために も就労支援機関の職員に障害者を採用するという視点も大事ではないか。 当日の議論をふまえて、修正された案が今後パブリックコメントにかけられ、その結果 をふまえて、分科会で議論を行う予定です。  次回は3月2日(月)に開催される予定です。 [厚生労働省]ホーム>政策について>審議会・研究会等> 労働政策審議会(障害者雇用 分科会)>第66回労働政策審議会障害者雇用分科会 資料 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000066763.html