障害福祉関係ニュース(障害福祉制度・施策関連情報) 平成26年度8号 通算312号 (平成26年11月5日発行) (障害福祉制度・施策関連情報) 本ニュースは、全社協 高年・障害福祉部に事務局をおく、 セルプ協・身障協・厚生協・全救協・障連協の協議員・役員・構成団体、 ならびに都道府県・指定都市社協に電子メールにてお送りしています。 [発行] 全国社会福祉協議会 高年・障害福祉部 〒100-8980東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル内 TEL:03-3581-6502 FAX:03-3581-2428 E-MAIL:z-shogai@shakyo.or.jp ◇◆◇ 今号の掲載内容 ◇◆◇                           T.障害福祉制度・施策関連情報 1.厚生労働省「社会保障審議会福祉部会」(第6回、第7回)が開催される  …P.1 2.厚生労働省「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」(第9回、10回)が開催さ れる …P.7 T.障害福祉制度・施策関連情報 1.厚生労働省 社会保障審議会福祉部会(第6回、7回)が開催される  「社会保障審議会福祉部会」(部会長:田中 滋 慶応義塾大学名誉教授)の第6回が10 月16日(木)、第7回が10月20日(月)に開催されました。  第6回では、第5回に引き続き「業務運営・財務運営の在り方」について協議が行われ ました。また、前回、この協議題に係る論点(※1)が示され、部会員より公益活動実践 の現状報告がありましたが、社会福祉法人の公益性を担保する財務規律に関連し、適正か つ公正な支出管理を行い、その上で余裕財産(※2)の明確化を図り、それを福祉サービ ス・地域公益活動へ再投下するという、第4回で既に示されていた画(イメージ)に基づ き、主に『再投下計画』についての協議が行われました。  続く第7回では、余裕財産の再投下(再投下計画)の対象とされる『地域公益活動』に ついての協議が行われました。 (※2)第4回部会では、いわゆる内部留保(利益剰余金)を、事業の継続に必要な財産 である「控除対象財産」と、この控除対象財産を除いた「計画的再投下対象財産」(再投 下計画の原資となるもの)に分 けられるとの考え方が示されていました。 (※1)以下、第5回部会で示された論点の改訂版です。(第6回部会資料より抜粋) 「地域公益活動」について(論点(改訂)) (※________が追加部分) ○ 福祉ニーズの多様化・複雑化、多様な経営主体の参入といった状況の下、社会福祉法人 の社会的使命の観点から、「地域公益活動」の定義や範囲について、どのように考える べきか。「地域公益活動」と社会福祉事業・公益事業の関係について、どのように整理 すべきか。 ○ 規制改革実施計画において、「すべての社会福祉法人に対して、社会貢献活動(生計困 難者に対する無料・低額の福祉サービスの提供、生活保護世帯の子どもへの教育支援、 高齢者の生活支援、人材育成事業など)の実施を義務づける。」とされているが、これ を踏まえ、どのように制度化すべきか。   ⇒・ 社会福祉法人が担う地域における公益的な活動には、直接費用の支出を伴わない ものを含め、多様な取組みが想定される。すべての法人に対し、こうした取組みの実施 を求めるべきではないか。   ・ 他方、「余裕財産」の再投下の対象としての「地域公益活動」については、社会 福祉法人の公益性に照らし、地域の福祉ニーズの充足に他の経営主体に率先して取り組 むべきではないか(「地域公益活動」は、社会福祉事業又は公益事業に包摂される。) ○ 「地域公益活動」の実施に関し、地域のニーズを把握する仕組みをどのように構築すべ きか。 ⇒ 地域の福祉ニーズについては、地域の利用者、福祉関係者、行政関係者等により構 成される協議  会や地域福祉計画の策定に係る議論の場において把握すべきではない か。 ○ 再投下計画における、「地域公益活動」と福祉サービス(社会福祉事業・公益事業)の 充実との関係、位置づけをどのように考えるべきか。 ⇒ 社会福祉事業等について、適正かつ公正な支出管理、適切な事業運営を確保すると ともに、余裕 財産については、社会福祉法人の公益性に照らし地域ニーズに基づく 「地域公益活動」に優先的に投下すべきではないか。   ○ 再投下計画に位置づけられた「地域公益活動」について、その定義や範囲に照らした内 容の適正性の確保、その実行性の担保という観点から、行政の関与の在り方を含め、ど のような仕組みが考えられるか。 ⇒ 「地域公益活動」については、把握した地域の福祉ニーズを基に、行政の関与の下、 地域における適切な資源配分を考慮して、「再投下計画」に位置付けた上で、その実効 性を担保すべきではないか。    (1)第6回部会における協議内容(「再投下計画」について)  余裕財産については、上述の通り事業の継続に必要な財産である「控除対象財産」と、 この控除対象財産を除いた「計画的再投下対象財産」(再投下計画の原資となるもの)に 分けられるとの考え方が示されていたところですが、第6回部会ではこの内容についての より詳細な考え方と、再投下計画の枠組みについての考え方が、以下のように示されまし た(資料より抜粋)。 【社会福祉法人の余裕財産の明確化】 ○ 社会福祉法人の(A)すべての財産(基本金及び国庫補助等特別積立金を除く)を対象に、 (B)事業継続に必要な財産(控除対象財産)と余裕財産を区分し、余裕財産を(C)再投下対 象財産として位置づける。  (A) すべての財産 = 資産 − 負債 − 基本金 − 国庫補助等特別積立金     (B) 控除対象財産:事業継続に必要な最低限の財産(@〜Bで構成) ※負債との重複部分は調整     @ 社会福祉法に基づく事業に活用している不動産等(土地、建物、設備)       ※ 特定は財産目録等により行う(基本金及び国庫補助等特別積立金との重複 部分は調整)     A 再生産に必要な財産(建替・大規模修繕、設備等の更新)       ※ 補助金、融資の活用を考慮した算定基準を適用     B 必要な運転資金(事業未収金、緊急の支払や当面の出入金のタイムラグ)       (C) 再投下対象財産 = ? すべての財産 − ? 控除対象財産(事業継続に必要な最低限 の財産) 【再投下計画枠組み】 1.計画策定から実施までの流れ(@〜I) <初年度>  社会福祉法人は、@前年度末までに決算見込みに基づく再投下計画を策定 → 社会福祉法人は、A再投下計画を所轄庁に承認申請 → 所轄庁は、B再投下計画の承認審査(※)をし、C再投下計画を承認 → 社会福祉法人は、D計画的再投下対象財産(以下「再投下財産」という)の投 下を開始 (※)法人の自主的な判断に基づく福祉サービスの充実、地域の福祉ニーズに即した「地 域公益活動」の実施  を計画的に推進するという制度の趣旨に沿った運用とすることを 所轄庁へ周知・徹底を図る。 <次年度以降>  社会福祉法人は、E初年度実績に基づき再投下計画を更新  → 社会福祉法人は、F更新した再投下計画を届出 (新規事業・事業内容の変更について は新たに承認申請)   → 所轄庁は、G更新された再投下計画を受理し、Hその計画に対して指導・監督    → 社会福祉法人は、I (所轄庁の指導・監督に基づき)再投下財産の投下を継続 2.計画内容 ○ 個別の再投下事業ごとに以下の内容を記載(固定資産の処分が必要な場合には、処分内 容を含む)  ・事業の内容 ・実施期間(年次計画を含む) ・計画全体に係る投下総額及び内訳  ・各年度の積立額及び支出額  等  以上の考え方についての事務局(厚生労働省福祉基盤課)からの説明後、特に社会福祉 法人関係の部会員からは、再投下対象財産の有無の判断基準、再投下対象財産がない法人 の取扱い、定款に記載されている既存の実施事業との関係性等について不明確であるとの 意見があがりました。その他、所轄庁の審査基準に係る意見(柔軟性を持たせるべき、自 主性を担保するために承認ではなく提出されたものの確認とするべき等)、社会福祉法人 の地域におけるニーズ対応に係る意見(日々の業務の中で発見されたニーズこそが地域貢 献活動につながる、地域レベルで表出されづらいニーズへの対応(刑余者、DX被害者、 路上死防止、在日外国人支援等)をどう評価するか等)もあがりました。  「地域公益活動が、社会福祉法人の本来業務との関係で本末転倒にならないよう(本来 業務よりも地域公益活動をするべきといったことにならないよう)議論すべき」との意見 もあり、議論を受けて田中座長は、「社会福祉法人としての本来業務を疎かにして地域公 益活動をしろとは誰も考えていない。ただし、『社会福祉法人は本来事業をきちんとやっ てきたのに批判をされるのはおかしい』という主張は今日の社会では通らない。本来業務 では満たされていない地域ニーズやその対応のための新しいイノベーションを考えなけれ ば、本来の社会福祉法人とは言えないという社会の指摘に応えていく必要がある」と述べ られました。 (2)第7回部会における協議内容(「地域公益活動」について)  第7回部会では、第6回部会にて協議された再投下計画の対象となる地域公益活動につ いて、その位置づけや責務等の考え方が、次頁にあるように示されました(資料より抜粋)。 【地域公益活動の位置づけ】 ○ 「地域公益活動」は以下の要件を充たす事業又は活動  ・ 社会福祉を目的とするものであること  ・ 地域におけるニーズがあること  ・ 公的制度による給付の対象となっていないこと   ○ 社会福祉法人は、社会福祉事業又は公益事業を行うこととされている。 公益事業は、社会福祉事業以外の事業であってその事業を行うことが公益法人の目的と なり得る社会福祉と関連する事業である。(限定列挙等の形で事業が限定されるもので はない。) したがって、社会福祉法人が行う社会福祉を目的とする事業は、すべて社会福祉事業又 は公益事業に該当する。 ○ 再投下の対象は以下のとおりである。 ・ 「地域公益活動」 ・ 「地域公益活動」以外の社会福祉事業又は公益事業により供給される福祉サービスの 充実                  〔社会福祉事業〕        〔公益事業〕     (公的制度の給付対象) {       記載なし          }   (公的制度の給付対象でない) {     「地域公益活動」        } 【地域公益活動に係る責務等の内容】 再投下投資対象  無             有 地域公益活動に  直接費用の支出を伴わない  左記の責務に加え、計画的再投下財産 係る責務の範囲  ものに係る「地域公益活動」 を投下して行う「地域公益活動」の実 施 行政の関与    事前 ―          事前 再投下計画の承認          事後 現況報告書に基づく  事後 届出(更新)された再投下計画             指導監督          に基づく指導監査 地域ニーズ反映  法人の事業計画に位置付け  「地域協議会」、地域福祉計画において の枠組 把握されたニーズを基に再投下計画を 策定  事務局(厚生労働省福祉基盤課)からの説明では、「一部でも市町村等から補助が入っ ているような事業はここでいう地域公益活動(すなわち社会福祉法人に義務づけられる地 域公益活動)とはみなされない」、「再投下対象財産がある場合の地域公益活動は、地域 協議会等での把握ニーズを基にした内容に限定される」といった趣旨のものでした。  さらに、所轄庁による再投下計画の承認において、確認の対象として考えられる事項と して、   @ 再投下の対象となる「地域公益活動」が要件に適合しているか 〔要件〕・社会福祉を目的とするものであること ・地域におけるニーズがあること       ・公的制度による給付の対象となっていないこと A 再投下対象財産の額が適正に算出されているか B 事業等の実施期間、支出額等に妥当性・実効性があるか の3つがあげられました。  以上の考え方についての事務局からの説明後、部会員からは以下の意見(主なもの)が あげられました。概ね、地域公益活動の要件(内容)に係る事項、再投下計画の策定プロ セス(所轄庁や地域協議会等との関係)に係る事項、再投下対象財産が無い法人の対応に 係る事項に大別されます。 〔地域公益活動の要件(内容)に係る意見〕 ・ 地域公益活動の要件に「公的制度による給付となっていないこと」とあるが、実際には、 自治体のごく限られた一部の補助により、多くは法人の持ち出しにより行っている事業 がある(障害児保育や地域子育て支援、過疎地における遠方への訪問介護支援等)。 ・ 自治体からの委託として、社会福祉法人だからこそ可能となっている(採算性の薄い) 事業も多い。そうした逆イコールフッティングの実態もある。 ・ 公的制度による給付となっている、いないという判断がつかない活動(虐待防止のため の要保護児童対策地域協議会への参画と関連活動等)も多く、解説のようなものが必要 である。自治体担当者の交代により判断が変わってしまうようにならないよう、要件を 緩やかにしておくことも必要である。 ・ 過疎地におけるまちづくり、産業づくりといったものは再投下の対象とならないという 解釈となる原案だが、福祉を目的としない地域貢献事業もある。こうした事業を阻害し ないよう、さらに検討すべきである。 〔再投下計画の策定プロセス(所轄庁や地域協議会等との関係)に係る意見〕 ・ 再投下計画の承認方式は、自治体による指導にもつながり、法人の自主性を損ねるよう な運営となってしまう危惧がある。 ・・ 地域ニーズの把握の状況については、地域で差があるため、社会福祉法人の現場重視 の観点から法人みずからニーズ把握をして策定するものとし、また所轄庁による承認で はなく届出とすることでよいのではないか。 ・ 再投下対象財産の考え方は、地域公益活動ありきのように見える。決算と再投下対象財 産との関係などからしても、法人運営のあり方から考えると逆である。地域公益活動に 関する計画は、本来の社会福祉事業の計画等と併せて一体的に作られるべきものである。 ・ 社会福祉法人は、地域協議会での協議内容を参考にして再投下計画を立てるのではなく、 地域の人たちとの意見交換や協議を経て策定していくような場の設定が必要ではないか。 ・ 地域協議会については、社会福祉協議会が地域ニーズ把握の活動を積極的に行っている 地域であればその活用で問題はないだろうし、地域包括ケア会議等が機能していればそ うした既存の仕組みの中で法人ごとに判断していけるような仕組みであるべきだ。 〔再投下対象財産が無い法人の対応に係る意見〕 ・ 原案は、法人に再投下対象財産が無い場合は地域公益活動をやらなくてもよいというよ うに見えないか。再投下対象財産が無くとも、ランニングコスト等を活用して法人とし て費用を拠出して行うのは歓迎だという意味合いも含めるべきではないか。 ・ 再投下対象財産が無い社会福祉法人であっても、計画の届出は必要とすべきではないか。  これらの議論の中で、岩井厚生労働省福祉基盤課長は「本検討の背景にはイコールフッ ティングがあり、社会福祉法人は従来の公益性だけでなく、さらに法人の使命を社会に見 えるかたちで明確に果たしていく必要がある。これまで福祉サービス等の対象外であった 地域で生活に困難を抱える人たちのニーズ把握も行い、さらなる地域貢献を行っていく仕 組みをつくるものである」という旨の意見を述べられました。 次回(第8回)は、11月10日(月)に開催されます。3回に渡って議論されてきた「業 務運営・財務運営の在り方」についてまとめられ(※)、「法人の連携・協働等の在り方」 等についての協議が行われる予定です。また、福祉人材確保専門委員会を10月27日(月) より開催する旨の連絡がありました。 (※)以下、第7回部会にて示された「地域公益活動についての考え方(まとめ)」(資 料より抜粋) 地域公益活動についての考え方(まとめ) ◆社会福祉法人の本旨と地域公益活動の位置づけ ○ 社会福祉法人は、民間の事業主体として、自主性・自律性に基づく事業運営の下、  ・ 社会福祉事業に係る福祉サービスの供給確保の中心的な役割を果たすとともに、  ・ 地域における多様で複雑な福祉ニーズにきめ細かく対応し、又は既存の制度では対応 できない人々への支援を行うことにより、地域の福祉を担うことを本旨とする。 ○ 社会福祉法人が責務として担う「地域公益活動」は、その本旨に照らし、社会福祉を目 的とし、地域におけるニーズがあり、公的制度による給付の対象となっていない事業又 は活動である。これらの事業又は活動は、社会福祉法に規定する社会福祉事業又は公益 事業に包摂される。    ↓ ◆地域公益活動に係る責務 @ 「地域公益活動」(直接費用の支出を伴わないものを含む)を実施することをすべての 社会福祉法人の責務として法律上位置付ける。 A 「地域公益活動」の実施状況を公表することを法律上明記する。 B 再投下対象財産を保有する法人は、必ず、当該財産を活用して地域の福祉ニーズを踏 まえた「地域公益活動」を計画的に実施することとし、その上でさらに再投下可能な 財産がある場合には、これを「地域公益活動」以外の社会福祉事業又は公益事業によ り供給される福祉サービスの充実に計画的に投下することとする。その際、公益的な 見地から地域の福祉ニーズを把握する枠組みを整備する。 [厚生労働省]ホーム>政策について>審議会・研究会等>社会保障審議会(福祉部会) >第6回社会保障審議会福祉部会資料  http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000061590.html >第7回社会保障審議会福祉部会資料  http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000061833.html 2.厚生労働省「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」(第9回、10回)が開催され る  厚生労働省「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」の第9回が10月20日(月)に、 第10回が10月27日(月)に開催されました。第9回では訪問系サービス(居宅介護、重度 訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者等包括支援)の検討について、第10回では、 共同生活援助(グループホーム)、自立訓練(生活訓練・機能訓練・宿泊型自立訓練)、 地域相談支援の検討が行われました。以下、各回の開催内要です。 〔第9回 開催内容〕  協議の前に平野アドバイザー(立教大学教授)より、「利用者は増えているが、際の事 業者数は増えておらず、利用者が使いたい時に使えない状況である。介護保険事業の訪問 系サービスをしているところが障害福祉サービスの指定も受けるものの、真に利用ニーズ に合ったサービスを提供できる事業所は少なく、事業が成り立たないという理由でかなり のところでサービス提供をしていない。そのため、障害特性に合ったサービスが提供でき る事業者にニーズが集中し、必要な時に利用できる状況にないと聞く。経営実態調査で訪 問系サービスの有効回答率が他に比べて低いことも、それを示唆している。」という趣旨 の現状認識を述べられました。  以下、各事業についての論点等(配布資料より抜粋)とアドバイザーからの意見等を掲 載します。 (1)居宅介護 居宅介護の報酬に係る論点    病院や入所施設へ入院又は入所していた障害児者の地域生活を支える居宅介護の現状に ついてどう考えるか。 ○ 居宅介護事業所のサービス提供責任者については、居宅介護計画の作成や、利用の申し 込みに係る調整、従業者に対する技術指導等のサービスの内容の管理等を行うこととな っているが、地域移行後の障害児者に対する支援上の様々な局面で、障害特性の理解や 医療等専門機関との連携、従業者  への技術指導等に困難を感じている。 ○ サービス提供責任者に係るこれらの課題に対応するため、障害福祉サービス事業所等の 精神障害者等の特性に精通する専門職(看護師、作業療法士、精神保健福祉士等の国家 資格を有する者)が、サービス提供責任者に同行して利用者の居宅を訪問し、利用者の ADL等の評価を共同で行い、かつ、サービス提供責任者に対して、居宅介護計画を作 成する上で必要な指導及び助言をした場合に、報酬上の評価を行うことについてどう考 えるか。 <アドバイザーからの意見等(主なもの)> ・ 身体介護のみと家事援助がともなう場合それぞれの件数を教えてほしい。身体介護中心 の利用が重度訪問介護に流れ、居宅介護は家事援助中心になっているのか。利用者の属 性(身体・知的・精神)の割合についても教えてほしい。 ⇒(事務局より回答)身体介護のみと家事援助がともなう場合の件数の数字はもちあわ せていない。利用属性については、約14万人程度の利用者で、その内訳は身体6.5万 人、知的2.5万人、精神4.5万人、児童9,000人、難病500人である。 (2)重度訪問介護 重度訪問介護の報酬に係る論点 @ 重度訪問介護の本来の趣旨に応じた利用を促すためにはどうするべきか。 ○ 本来、長時間のサービスを基本としている重度訪問介護が、短時間に集中して支援を行 う居宅介護に置き換えられている実態がある。 ○ 重度訪問介護の短時間利用についてどう考えるか。 A 行動障害を有する者について、重度訪問介護へ移行する場合、行動援護事業者との連携 について どう考えるか。 ○ 行動障害を有する者への支援については、行動障害に専門性を有する行動援護事業者と 他のサービス事業者が役割分担を明確にしつつ、全体としての連携体制を構築して支援 を行う必要がある。 ○ 支援に当たっては、様々なサービス事業者が関わる中で、相談支援事業者が招集するサ ービス担当者会議等において、関係者間で必要な情報を共有し、一貫性のある支援を行 うことが重要である。 ○ 行動障害を有する者が行動援護から重度訪問介護へ移行する場合、重度訪問介護の利用 開始時に、行動援護従業者が重度訪問介護事業所のサービス提供責任者に同行して利用 者の居宅を訪問し、利用者の心身の状態と居宅内での状況やADL等の評価を共同で行 い、かつ、サービス提供責任者に対して、重度訪問介護計画を作成する上で必要な指導 及び助言をした場合、報酬上評価することについてどう考えるか。   B 平成27年3月31日までとなっている特定事業所加算における経過措置の取扱いについて どう考えるか。 ○ 実務経験については、1年を1,440時間(180日×8時間)で計算すると、約2年1か月 で3,000時間を満たすこととなる。 ○ 特定事業所加算は、良質な人材の確保とサービスの質の向上を図る観点から、条件に応 じて加算するものであるが、当該経過措置を設けてから6年が経過したことについてど う考えるか。 <アドバイザーからの意見等(主なもの)> ・ 重度訪問介護は訪問系サービスで一番収支差が高いが、これくらい高くないと事業とし て成り立たないのではないか。現場は人材確保が大変で、養成にも時間がかかり、かつ 個別性が非常に高いサービスであるため、ヘルパー一人一人にかかる負担も大きく、支 援の質も左右される。また、重度訪問介護は提供時間が長いので、事業所の収支は、提 供件数に影響を受ける。 ・ 重度訪問介護は平成26年度よりその対象が広がり、様々なパターンの利用ができるよう にもなった。障害者総合支援法の付帯決議で重度訪問介護の在り方の検討が含まれてい ることからも、今回の改定で何らかの結論を出すのではなく、推移を見守り、総合支援 法施行後3年目途の見直し検討の際に考えてはどうか。 (3)同行援護 同行援護の報酬に係る論点    現行の報酬体系についてどう考えるか。また、サービスの質の向上を図るための方策を組 み込むことはできないか。 ○ 身体介護なしの場合の単価が身体介護ありの場合に比べて低い設定となっていることや、 利用者の多くが身体介護なしの単価が算定されている現状がある。 ○ また、利用者には高齢者が多いことや、障害支援区分4以上の重度障害者も一定数以上 利用している実態がある。 ○ さらに、現在の従業者要件に係る経過措置対象者の効果的な解消を図るとともに、利用 者の安心、安全な支援を図る観点から、サービスの質の向上を図る必要がある。 ○ 現行の身体介護あり、なしの対象者等及び報酬体系についてどう考えるか。また、従業 者要件に係る経過措置対象者の効果的な解消やサービスの質の向上を図る等の観点から、 研修の受講を評価することについてどう考えるか。 <アドバイザーからの意見等(主なもの)> ・ 同行援護や行動援護のあり方だけではなく、移動支援全般のあり方についてどう考える のかが大事である。同行援護は通勤・通学には認められていないとヒアリングでの意見 があったが、誰が移動を保障するのか。通所系サービスの送迎は家族や事業所が担って いるため、送迎加算に係る意見もあったが、加算を支給することで事業者に担ってもら うというようなことになるのか。   ⇒(事務局より回答)障害者総合支援法施行後3年の見直しの検討項目の中に“移動の 支援”の在り方があるので、その検討の際に対応したい。今回の報酬改定の中だけで対 応するのは難しい。 ・ (資料によれば)障害者支援区分の低い利用者、65歳以上の利用者が多い。高齢の利用 者が増えてくることが予想されるが、そうなれば身体介護を伴う場合の給付が増えるの では。論点の中で、身体介護を伴わない場合の単価が低いとの問題意識が示されている が、先のことを考えた場合、性急に、身体介護を伴わない場合の単価を引き上げる(身 体介護ありの報酬単価を引き下げる)のは得策ではない。 ・ 利用者の高齢化に加え、同行援護は利用の長時間化、長距離化が進んでおり、ヘルパー の負担が大きくなっている。短時間のサービス提供で推移している時は事業者も増える が、こうなると参入者が伸びない。事業者がどこも撤退し、社協だけが残ったという市 区町村の例もある。こうした利用実態とあわせた見直しが必要ではないか。 (4)行動援護 行動援護の報酬に係る論点 @ 行動障害を有する者について、重度訪問介護へ移行する場合、重度訪問介護事業者との 連携についてどう考えるか。 ○ 行動障害を有する者への支援については、行動障害に専門性を有する行動援護事業者と 他のサービス事業者が役割分担を明確にしつつ、全体としての連携体制を構築して支援 を行う必要がある。 ○ 支援に当たっては、様々なサービス事業者が関わる中で、相談支援事業者が招集するサ ービス担当者会議等において、関係者間で必要な情報を共有し、一貫性のある支援を行 うことが重要である。 ○ 行動援護事業者が「支援計画シート」及び「支援手順書 兼 記録用紙」をもとに、重度 訪問介護従業者に対して指導した場合、報酬上評価を行うことについてどう考えるか。 ○ また、行動障害を有する者の支援に当たっては、関係者間で情報を共有し、一貫性のあ る支援を行うことが重要であることから、「支援計画シート」及び「支援手順書 兼 記 録用紙」の作成を必須とし、不作成の場合の減算の取扱いとすることについてどう考え るか。 A 行動援護ヘルパー及びサービス提供責任者の質の向上を図るための方策についてどう考 えるか。 ○ 行動援護については、行動障害のある者の特性を踏まえた対応が必要であること等から、 これまでの要件は主に実務経験を中心に評価してきた。 ○ なお、従業者要件として、行動援護従業者養成研修受講者については、実務経験の期間 の短縮を認めている。 ○ しかしながら、適切な行動障害の特性、アセスメント手法及び支援手法等を学ばなかっ たことが虐待につながったなどの問題が生じている。 ○ ヘルパー及びサービス提供責任者の更なる質の向上を図るためにも、行動援護従業者養 成研修の受講を必須化した上で、実務経験を短縮することについてどう考えるか。 ○ また、現行のサービス提供責任者の経過措置の要件並びにヘルパーの減算規定の対象と なる要件を本来の従業者要件に位置付けた上で、現行の従業者要件を廃止することにつ いてどう考えるか。 ○ なお、行動援護従業者養成研修を必須化するに当たっては、一定期間の経過措置を設け てはどうか。 B 平成27年3月31日までとなっている特定事業所加算における経過措置の取扱いついてど う考えるか。 ○ 特定事業所加算は、良質な人材の確保とサービスの質の向上を図る観点から、条件に応 じて加算するものであるが、当該経過措置を設けてから6年が経過したことについてど う考えるか。 <アドバイザーからの意見等(主なもの)> ・ 行動援護従業者養成研修の受講の効果は、現場でどのくらい発揮されているのか。   ⇒(事務局より回答)研修受講者がチーム支援を進めて効果をあげているところがある。 ・ 強度行動障害の方の支援を、行動援護だけでしていくのは無理がある。チーム支援が必 要で、相談支援事業やレスパイトケア等、様々なサービス事業者が関わって支えていか なくてはいけない。そう考えると、中核となる相談支援事業所の相談支援専門員に係る 報酬単価を引き上げる等、行動援護事業者の報酬を上げるだけではなく、環境整備を評 価するような視点も必要ではないか。 (5)重度障害者等包括支援 重度障害者等包括支援の報酬に係る論点    重度障害者等包括支援の在り方についてどう考えるか。 ○ 「重度障害者等包括支援に関する実態把握と課題整理に関する調査」(厚生労働省平成 24年度障害者総合福祉推進事業)報告書では、@コスト面における課題、A人材面にお ける課題、B対象者規  おける課題、Cサービスの内容の認知の課題があがっており、 制度全体の見直しが必要と報告されている。 ○ 重度障害者等包括支援対象者の状態像等を含めて、障害者総合支援法施行後3年の見直 しにおける検討課題と併せて、検討することについてどう考えるか。 <アドバイザーからの意見等(主なもの)> ・ 利用者数がわずか(平成26年4月時に33人)であり、例外的な人なのだろうと想定され る。こうした例外的な人は、今後増えていくのか、それとも他のサービスの拡充とあわ せて減っていくのか。   ⇒(事務局より回答)このサービスをなくすということではなく、利用を増やしていく にはどうすれば良いかという視点で考えている。他の事業で対応できる設計をすること も検討の範囲内ではあるが、乱暴にこの事業を廃止するつもりはない。 ・ 障害者総合支援法施行後3年の見直しの際に、このサービスのあり方を改めて検討すれ ば良いのではないか。介護保険制度では小規模多機能型事業や医療の入った訪問看護と いうサービスがあり、こうしたサービスも見直しの際の参考になるのではないか。    各事業以外の点では、野沢アドバイザー(毎日新聞論説委員)より「介護報酬を6%程 度引き下げるべきとの意見が財政審から出ている(10月8日の財政制度審議会財政制度分科 会において)。障害福祉サービスもそれに準じた考え方がされないか心配であるが、その 点の厚生労働省の認識はいかかが」との質問がありました。  この質問を受けて、藤井障害保健福祉部長より、「我々としてはそうならないように頑 張っていくというしかないが、実態調査での収支差率の数値は障害の方が介護よりも高く、 財政審で俎上に載せられても不思議ではない。介護以上の引き下げ率を求める意見が財務 省からは出るかもしれないという懸念はもっている。効率化しないといけない部分もある とは思うが、財務省からの意見には我々としての主張をしっかりとしていきたい」と回答 されました。  さらに、橋本厚生労働大臣政務官からも、「財務省の意見は承知しているが、それは財 務省の見方として受け止めつつ、厚生労働省としての主張をしようというのが大臣のお考 えである。利用者、事業者にとって良い報酬にしていくよう主張していきたい。議論の中 に出ていた『これだけの収支差は必要だ』といったご意見は、今後の折衝での材料にした いので是非お願いしたい」との発言がありました。  両者の発言を受けて、改めて野沢アドバイザーより、「介護保険と違って障害福祉サー ビスはまだ萌芽期だ。実態調査の数値も安定しておらず、何かのきっかけで実態以上に高 く出ることもあれば低く出ることもある。瞬間的な数値でのみ判断しないでほしいという ことは、是非主張いただきたい」との要望がありました。 〔第10回 開催内容〕  事務局の資料説明の後に事業毎の協議となりました。以下、各事業についての論点等 (配布資料より抜粋)とアドバイザーからの意見です。 (1)共同生活援助 共同生活援助の報酬に係る論点 @ 基本報酬について、重度の障害者の支援が手厚くなるよう、障害支援区分の高い利用者 に係る報酬に重点化を図るといった見直しについて、どう考えるか。   A 夜間支援等体制加算について、1人の夜間支援従事者が少数の利用者を支援できるよう 見直すことや、実際の夜間職員の配置状況を適切に評価できるよう算定方法を見直すこ とについて、どう考えるか。   ○ 単位については、1人の夜間支援従事者が支援する利用者の人数に応じて区分している ところであるが、最も少ない利用者の人数の区分が「4人以下」となっており、1人の 従事者が3人以下の利用者を支援した場合、算定される報酬額が低くなってしまう。 ○ 重度の障害者の場合、1人の夜間支援従事者が少人数の利用者に対して支援を行う必要 があるとの指摘があることも踏まえ、3人以下の区分を設けることについて、どう考え るか。   ○ また、現行では、個々の共同生活住居ごとに、同じ月に、夜勤の配置に係る夜間支援等 体制加算(T)、宿直の配置に係る夜間支援等体制加算(U)のいずれかを算定できる こととなっているが、本年度限りで認めている経過措置(同じ月に、夜勤を配置してい る日数を超えない範囲内で宿直を配置している日があっても加算(T)を算定可能とし ているもの)については本年度限りとし、夜間における職員配置の実態をより適切に評 価できるよう、同じ月の中でも日単位で加算(T)・(U)を算定できるように見直す ことについて、どう考えるか。  ※<現行> 夜勤20日、宿直11日の場合、当該月は31日間全て夜勤に係る加算を算定       (宿直の日数の方が多い場合は31日全て宿直に係る加算を算定)          ↓ <見直し例>より実態を反映した算定となるよう、20日について夜勤に係る加算を、11日 について宿直に係る加算を算定。   B 重度障害者支援加算について、従業者に対し強度行動障害支援者養成研修等の受講を促 すとともに、重度障害者に対する支援を適切に評価できるよう見直すことについて、ど う考えるか。 ○ 重度障害者支援加算については、重度障害者等包括支援の対象となる利用者(以下「重 度障害者」という。)が2名以上いて、かつ、生活支援員を加配している事業所につい て、当該事業所の利用者全員に対し、所定の単位数を算定している。 ○ 一部の従業者に対し強度行動障害支援者養成研修等の受講を課すことにより資質の向上 を図りつつ、事業所全ての利用者を評価する体制加算から重度障害者に対する支援を評 価する加算へと単位数を含めた見直しを行うことについて、どう考えるか。   その際、重度障害者が1名のみの事業所の取扱いについて、どう考えるか。    C 日中支援加算(U)について、障害者の高齢化や重度化を踏まえ、対象となる日中活動 の拡充を図ることについて、どう考えるか。   ○ 現行の日中支援加算(U)では、加算の算定対象となる活動として、障害福祉サービス である生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援のほか、就労や地域活動支援 センターの利用が対象となっているところ。 ○ しかし、他の活動であっても、あらかじめ予定していたが、心身の状況等により利用で きず、日中グループホームで過ごして支援を受けるといった場合もあることから、障害 者の高齢化や重度化を踏まえ、対象となる日中活動について拡充を図ることについて、 どう考えるか。(例.精神科デイケア等)   D 個人単位で居宅介護等を利用する場合の特例の経過措置の取扱いについて、どう考える か。 ○ グループホームにおける利用者への介護サービスの提供は、生活支援員による介護又は 外部サービス利用型グループホームでは外部の居宅介護事業所への委託による介護のい ずれかの形態により行われており、これら以外の者による介護等を受けさせてはならな いとされている。 ○ しかし、重度障害者については、特例として、生活支援員による介護に加えて上乗せで 介護サービスの提供が認められるように、経過措置として利用者ごとに個人単位での居 宅介護等の利用を認めているところ。 ○ 当該経過措置は、平成27年3月31日までとなっているが、経過措置期間を延長すること について、どう考えるか。 <アドバイザーからの意見等(主なもの)> (B「重度障害者支援加算の見直しについて」の意見) ・ 行動障害のある方への対応スキルを高めるために、研修を受講してもらうようにしてい くということはその通りだと思うが、この研修の全国的な展開状況を教えてほしい。受 講しやすくなっているのか。   ⇒(事務局より回答) 強度行動障害支援者養成研修は、平成25年度に基礎研修、26年度より実践研修の指導者 研修を国立のぞみの園で始めている。基礎研修を実施している自治体は、25年度は3割 程度であったが26年度になっては7割程度に増えており、実践研修も含め、これからの 広がりに期待をしている。既存のサービスでは、職員に占める有資格者や常勤者の割合 が3割以上を加算の目安としているものが多く、仮に「研修の修了者が職員の3割以上」 という要件とした場合、単純計算であるが各自治体が8回程度3年間研修を開催すれば、 対象となる所に必要な研修受講の機会は提供できることになる。 (D「個人単位で居宅介護等を利用する場合の特例の経過措置について」の意見) ・ 親亡き後、高齢化、重度化の対応が非常に重要であり、地域で生活できるというビジョ ンを示さなくてはいけない。その意味では、個人単位の居宅介護利用の経過措置は非常 に重要である。介護保険にしても税制にしても、経過措置は廃止していくというような 考え方が政府サイドから発信されているものも中には見られるが、この経過措置が廃止 されたら現場は大混乱する。経過措置の期限延長ではなく恒久化すべきである。そもそ も、介護サービス包括型(知的障害の利用が約7割)と外部サービス利用型(精神障害 の利用が約6割)の対象者像も大きく異なる。 ・ これまでの検討チームでは、経過措置になっているものはどれも基本廃止(期限延長し ない)という考え方だったが、今回のこの論点では延長するという方向性になっている。 これを継続するという理由付けはどうなっているのか。  ⇒(事務局より回答)   経過措置は一律廃止ということではなく、その内容によってそれぞれ判断されるもので あって、その結果である。 (共同生活援助全般についての意見) ・ 重度の方の利用が増え、求められる支援機能も増えている。制度設計当初とは異なる機 能が求められているが、今の報酬では貧弱だ。よってハード面が不十分で職員も定着し ないため、結果として、昼と夜も同じ場所でサービス提供があり、安心だから施設入所 を希望するという利用者の親は依然として多い。単独ではなく入所も含めた複数のサー ビスを提供している所が実施しているホームの方が、バックアップが期待できて安心だ という声がある。しかし、地域に目を向けて働いてきた方の視点が大切なので、単独の ホームが他の経営主体の入所施設やサービスと連携し安定したサービスを提供できるよ うな体制を整備してほしい。 ・ 26年の経営実調の数値を見ても世話人の給与が下がっており(23年:2,910千円/年⇒ 26年:2,567千円/年)、何らかの手を打たないと厳しい。夜間の支援のみが困難なの ではなく、世話人が主に担う昼間の支援の困難さも評価しなくてはいけない。グループ ホームは家庭的な感覚で安心感を与える場であるべきだが、世話人が定着せずにそれが 実現できていない。  アドバイザーからの意見を受けて、藤井障害保健福祉部長より「いろいろなサービスを 重層的に組み合せていかに安心を提供していけるか、広い視野での検討が必要である」「 重度・高齢化が進行していく中でグループホームの機能をどう考えるか、そもそも小規模 入所との違いは何か、ということが課題だと認識しており、障害者総合支援法施行後3年 の見直し検討の際のテーマだと考えている」との発言がありました。 (以下、藤井障害保健福祉部長の発言後のアドバイザーの意見) ・ 入所施設よりもグループホーム、グループホームよりもアパートと、できるだけ小さな 規模のものをこれまでは追求してきたが、それだけではなくて本人のライフコースにあ   わせ、今住まいの場としてどこが適切かという視点も必要なのではないか。 ・ 入所は施設ではなく“機能”が重要であり、入所施設と入所機能は分けて論じる必要が ある。入所機能には、各種支援の実施のみならず、利用者間の助け合いも含めた集団生 活の場の提供という要素もある。そういった意味では、世話人には運営管理の能力のみ ならず、グループワーカーとしての技術も求められる。 ・ その人が今どこで生活するのが適切かを判断する上でのアセスメントの機能が重要であ り、その機能をどこにもたせるかが課題ではないか。 (2)自立訓練 機能訓練・生活訓練・宿泊型自立訓練の報酬に係る論点 @ 訪問のみの生活訓練利用及び訪問のみの機能訓練の利用を可能とすることについて、ど う考えるか。 ○ 現行では、生活訓練又は機能訓練を利用する場合、原則、利用者が自立訓練事業所に通 所し、そこで訓練を受けることとなる。また、通所による訓練の利用者については、通 所による訓練に併せて、事業所の支援員が利用者の居宅を訪問して訓練を行うことも可 能となっている。 ○ しかし、引きこもり等の場合や精神科病院に長期間入院していた患者が退院した直後の 時期には、その特性を踏まえると通所による訓練が困難な場合もある。このため、通所 の利用を前提とせずに、訪問による訓練のみを利用できるようにすることについて、ど う考えるか。 A 宿泊型自立訓練における夜勤又は宿直の配置を評価できるよう、夜間防災・緊急時支援 等体制間を見直すことについて、どう考えるか。   B 宿泊型自立訓練における日中支援加算について、障害者の高齢化や重度化を踏まえ、対 象となる日中活動の拡充を図ることについて、どう考えるか。   <アドバイザーからの意見等(主なもの)> ※ 「@ 訪問のみの自立訓練の利用について」に対する意見 ・ 対象を引きこもりの方や精神科病院の長期入院患者に広げていくことは賛成である。引 きこもりの方は家族が必死になって支えているので密室化しやすく、その点でも外部か ら専門家による支援が入ることに期待ができる。 ・ 引きこもりの方は、支援者が自宅に行っても会えずに帰ってこざるを得ないということ も多い。訪問のみも給付対象としたとして、1回訪問したら何単位というような考え方 を採用するのは実態にそぐわない。どのような評価の仕方を考えているのか。   ⇒(事務局より回答)    居宅介護での予定していたものがキャンセルになった場合の対応等を参考にしたい。 サービス利用計画のモニタリングと絡めて、直接支援がずっとできていない場合に見 直しを行うような仕組みを機能させる方法も考えられる。 ・ 資料にある「利用により改善された課題」について、生活能力の低下、ひきこもりや孤 立、コミュニケーション上の課題といった課題が改善されたという数値が挙げられてい るが、こうした成果が上がった場合に支給するとすれば、事業者のモチベーションも上 がるのではないか。  ⇒(事務局より回答)   成果に対しての支払いは難しい。障害福祉サービスのみならず医療分野でも介護保険 でも課題になっていることだが、実際は改善を図るためにできていることを評価して いるのが実情である。 ・ サービスにアクセスするのが難しい方がいるので、アウトリート型の発想への転換を図 っていくことは望ましいことだ。対象は精神障害者や引きこもりの方に限定せず、「サ ービスにアクセスするのが難しい方」と広く考えてよいのではないか。評価の方法につ いては、1回の訪問で何単位という評価が適切かという疑問は確かにその通りで、検討 が必要だ。 (3)地域相談支援 地域相談支援の報酬に係る論点 @ 地域移行支援の初期段階における業務の評価について、どう考えるか。 ○ サービスの利用に係る初期段階においては、事業所は病院等を訪問し、利用者の生活状 況の把握等を行うなど、特にアセスメント等に時間や労力を要する。 ○ このため、こうした部分について必要な業務負担として報酬上一定の評価を行うことに ついて、どう考えるか。   A 地域移行支援における障害福祉サービス等の体験利用や体験宿泊の利用日数及び期間の 制限を見直すことについて、どう考えるか。 ○ 現行では、あくまで「体験」であるため、利用は1回の支給決定で15日(支援の提供開 始日から90日以内に限る。)を限度としている。 ○ 利用者の病状や意向、状態に応じて体験したいサービスの内容や頻度は異なってくるこ とも考えられるが、現行の利用日数及び期間の制限について、どう考えるか。 <アドバイザーからの意見等(主なもの)> ・ 初期段階における業務の評価(@)は賛成である。利用者との対応のみならず、各種機 関との調整、他の職種とチームになっての支援の実施等、その負担は大きく、是非バッ クアップしてほしい。 ・ 体験利用の日数制限の見直し(A)は、長期入院者は地域での生活のイメージがわかな いので、体験は重要であり緩和は賛成だ。支援にあたっては、病院や入所施設ではなく、 地域に目を向けて働いてきた方の視点での支援が必要である。 ・ 本人の意識が地域生活へと動いてきたころに90日が終わってしまうという声も現場から は聞いており、体験利用の日数制限の見直し(A)をして現行の90日から伸ばすことは 賛成だ。  第11回は11月4日(火)に開催されており、障害児支援の報酬について(児童発達支援、 医療型児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援、障害児入所支援)の検 討がなされました。その様子は次号にてご紹介する予定です。 [厚生労働省]ホーム>政策について>審議会・研究会等>障害保健福祉部が実施する検討 会等>障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(平成27年度報酬改定) >第9回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料   http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000061974.html >第10回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料   http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000062786.html 1