障害福祉関係ニュース(障害福祉制度・施策関連情報) 平成26年度6号 通算310号 (平成26年10月15日発行) (障害福祉制度・施策関連情報) 本ニュースは、全社協 高年・障害福祉部に事務局をおく、 セルプ協・身障協・厚生協・全救協・障連協の協議員・役員・構成団体、 ならびに都道府県・指定都市社協に電子メールにてお送りしています。 [発行] 全国社会福祉協議会 高年・障害福祉部 〒100-8980東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル内 TEL:03-3581-6502 FAX:03-3581-2428 E-MAIL:z-shogai@shakyo.or.jp ◇◆◇ 今号の掲載内容 ◇◆◇                           T.障害福祉制度・施策関連情報 1.厚生労働省「社会保障審議会福祉部会」(第3回、4回)が開催される …P.1 2.厚生労働省「障害福祉サービスなど報酬改定検討チーム」(第6回〜8回)が開催される …P.6 3.内閣府「障害者政策委員会」(第14〜15回)が開催される …P.19 4.労働政策審議会障害者雇用分科会(第63回)が開催される …P.21 T.障害福祉制度・施策関連情報 1.厚生労働省 社会保障審議会福祉部会(第3回、4回)が開催される  「社会保障審議会福祉部会」(部会長:田中 滋 慶応義塾大学名誉教授)の第3回が、 9月11日(木)に開催されました。  今回(第3回)は「運営の透明性の確保の在り方」についての協議が行われました。  「社会福祉法人制度の見直し」の検討事項については、@財務諸表、活動状況、経理状 況の公表、A都道府県、国における情報集約と公表という2つの論点がこれまでの部会で 示されていたところですが、これに加えて以下の考え方が示されました。 論点1.財務諸表、活動状況、経理状況の公表 (考え方) ○ 社会福祉法人の高い公益性に照らし、公益財団法人制度や規制改革実施計画を踏まえ、  ・ 定款、事業計画書、役員報酬基準を新たに閲覧対象とするとともに、閲覧請求者を国 民一般とすること  ・ 貸借対照表、収支計算書、役員報酬基準を公表対象とすること   を法令上、明記してはどうか。 ○ すでに通知により公表を義務付けている現況報告書(役員名簿、補助金、社会貢献活動 に係る支出額、役員の親族等との取引内容を含む。)については、規制改革実施計画を 踏まえ、役員区分ごとの報酬総額を追加した上で、閲覧・公表対象とすることを法令上、 明記してはどうか。 ○ 公表の方法は、国民が情報入手しやすいホームページを活用してはどうか。 論点2.都道府県、国における情報集約と公表 (考え方) ○ 社会福祉法人制度全体の現況、地域の社会福祉法人の運営状況を広く国民に明らかにす る観点から、都道府県・国がICT等も活用し、社会福祉法人の情報を集約し、わかりやす く開示する仕組みを検討すべきではないか。  ⇒ 業務運営及び財務運営の在り方を踏まえ、行政の役割と一体的に考える必要があるこ とから、「行政の関与の在り方」において検討。  冒頭に事務局(厚生労働省社会・援護局福祉基盤課 岩井課長)より、「運営の透明性の 確保の在り方」(資料1)を中心とした資料説明があり、その後、協議に入りました。    財務諸表の公表については、「フォーマットの統一性や整合性をとってほしい。公表フ ォーマットが違えば、サービスや経営状態の現れ方が異なる。問題とされている内部留保 の数字の表れ方も、病院会計(老人保健施設や介護療養型医療施設)と社会福祉法人会計 では違う」という意見があった一方で、「財務諸表の原本を公表すれば問題ない。ただし、 公表している内容はチェックする必要がある」との意見もありました。財務諸表の公表に 関連して内部留保と社会貢献活動に係る支出についての意見もありました。「内部留保が あること自体は問題ではない。民主的なガバナンスの元に決定されたルールに基づいて運 営された結果として生じたものであり、それが地域の課題への対応や職員の待遇改善、施 設の増改築等に活かされるのであれば問題ない」、「社会福祉法人が収支差額部分を地域 の福祉ニーズへの対応や生活困窮者への支援にあてるのは国民にとって分かりやすい部分 であり、こうした点はすべての法人が公表すべき」、「内部留保が課題とされる中で、損 益計算書の内容が分かるような公開である必要がある。あわせて、公表された情報を見る うえでの評価尺度も作らなくてはいけない」との意見がありました。  役員報酬基準を公表対象とする、役員報酬総額が分かるように現況報告書上で区分する といった考え方については、「理事や監事への報酬について、今後は責任や負担が重くな ることから、労力に見合った報酬を払うべきであり、それを公表すべき」、「理事の報酬 は情報開示が必要である。理事が実務を担っているのであれば、きちんと報酬を支払った 方が良い。実際に働いていないのにも関わらず報酬をもらっている理事をチェックする意 味でも開示が必要である」、「公表は賛成だが個人情報の取り扱いは注意が必要である。 一人ひとりの報酬額を掲載するのではなく、報酬規程を公表する形が望ましい」といった 意見がありました。一方で、「社会福祉法人の理事には無報酬で担う姿勢が必要であり、 公表以前にそのことを議論すべきではないか」との意見もありました。  都道府県・国が社会福祉法人の情報を集約し開示する仕組みを検討すべきという考え方 については、「財務等のデータは県単位で集約する必要がある。その方が利用者に分かり やすい。県が主導的に情報を一元的に管理し分析できるようにしておく必要がある」、「 (資料によれば)財務諸表そのものをホームページで公表している法人は少ない」、「ホ ームページでの公表の準備に時間がかかる法人もあるため、市町村でホームページの公表 を進めてもらいたい」、「市町村単位での公表もきちんと行うことで、自分の地域にこん な資源があるのだということがわかる」といった意見がありました。  その他、社会福祉法人職員や利用者を念頭においた意見がありました。「職員は自分の 職場の経営状況を知りたいものである。働く意欲を喚起する意味でも、公表を法令上で義 務付けるべきである。サービスの質を決めるのは人材であり、人材養成にどれだけ支出を したか、人材養成の仕組みを作っているか、人件費率なども分かりやすい仕組みで公表す べき」、「公表情報については、労働条件や免許・資格の保有者数、経験年数(勤続年数) も記載してほしい」、「法人や事業の理念は、利用者が見たい情報であるので積極的に公 表するべきである」といった意見がありました。  なお、最近の新聞報道の内容(社会福祉法人の8割が1億円以上の資産があるといった 報道)に関係する意見が委員の一部からあった中で、全国社会福祉法人経営者協議会の武 居副会長より、「社会福祉法人の1〜2%(報道内容は320法人からの回答によるもの)の状 況をあたかも全体の問題かのようにとりあげる表現は適切ではない」、「これまでマスコ ミで報じられた法人の逸脱行為をどう正していくのかについて検討を進めても、それが福 祉サービス全般の質の向上につながっていくものではない。良いサービスに向かうための 推進力をどう作っていくかが問題である。いま欠けているのは地域ニーズへの対応のため の推進力ではないか。その視点で考えていくべきだ」との意見がありました。    こうした議論の中で、事務局(厚生労働省社会・援護局福祉基盤課 岩井課長)からは、 ・ 参考資料として提示した「ホームページでの財務諸表の公開状況の内訳」(未公表の法 人は約60%)は平成25年度の数字であり、最新の結果はまとまり次第ご提示したい。 ・ 社会貢献の実施状況の公表については、現段階では、現況報告書の中で「地域の福祉ニ ーズへの対応状況」の記載を求めている。 ・ 財務諸表は原本の内容を公表してもらうことを想定している。 ・ 公開すべき情報と個人情報保護のバランスに留意していく必要があるとは、厚生労働省 でも考えている。との発言がありました。 〔第4回 開催内容〕  第4回(9月30日(火)開催)では「業務運営・財務運営の在り方」について、事務局 より資料「社会福祉法人の財務運営に関する規律」について説明を受けた後、協議を行い ました。説明の概要は下記の囲みとおりです。  社会福祉法人の財務運営に関する規律について、現状、次の課題があり、この課題解決 のためには、@適正かつ公正な支出管理、A余裕財産の明確化、B福祉サービス・「地域 公益活動」への再投下の仕組みを構築することが必要であり、この考え方のもと、以下の 論点についての協議が必要ではないか。     ◎課 題  ○ 社会福祉法人の公益性・非営利性を担保するためには、適正かつ公正な支出管理を徹 底する必要があるが、例えば、役員報酬の基準や親族等特定の関係者への利益供与を 制限する仕組みがない。 ○ 社会福祉法人について、事業の実施に伴って余裕財産が蓄積されているとの指摘があ るが、余裕財産を表す仕組みがないため、その規模を明らかにできない。 ※ いわゆる内部留保については、確定した定義がない上、そもそも余裕財産を表す ものでもない。  ○余裕財産の適正水準や活用のあり方を判断するための基準等がない。  ◎論 点 ○ 社会福祉法人の財政規律については、公益法人制度の仕組みを基に検討するとしても、 その特性を踏まえ、社会福祉法人に適した仕組みを構築すべきではないか。 (余裕財産の保有) ・ 公益法人については、遊休財産保有制限において、一定の額(1年分の公益目的事業費 相当額)の遊休財産の保有を認めている。 ・ 社会福祉法人については、公金の支出があることや、介護保険、措置制度等の公的制度 により確実に収入が得られるという事業の特性を踏まえ、運転資金(必要最低限の手元 流動資金)を除き、社会福祉事業等へ計画的に再投下することとすべきではないか。 (収支相償性) ・ 公益法人制度においては、公益目的事業の公益性を担保する制度として収支相償の基準 を導入しており、公益事業の実施に要する適正な費用を償う額を超える収入を得てはな らないこと(収支相償)を公益認定の基準に設けている。 ・ 社会福祉法人については、そもそも社会福祉事業が公益性の高い事業であること。介護 報酬、措置費等の公定価格が事業に要する費用を賄うのに必要な額として設定されてい ること等を踏まえれば、収支相償の基準そのものを適用するのではなく、効率的な経営 をも考慮し、余裕財産の計画的な再投下により、公益性を担保すべきではないか。  ○ 余裕財産の計画的再投下を担保する仕組みについて、どのように考えるか。  【協議概要 ※委員からの意見】  ・ 公益法人の「収支相償」は、措置費制度の時代を想起させ、このことの導入は、社会 福祉法人の民間性や自立性を損なうことにつながる。中長期にわたる事業の実施にあ たっては、ある程度固定資産を持たないとできない事業もある。  ・ 保育所は、規模の小さいところが多い。現状、保育所の運営費に占める人件費の割合 は、平均77%ないしは71.5%と言われており、管理費等を含めれば余裕財産はほとん ど残らない。資料にある余裕財産の適正基準とは何か。  ⇒(事務局)今回は、余裕財産を明確化し必要経費を差し引いたものを再投下するという、   そのこと自体の提案である。社会福祉法人の余裕財産は、全て国民に還元すべきと考 える。 ・ 今回の提案は、余裕財産の明確化に留まらず、事業の継続に必要な財産、運転資金を 明確化するということか。  ⇒(事務局)事業の継続に必要な財産、運転資金については明確化を図る基準を作りたい。  ・ 余裕財産を明確化することには賛成である。行政が福祉計画を策定するときに事業所 の状況が分かると計画を作りやすい。  ・ 今回の提案には、賛成である。ただ、余裕財産の算定は、職員に適切な人件費が支払 われていることが前提である。  ・ 福祉人材が流出してしまう仕組みは避けるべき。社会福祉法人の改革議論の中で、法 人には遊休財産ありきの議論には気になるところがある。法人の本来的使命は事業の 継続である。遊休財産は、本来事業の充実に充当すべき。  ・ 社会福祉法人の財務運営には一定の制限があるが、例えば地域のニーズに応えて行う   事業の中には、利用者から一定の費用を徴収してよいものもある。次回以降の検討で、 規制との関係についても議論してほしい。また、現在の社会福祉法人が行う事業には、 従来の社会福祉事業の範囲を大きく超えた事業も含まれるが、これも本来業務と考え ている。  ・ 適正かつ公正な支出管理には賛成である。ただ、法制度で社会福祉法人は地域の福祉 ニーズに柔軟に応えるということがセットになっていないと社会福祉法人をいじめる だけとなる。行政の中には、従来の本来事業だけ行えばよいというように指導してい るところがある。余裕財産の明確化にも賛成したい。また、収支相償は社会福祉法人 にはなじまないという意見には賛成である。外部監査についても法に明記してほしい。 外部監査をあらゆる法人で行うのは現実的ではない。控除対象財産の算定は技術的な ものとなるので、特別養護老人ホームの議論を踏まえ検討するべき。また、ルール作 りはできると思われるが運用が大変で、事務の煩雑化を招くことにつながることはよ くない。第三者評価の仕組みをある程度取り入れ、会計に導入するのがいいのではな いか。領収書を一枚一枚めくることなく、財務諸表で評価する程度でいいのではない か。  ・ 一定規模の法人に外部監査を義務付けることの議論はまだ十分ではない。公共性を考 えると学校法人に対するものを参考にしたらどうか。事務局では、どのように考えて いるか。  ⇒(事務局)今後、議論をお願いしたい。  ・ 規制緩和について、取り上げることするか。  ⇒(事務局)財務規律を考えるうえで、今後議論が必要になるので、論点を整理したい。  ・ 提案には賛成だが、現在の社会の現状を考慮する必要がある。この20年間はデフレで 福祉人材の確保がしやすかったが、今後、円安インフレの時代となると制度的な処遇 改善を行わないと人材は集まらない。対人サービスは質の確保が基本なので、対応し てほしい。  ・ 再投下については、地域の経済界の意見も聞いてほしい。人材確保については、本当 にその事業所が健全か、考慮する必要もある。事業計画が杜撰な事業所も多い。  ・ 法人のガバナンスの重要性を考えたとき、法人役員の役割強化や適正な報酬も必要と なる。法人本部の役割は重要であり法人本部の経費の明確化を図ってほしい。  ・ 提案には賛成である。役員報酬の公表や透明性の確保も必要。外部監査は、法人規模 の考慮が必要。公益活動を計画的に行うことや本来業務の周辺事業を地域住民と行う ことも重要である。  ・ 関係者への利益供与の禁止、随意契約はやめる方向で検討すること。事業の収益を地 域に還元することについては賛成である。  ・ 社会福祉法人の役割は増すばかりで、ガバナンスの確保、事業の透明性の確保は今取 り組むべきことである。外部監査は一定程度の規模の法人で行うべきである。再投下 に係る余裕財産について、人材への投資や確保については重要であり、そのための費 用は控除対象財産に入れるべきである。  ・ 業務執行理事にも絡んでくるが、法人本部については、法人全体として、必要性があ るところとそうでないところ、それぞれの仕組みを考えればよい。余裕財産を人材に 活用するには注意が必要である。人材確保のための積み立てを行っている法人も見ら れるが、イコールフッティングの考えから見るとサービスの価格にそれらを上乗せし ているかのように見えるため、人材確保のイコールフッティングの観点からはよろし くない。  ・ 指導監査について、長い間実施しているなかでの傾向として、人件費が高騰していた り、公金支出のルールがしっかりしていない法人もあり、会計規定の指導には苦慮し ている。公金の外部流出につながらないルール作りをしっかり図ってほしい。役員報 酬についてもモデル的に示すなどし、高いのか低いのか分かるようにしてほしい。ま た、会計に明るい職員を雇うことも重要である。  ・ 財務規律について、余裕財産の明確化の前に、支出の適正化を図ることは重要と思う。  ・ 財務規律の議論をしているが、控除対象財産について、法人のモラルハザードについ て、人材確保について等いろいろ議論を深めないといけない点も多い。  ・ 平成21年の介護保険法改正の際、介護事業者の法令遵守について義務化された。ここ では、介護保険だけではなく労務管理や会計についても適用された。この機会に、そ のことを参考として社会福祉法人すべてに共通するものとするため、どのように活用 できるかについて考えることは意味のあることだと考える。いつか当時のことについ てご報告を願いたい。  ・ オランダの住宅協会の地域貢献活動は、実行領域を設定して計画的に進めている。  ・ 地域の意見を聞き取る仕組みは、評議員会で行うものでもないが、その仕組みは担保 されるべきものと考える。地域との懇話会を作り、そこで拾い上げた意見やそれにつ いてどのように応えたかを開示していく必要がある。地域の意見を拾い上げる仕組み は、法人自体のやりがいにつながったり、活動の実施の必要性を喚起してくれること にもつながる。  ・ 事務局に確認したい。社会福祉法人の優遇税制の範囲を超えてお金が流れる場合、税 法上どのような評価が必要となるか。 ⇒(事務局)社会福祉法人がこれから行うべきとされる地域公益活動等は、これまでど おり税法上、公益事業と収益事業の範囲を超えないと考える。  ・ ヨーロッパの公益法人は利益を出してはいけないこととなっているが、事業の拡大は できている。特 定積立金を積み立てる方法がその方法の一つだが、今後、非営利の団体の事業を表す会計 ルールを検討することについて、検討に値すると考えている。  第5回は10月7日(火)に開催されました。引き続き「業務運営・財務運営の在り方」 についての協議が行われ、特に「社会福祉法人が担う事業の範囲と位置付け(「社会貢献 活動」含む)」をテーマとし、個々の社会福祉法人関係団体からの実践報告とそれに基づ いた協議がなされました。詳細は次号にてお伝えします。    [厚生労働省]ホーム>政策について>審議会・研究会等>社会保障審議会(福祉部会) >第3回社会保障審議会福祉部会 資料  http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000057563.html >第4回社会保障審議会福祉部会資料  http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000059644.html 2.厚生労働省「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」(第6回〜8回)が開催される 〔第6回 開催内容〕  平成26年9月11日(木)、厚生労働省は「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」の 第6回目を開催しました。まず今年7〜8月にかけて行われてきた関係団体へのヒアリン グにおける意見等についての報告がありました。続いて今後議論すべき事項として主な論 点が示され、それに基づき協議が行われました。 (1)関係団体ヒアリングにおける意見等について  計34団体に対して実施されたヒアリングにおける主な意見について、事務局にて整理し た資料(資料1「障害福祉サービス等報酬改定に関する主な意見等」)を基にした説明が ありました。特に、複数の団体から同趣旨の意見があったものについて、重点的に説明が されました。  説明の後の質疑では、「ここにある内容を今後一つ一つ議論していくのか、あくまで参 考という位置づけなのか」と、資料自体の位置づけについての質問がありました。この質 問に対して事務局は、「一つ一つにすべて検討チームとしての回答を出して返すというの はスケジュール的に難しい。意見に対して個別に回答していくものではなく、意見を受け て全体の方向性について回答していくというものである」と回答しました。 (2)今後の議論の内容等について  事務局より今後の論点に係る資料についての説明がまずありました。この論点の内容は、 @6月13日に開催された第1回検討チームにおけるアドバイザーからの意見、A「障害者の 地域生活の推進に関する検討会」(昨年7〜10月開催)と「長期入院精神障害者の地域移 行に向けた具体的方策に係る検討会」(前身検討会含め昨年7月〜今年7月開催)と「障 害児支援の在り方に関する検討会」(今年1〜7月開催)のとりまとめの内容、B今年7 〜9月に実施したヒアリングにおける関係団体からの意見、C平成26年度末で時限措置が 終了する報酬事項、からまとめたものであるとの説明でした。あわせて「今後議論を予定 している事項をすべて網羅したものではないが、今後の各論の議論を進める上での入口の 資料として準備した」との補足がありました。  論点は、「訪問系サービス」「日中活動系・居住系サービス」「訓練系・就労系サービ ス」「地域相談支援・計画相談」「障害児支援」と分野ごとに分けて整理されており、協 議はその分野ごとに進められました。     以下に、各委員から出された主な意見を掲載します。 @「訪問系サービス」 ・ 重度訪問介護は今回の制度改正の目玉でもあり、重視すべきである。障害者権利条約批 准後の課題として意思決定支援をどうしていくかがあるが、その方法の一つとしてパー ソナルアシスタントがある。スウェーデンの例では、対象者をずっと観ていることでそ の人の意思が分かるということがあるようだ。課題も多い(申請件数増による給付費の 拡大が止まらない等)とは聞くが、この事業についてはより多くの事業所が取り組もう と思えるような報酬単価の設定としてほしい。行動援護については、重度訪問介護の対 象となる方のアセスメントという役割もあり、同様に重要である。 ・ 同行援護は障害者自立支援法施行後にできた新たなサービスである。視覚障害者のガイ ドヘルプとして利用されるケースが主に想定されるが、1回あたりの利用時間が長いた めヘルパーの拘束時間も長くなり、採算が合わずに民間事業所の多くが撤退しており、 サービス自体の検証が必要である。 A「日中活動系・居住系サービス」 ・ 生活介護については、各事業所でどのような支援をしているかがイメージしづらい。ヒ アリングにおいてそれぞれの団体から意見があったが、時間の関係もあって議論に深ま りが欠けていた。各団体から、事業の実態(何をしているか)を示してもらうようなこ とは今後可能なのか。 ⇒ (事務局の回答)今後の検討チームで改めてヒアリングを行い、その事業の状況を聞く ということは、スケジュール的には難しい。「こういった資料がないか」とリクエスト をいただいたら事務局として準備する。必要であれば関係する団体に資料提供をお願い する等して対応したい。 ・ 障害者基本法の理念や障害者権利条約を批准したことを踏まえれば、「行動障害のある 方や医療的ケアが必要な方も地域で生活できるようにしていく」というメッセージを厚 生労働省として発信していく必要があるのではないか。それらに係るサービスの報酬の 単価を上げていく等、メリハリが求められるのではないか。施設入所支援については、 高齢化、重度化した方、行動障害のある方のために本来あるのではないか。入所施設に ついては、そうした方への対応をしている所を評価するべきだ。 B「訓練系・就労系サービス」 ・ 就労移行支援の定着支援については、ヒアリングで団体の意見を聞き、支援のゴールを どこに置くのかが課題であると感じた。一方で、現行制度では6か月経過した後はナカ ポツセンターがその役割を担うということである。そうであれば、ナカポツセンターで はどのような支援をしているのだろうか。 ・ 民間企業の法定雇用率が1.8%から2.0%に引きが上げられたことで、一般就労が可能な 障害者の多くは、一般就労への移行が実現できていると思われる。今、一般就労に移行 でできていない方はほとんどが障害の重い方である。そういった方に一般就労してもら おうというのであれば、就職したらその対応は労働施策で実施するだけではなく、福祉 サイドからも支援(生活面のケア含め)していく必要があるのではないか。継続的な定 着支援をすることで就労が継続できているのであればそれは評価するべきであり、一方 で就職実績のない就労移行支援事業所は評価しないということで良いのではないか。 ・ 就労継続支援B型と生活介護については、事業所によって事業内容に大きな幅がある。 より高い工賃を払うことや働く能力を伸ばしていくとこと、一方で障害者の生活を支え ていくということは、異なる目標であり、それらを踏まえた評価のメリハリが必要である。 ・ 就労継続支援A型についても、事業内容にメスを入れる必要があり、良い所は伸ばす、 運営に問題のあるところは事業所として認めないという方向で整理すべきである。 ・ 今一般就労できていない人は重い障害を抱えた人が多いこと、就労させることではなく 就労し続けることがゴールであること、この2点を念頭に置いた議論が必要だ。ヒアリ ングで意見もあった重度者支援加算のあり方にもつながるのではないか。就労継続支援 A型は非常に多様であり格差が大きいので、報酬の設定でその役割(あり方)を示して いく必要があるのではないか。 C「地域相談支援・計画相談支援」 ・ 計画相談支援は非常に重要であるが、ケアプランを作れば良いということではなく、作 られたプランに基づき適切な支援ができているかが重要であり、良いプランはできたけ れどサービスは不充分だということになってしまっては困る。サービス管理責任者のみ ではなく、サービス提供責任者のあり方についてもセットで考える必要がある。 ・ 相談支援専門員については、「報酬が上がれば職員の質も上がる」という声が圧倒的に 多いが、果たしてそうか。報酬を上げるだけではなく、研修体系の整備等、相談支援専 門員の質を上げる取組が必要なのではないか。 D「障害児支援」 ・ 学齢期への支援は非常に重要であることから、優先すべき事項である。親の負担や不安 が一番大きな時期であり、この時期を適切に支援できるかどうかで、障害者のその後の 人生が変わると言っても良いくらいである。この時期の支援を手厚くすれば、その後に かかるコストという点でもメリットがあるのではないか。 ・ 放課後デイサービスの利用者も、重い方が増えている。インクルーシブ教育がうたわれ る中で、学校の先生の障害児支援の適切な理解についての不安もあり、放課後デイサー ビスが果たす役割は重要である。  最後に、藤井障害保健福祉部長から、「この資料にある以外のことでも、論点として取 り上げるべきものがあれば、(次回以降でも良いので)意見を出していただきたい」との 発言がありました。それに対してアドバイザーからは「情報保障の観点から、コミュニケ ーション支援についても重要なテーマである」との意見がありました。 〔第7回 開催内容〕  続く第7回(9月29日)では、報酬・基準に関する基本的な考え方の整理に向けて、サ ービス毎(各論)の検討がスタートし、「@障害福祉サービス等従事者の人材確保・処遇 改善」「A基準該当サービス」についての検討が行われました。 @ 障害福祉サービス等従事者の人材確保・処遇改善について  冒頭の事務局からの資料説明の中では、福祉人材確保対策検討会が8月26日に公表した 「介護人材確保の方向性について(中間整理メモ)」の内容、介護職員の平均賃金は産 業計に比べて低いことや勤続年数も短い傾向にあること、福祉・介護職員処遇改善加算 は(特別加算も含めて)約3割の事業所が算定していないこと、平成25年度障害福祉サ ービス従事者処遇状況等調査の概要等についての説明がありました。加えて、このテー マについての主な論点として、以下の4点が示されました。 主な論点 @ 障害福祉サービスにおける利用の伸びが見込まれる中、障害福祉分野においても介護分 野と同様、財源確保を前提に、今後更に人材確保・処遇改善の取組を進めていく必要が あるのではないか。その際、障害種別ごとの特性や重度化・高齢化に対応したきめ細や かな支援が可能となるよう、障害特性に応じた専門性を持った人材の確保が必要なので はないか。 A 福祉・介護職員の賃金水準は産業計と比較して低いと評価されるが、他産業と比較した 賃金水準の高低の議論よりも、更なる資質向上や雇用管理の改善などの取組を通じて社 会的・経済的評価が高まっていくという好循環を生み出していくほうが安定的な処遇改 善につながっていくと考えるかどうか。 B 平成24年度改定において福祉・介護職員処遇改善加算を創設し、安定的かつ継続的な処 遇改善のための取組を進めているが、現在の福祉・介護職員処遇改善加算は、事業者に、 職位・職責・職務内容等に応じた任用要件や賃金体系の整備、資質向上のための計画策 定や研修の実施等を求めているものの、必ずしも加算取得の必須の要件となっておらず、 この点改善の余地があると考えるかどうか。   また、福祉・介護職員の処遇を含む労働条件は、本来、労使間において自立的に決定 されるべきものであること等に鑑み、今後の加算の在り方についてどう考えるか。仮に、 各サービスの基本サービス費において評価を行うとした場合、処遇改善の取組が後退し ないようにするためには、どのような方策が考えられるか。 C 平成21年度改定で導入された「福祉専門職員配置等加算」において、@常勤の社会福祉 士等資格保有者の割合、A常勤職員で3年以上の勤続年数を有する者の割合等を指標に 評価を行っているが、事業所による職員の早期離職防止・定着促進について一層の取組 が求められる中、障害福祉サービス等報酬における対応として、どのようなことが考え られるか。  資料説明の後の協議の中では、アドバイザーからの意見の多くは論点Bに関係するもの となりました。  最初に、アドバイザーより、「定着率の悪さ、離職者の多さの理由は、必ずしも賃金水 準の低さゆえではない。良い事業所には人材が集まり、良くない事業所には人材が集まら ない。良くない事業所にまで処遇改善をすることに意味があるのだろうか。“良いリーダ ー”を育てるということが必要であり、それを実現しているところを評価するようにする べきである」との意見があり、良いリーダー(人材)を育てるためにはどうするかという 点から、キャリアパス(福祉・介護職員処遇改善加算のキャリアパス要件)に対する議論 へと展開していきました。(以下、主な意見) ・ 良いリーダーを育てるために、キャリアパスをどう考えるべきか。処遇改善加算のキャ リアパス要件では計画の策定、研修の実施とあるが、その中身は伴っているのか。要件 を厳しくしすぎて申請が減っては処遇改善につながらなくなるのだろうが、要件があま りに簡単ではいけないのではないだろうか。  ⇒(事務局より回答)キャリアパス要件は計画や研修の中身を問うことはしておらず、 基本こういうことをしているという届出だけで良いことになっている。多くの事業所に   加算をとってもらうことで賃金改善につなげていくという目的が、制度設計当初はあっ た。 ・ 処遇改善加算のキャリアパス要件(賃金を含めた任用等の要件を定める、計画を策定し 研修を実施する)は必須とするべきではないか。研修は、あまり研修を受講しない職員 にいかに受講する機会を設けるかが重要ではないか。     以上の意見や質疑を受けて、その後は、福祉・介護職員処遇改善加算の対象、それに 付随して福祉職員の在り方に係る議論となりました。 ・ 処遇改善加算は直接処遇職員を対象、特別加算は全ての職種が対象となっている。6月 に成立した地域医療・介護総合確保推進法の中で、処遇改善等は「幅広い職種を対象に して実施するよう努めること」とあるが、この法律を受けて処遇改善加算の対象を拡大 しようと考えているのであれば、どの範囲を考えているのか。⇒ ※事務局より明確な 回答はなし ・ 計画相談支援、障害児相談支援、地域相談支援が処遇改善加算の対象になっていないの は何故か。  ⇒(事務局より回答)これらの事業所には直接処遇職員はいないので、対象となってい ない。 ・ 人材が定着しない要因は事業者のみではなく、従事者の考え方の問題もあるのではない か。緩やかに仕事をしたい(競争はしたくない、仕事はそれなりで自分の時間を大事に したい)という人も多いと思うが、そうした職員まで処遇改善(賃金アップ)の対象と する必要はあるのか。 ・ (福祉専門職員配置等加算があるが)福祉専門職の資格はどれだけ役に立っているのだ ろうか。就労移行支援事業所であれば企業にプレゼンをしていくような能力が求められ、 他の事業所でも地域からの苦情にいかに対応できるかといった胆力のようなものが求め られるのではないか。資格保有者の配置の評価は最低限の要件とし、こうした能力をも った人を評価するべきなのではないか。 ・ 専門職資格制度の確立と現場のOJTの2つの柱が、人材育成のためには大切である。  その他、「人材確保策を検討しその好事例を横に展開していくことが必要なのだろうが、 大きな事業所と小さな事業所とでは大きな差がある。小さな事業所が安定してサービスを 提供できるような人材確保の視点も必要である」との意見もありました。  このテーマに係る議論の中では、アドバイザーからの意見を受けて藤井障害保健福祉部 長より、「人材確保・処遇改善を報酬改定にのせるには、どういう職員であるべきか、ど んな能力が必要なのかを要件化できる指標が必要だと考える」との発言がありました。 A 基準該当サービスについて  障害福祉サービスが提供されていない地域などで介護保険の小規模居宅介護事業所が行 う生活介護、短期入所を障害福祉サービスの給付とみなす「基準該当サービス」の対象拡 大について、介護保険制度では平成24年度創設の「複合サービス」について、小規模多機 能型居宅介護の機能を有するが、基準該当サービスの算定対象となっていない、また、障 害者を受け入れていた小規模多機能型居宅介護事業所が複合型に転換する際、転換後に障 害者を受け入れることができなくなるため、転換の障壁になっているなど、7〜8月の関 係団体ヒアリングの中でもその改善を求める意見がありました。  こうした状況を踏まえ、次期改定で、複合サービス事業所が障害者を受け入れた場合に 基準該当サービスとしてみなす方向で議論することについての説明が事務局からありまし た。この説明に対し、アドバイザーからは異論は出されませんでした。 〔第8回 開催内容〕  さらに続く、第8回(10月6日)では生活介護、短期入所、施設入所支援、就労系サー ビス(就労継続支援A型、就労継続支援B型、就労移行支援)の検討が行われました。 (1)平成26年障害福祉サービス等経営実態調査の結果について  各論の検討に先立ち、今年3月より実施されていた標記調査の結果についての報告があ りました。今回の報酬改定では、5月の第56回社会保障審議会障害者部会において検討チ ームの立ち上げが報告された際に「(10月とりまとめの予定である)障害福祉サービス等 経営実態調査の結果を参考にする」との説明があったところです。  事務局(厚生労働省)から資料説明があり、全体の調査結果は、有効回答数が5,239(有 効回答率は33.2%)、収支差は+9.6%(23年調査は+9.7%)、従事者常勤率は74.9% (23年調査は全体値の算出なし)でした。主な事業毎の調査結果は、次頁の図表を参照く ださい。  事務局からは、「収支差は、訪問系事業・生活介護・短期入所・就労系事業は比較的高 い(+10%前後)が、共同生活介護(旧ケアホーム)は23年調査に比べて数値が落ちてい る(23年調査は+14.6%⇒今回調査+6.5%)。相談事業はプラスではあるがその数値は低 く(+1〜2%前後)、障害児サービスでは放課後等デイサービスで特に高い数値が出て いる(+14.5%)」、「従事者の常勤率は全体的に23年調査に比べて下がっている。給与 については訪問系事業のホームヘルパーは特に上がっている」、「収支差分布については、 0%〜+10%未満の事業所の割合が約20%と少なくなっており(23年調査は約40%)、その 分は収支差がプラスの事業所(プラス10%以上〜)、マイナスの事業所ともに増えている」 との説明がありました。  なお、平成23年調査と平成26年調査では、集計方法が異なること(23年調査は調査対象 サービス以外の収入・支出も一部含まれていること、26年調査では按分し調査対象サービ スに係る収入・支出のみで集計していること)、事業区分が完全に一致しないこと(例、 23年調査の障害者支援施設は日中系事業も含まれた数値)から、比較をする際にはその点 を留意いただきたいとの説明がありました。 【主な事業毎の調査結果】(※資料より抜粋) 居宅介護 有効回答数(有効回答率) 178(21.9%) 収支差〔単位:千円〕 760 収支差率(23年比) 9.4%(-6.7%) 常勤率(23年比)〈※4〉 30.4%(-0.4%) 常勤1人当給与/年〔単位:千円〕(23年比)〈※4〉 2,891(+313) 生活介護 有効回答数(有効回答率) 448(60.7%) 収支差〔単位:千円〕 9,516 収支差率(23年比) 13.4%(+1.2%) 常勤率(23年比)〈※4〉 74.7%(-9.0%) 常勤1人当給与/年〔単位:千円〕(23年比)〈※4〉 3,180(-491) 共同生活介護〈※1〉 有効回答数(有効回答率) 384(55.5%) 収支差〔単位:千円〕 2,093 収支差率(23年比) 6.5%(-8.1%) 常勤率(23年比)〈※4〉 54.1%(+11.4%) 常勤1人当給与/年〔単位:千円〕(23年比)〈※4〉 3,100(+305) 共同生活援助〈※1〉 有効回答数(有効回答率) 307(38.3%) 収支差〔単位:千円〕 479 収支差率(23年比) 3.2%(-0.3%) 常勤率(23年比)〈※4〉 49.8%(-11.7%) 常勤1人当給与/年〔単位:千円〕(23年比)〈※4〉 2,567(-343) 施設入所支援〈※2〉 有効回答数(有効回答率) 201(30.6%) 収支差〔単位:千円〕 6,208 収支差率(23年比) 4.6%(-6.9%) 常勤率(23年比)〈※4〉 85.2%(-1.0%) 常勤1人当給与/年〔単位:千円〕(23年比)〈※4〉 3,633(-62) 機能訓練 有効回答数(有効回答率) 78(51.0%) 収支差〔単位:千円〕 1,148 収支差率(23年比) 5.6%(-4.0%) 常勤率(23年比)〈※4〉 82.6%(+27.9%) 常勤1人当給与/年〔単位:千円〕(23年比)〈※4〉 3,234(+23) 生活訓練 有効回答数(有効回答率) 327(44.6%) 収支差〔単位:千円〕 1,812 収支差率(23年比) 9.6%(-0.3%) 常勤率(23年比)〈※4〉 79.1%(-7.6%) 常勤1人当給与/年〔単位:千円〕(23年比)〈※4〉 3,100(+3) 就労移行支援 有効回答数(有効回答率) 350(49.3%) 収支差〔単位:千円〕 3,943 収支差率(23年比) 16.8%(+3.7%) 常勤率(23年比)〈※4〉 94.0%(+0.4%) 常勤1人当給与/年〔単位:千円〕(23年比)〈※4〉 3,536(-22) 就労継続支援A型 有効回答数(有効回答率) 320(40.2%) 収支差〔単位:千円〕 3,361 収支差率(23年比) 9.4%(-3.0%) 常勤率(23年比)〈※4〉 78.0%(-6.9%) 常勤1人当給与/年〔単位:千円〕(23年比)〈※4〉 2,702(-176) 就労継続支援B型 有効回答数(有効回答率) 469(58.1%) 収支差〔単位:千円〕 3,771 収支差率(23年比) 10.1%(-4.3%) 常勤率(23年比)〈※4〉 72.4%(-4.2%) 常勤1人当給与/年〔単位:千円〕(23年比)〈※4〉 3,019(-82) 計画相談支援〈※3〉 有効回答数(有効回答率) 334(31.8%) 収支差〔単位:千円〕 87 収支差率(23年比) 2.4%(+3.4%) 常勤率(23年比)〈※4〉 93.4%(+7.8%) 常勤1人当給与/年〔単位:千円〕(23年比)〈※4〉 3,884(-213) 〈※1〉共同生活介護と共同生活援助の23年度調査との比較は、単独型との比較 〈※2〉施設入所支援の23年度調査との比較は、障害者支援施設(日中活動部分含む)と の比較 〈※3〉計画相談支援の23年度調査との比較は、相談支援(地域移行支援、地域定着支援 含む)との比較 〈※4〉居宅介護は「ホームヘルパー」の数値/生活介護、共同生活介護、施設入所支援、 機能訓練、生活訓練は「生活支援員」の数値/共同生活援助は「世話人」の数値 /就労移行支援は「就労支援員」の数値/就労継続支援A型、就労継続支援B型 は「職業指導員」の数値/計画相談支援は「相談支援専門員」の数値  事務局からの説明後の質疑では、アドバイザーからは「給与は全体的に上がっておらず、 処遇改善が実現できているとはこの数値ではいえない。この数値がすべてを表していると いうことではなく、年齢や勤続年数で区分した状況等も見ないといけないだろうが、全体 的に給与が上がっていない理由としてどのようなものが考えられるか」、「33%の有効回 答率をどう評価するか。事業所毎での率にも大きな差がある」といった意見がありました。  これらの意見に対して事務局は、「数値は速報値であり分析はこれからである。平成23 年以降で利用者数も給付額も増えており、事業所の新規参入もあった。新規参入の事業所 は年齢が若く勤続年数が短い職員が占める割合が高い傾向があり、それが背景にあると考 えられる。処遇改善の方法が、平成23年調査時は福祉・介護人材処遇改善事業助成金、平 成24年度以降は報酬に含まれて処遇改善加算となったという違いもあると考えられる」、 「有効回答率は30%程度だが回収率は60%程度あった。 調査対象は無作為抽出であり、 今回はじめて調査対象となった事業所も多いと考えられる。はじめて回答する事業所にと っては質問項目も多く難しい内容もあり、有効回答率が下がった可能性がある。調査票の 設計や記入要領の内容等、次回以降の課題だと認識している」と回答しました。 (2) 生活介護、短期入所、施設入所支援の報酬について @ 生活介護  生活介護については、その費用額が障害福祉サービスの総費用額の約4割を占めており 適正なサービス内容をどのように評価できるかが重要な課題となっていること、平成24年 度改定時の検討チームでは「サービス利用時間の観点も含め、生活介護等自体のサービス の質がどのようなものとなっているか」の検証を行い次期報酬改定に取り組むことになっ ていたとの説明が事務局からあり、以下の論点等が示されました。 (※資料より抜粋) 【生活介護】  適正なサービス内容の評価の観点から、生活介護のサービス提供実態を踏まえた報酬上 の評価を、どのように考えるべきか。 論点@ サービスの利用時間について ○ 平成24年度報酬改定においては、サービス利用時間に応じた基本報酬の設定として、 8時間を超える開所を評価する一方で、短時間しか開所していない場合については、 公費の効率性や公平性の観点から減算を行ったところ。 ○ 一方で、一日支援を行っている事業所と、4時間を多少でも満たす支援(午後半日等) を行っている事業所では同一単価となっている。 ○ また、サービス提供実態調査の結果からは、開所時間のバラツキが見られるところ。 ○ これらを踏まえ、4時間未満の事業所以外にも、開所時間に応じて報酬上差を設けるこ とについて、どう考えるか。 論点A 支援内容について ○ 生活介護とは「入浴、排せつ及び食事の介護、創作的活動又は生産活動の機会の提供そ の他の便宜を適切かつ効果的に行うもの」となっており、実際に行われている支援の内 容は、利用者の状態に応じて異なるものである。 ○ サービス提供実態調査では、 ・ 入浴支援は半数近い事業所が提供を行っている。入浴回数については1週間で1人当た り平均3.15回となっている。 ・ 創作活動においては、ほとんどの事業所において実施されている。実施内容についても、 レクリエーションだけではなく、造形・園芸・絵画など多岐に渡り、複数実施している 事業所も少なくない。 ・ 生産活動も4割以上(実績無し・無回答以外で算出)の事業所において実施されている。 事業所内での活動が主となるが、事業所外での労務提供やショップ経営等も行われてい る。 ※ 事業所内での下請・内職作業 28.8%、自主製品の製造販売 24.7%、事業所外での労務 提供 4.8%、   飲食店、喫茶店等ショップ経営 5.0% ○ 上記の様に、事業所毎に様々な支援が行われている中で、支援内容に応じて差別化を行 い、報酬上評価することについて、どのように考えるか。   説明の後の質疑では、アドバイザーからの以下の意見が上がりました。 ・ 減算対象となっている営業時間4時間未満の事業所はほとんどない。論点にもある通り 4時間以の営業時間の事業所の評価にメリハリをつけるべきである。この事業が給付費 の4割を占めていることを考えれば、給付にメリハリをつけることで他の必要な事業に 回すことができる。 ・ 団体ヒアリングでは土日祝日の対応を評価してほしいという意見があった。開所時間が 短い所への給付費は切り下げて、一方で8時間以上開所している事業所には延長支援加 算で評価するという方向性のようだが、それでヒアリングで出た意見に応えられるのだ ろうか。 ⇒(事務局からの回答)土日祝日の支援に対しては、土日等日中支援加算というものが以 前はあって、それが平成24年度改定で本体報酬に含められている。 ・ 支援内容によって評価を分けるのは難しいのではないか。その人の状態に応じた支援が できているかが重要であり、非常に難しいものと認識しているが、本来は利用者の状態 の改善度合いや満足度合で評価することが望ましい。そうした努力をしている事業所や、 家族や地域を巻き込みながら支援を展開している事業所こそ評価してほしい。 ・ 様々な支援内容があっても良いが、1人当りの週単位の平均利用日数が3.15日とあるこ とからも、継続した支援をプログラムに基づき提供していくのではなくその日その日の 支援となっていないだろうか。支援の継続性、利用者のみではなくその家族に対する支 援という観点で見れば、後退していないか危惧している。 ・ 目標を設定してそれに向けた支援ができている事業所は少ないのではないか。レクリエ ーションも  意味を持たせたものが提供できているのか。個別支援計画を策定するサ ービス管理責任者の役割は非常に重要であるが、そういった意識が弱いように感じる。 ・ 生活介護の支援の在り方は、報酬改定の際のみ議論されるのではなく、研究会等を設け て継続的に行う必要があるのではないか。 A 短期入所、施設入所支援  短期入所については、緊急時の受け入れの推進、医療的対応や強度行動障害を有する者 への対応の強化といった論点が示されました。施設入所支援についても行動障害を有する 者への支援の評価(重度障害者支援加算の見直し)という論点が示されました。  アドバイザーからは、短期入所については「事業所が緊急受け入れに取り組みやすくす るよう、現状の緊急利用に係る加算の要件は緩和するべきではないか」、「虐待事案や行 動障害のある方こそ優先的に受け入れるべき」といった意見が上がりました。施設入所支 援については、以下の意見が上がりました。 ・ 行動障害をもった方の受け入れを必須とするべきである。入所施設はそうした地域生活   が難しい方への支援の場として位置付けられなくてはいけない。 ・ 行動障害を有する者への対応についての加算を設けることで、強度行動障害支援者養成 研修の受講を促すような仕組みとするべきである。 ・ 夜間においてもきちんと対応できるような配置とするべく、報酬をシフトしてはどうか。 ・ 利用者の地域移行に向けた取組を進めている施設に対して、しっかりと報酬を出せるよ うな仕組みとしてはどうか。 ・ 刑余者が地域移行支援の対象となったことから、そういった方の受け入れができる体制 整備も必要ではないか。生活リズムを構築する点で夜間支援が重要である。 (3) 就労系サービスの報酬について(就労移行支援、就労継続支援A型、就労稀継続支 援B型) @ 就労移行支援  就労移行支援については、利用者が就職して6月経過後は障害者就業・生活支援センタ ー等による支援が継続的に行われるよう調整を行うこととなっていますが、実態としては 多くの就労移行支援事業所が就職から6月経過後も引き続き職場定着支援を行い一定の成 果をあげていること、1年間における一般就労への移行率が30%以上の事業所が約3割あ る一方で、一般就労への移行率が0%である事業所も3割以上存在することの説明が事務局 からあり、以下の論点等が示されました。 (※資料より抜粋)  論点@ 就職時の適切なマッチングや継続的な職場定着支援を行うことによって、就職し た利用者が一定期間以上職場定着している就労移行支援事業所について、定着実績に応じ て評価する仕組みについてどう考えるか。   ○ 現行の就労移行支援体制加算は、前年度及び前々年度において、一般就労移行後6月以 上継続して就労している者が利用者定員の一定割合いる場合に加算で評価するものである が、それ以上長期にわたり定着している者については評価の対象となっていない。 ○ 障害者の一般就労については、就職の実現だけでなく、就職先で長く働けるように支援 することも重要であるため、現行の就労移行支援体制加算を見直し、利用者の一般就労後 の就労定着期間にも着目してはどうか。 ○ 例えば、一般就労移行後、6月経過後以降の定着についても、1年以上2年未満、2年 以上3年未満といった就労定着期間に重点化した評価としてはどうか。 ○ なお、現行の就労移行支援体制加算の対象には、企業等に就職した者以外に、同一法人 以外の就労継続支援A型に移行した者も含まれているが、就労継続支援A型は、利用者と 雇用契約を締結するものの、障害者総合支援法に位置付けられた障害福祉サービスであり、 事業所には職業指導員や生活支援員が配置されていることから、就労移行支援事業所によ る定着支援の必要性は高くないと考えられるが、この点をどう考えるか。  論点A 複数年にわたって一般就労への移行実績のない就労移行支援事業所については、 就労移行支援事業の役割を果たしているとは言えないため、報酬での適正化についてどう 考えるか。   ○ 就労移行支援事業については、平成24年度報酬改定において、過去3年間または過去4 年間における就労定着者数が0である場合に減算を行う仕組みを導入した。 ※ 過去3年間の就労定着者数が0の場合⇒15%減算(平成26年3月時の適用事業所は全体 の1.7%)過去4年間の就労定着者数が0の場合⇒30%減算(平成26年3月時の適用事業所 は全体の2.0%) ○ 就労を希望する障害者であって一般企業に雇用されることが可能と見込まれる障害者に 対して一般就労への移行に向けた支援を行うという就労移行支援事業の趣旨を踏まえ、就 労定着の実績がない事業所に適用されている現行の減算割合をさらに強化し、さらなる適 正化を図ることについてどう考えるか。 ○ また、1年間で一般就労に移行した利用者が1人もいない事業所が3割以上ある現状を 踏まえ、就労移行支援の利用期間である2年間で、一般就労へ移行した利用者が1人もいな い場合にも減算を行うことについてどう考えるか。 ○ さらに、この場合の一般就労への移行実績には、就労継続支援A型に移行した者を含ま ない取扱いとすることについてどう考えるか。  説明の後の質疑では、アドバイザーから以下の意見が上がりました。 ・ 一般就労実績がない事業所の割合が多いが、そもそもこの事業の趣旨(就職が目標)を 理解せずに、職場開拓をせずに就労継続支援B型と同様の支援をしているところもある のではないか。他の就労系サービスに比べても高い報酬単価に見合った支援を提供する べきであり、移行実績の高い事業所、長期間にわたる定着支援を実施して成果をあげて いる事業所に傾斜配分するべきでないか。 ・ 就労移行支援事業所のアフターフォロー(定着支援)を評価しようという考えがある中 で、職業指導員や生活支援員が配置されている就労継続支援A型を移行実績としてみな すのは辻褄が合わない。論点にもある通り、就労継続支援A型は、一般就労の移行実績 に含めなくて良いのではないか。 ・ (企業がノウハウを蓄積できていない)精神障害のある方の利用が増えており、就職し た後の支援は就職先である企業に基本的に任せるということはできないのではないか。 特に社会福祉法人立の就労移行支援事業所には、企業単独での対応がまだ難しい方の定 着支援の場面でこそ力を発揮してもらいたい。障害者就業・生活支援センターの支援で 対応できるという実情でもないのではないか。 ・ 法定雇用率が1.8%から2.0%に引き上げられており、それを実現していくためには企業 にだけ任せるのではなく、社会福祉法人等による就労移行の推進によっても支えられ、 かつ定着へと結びつくようになると良い。 ・ 事業所が努力し一般就労への移行実績を積み重ねるほど、利用者がいなくなるという実 態がある。良い事業所を評価し継続的に事業を行ってもらうためにも、移行実績の高い 事業所(例えば50%以上の一般就労実績のある事業所)については、現員ではなく定員 ベースの支給を認めるということでも良いのではないか。 A 就労継続支援A型について  就労継続支援A型については、平成24年度報酬改定において短時間利用者が一定割合以 上である場合の減算を導入したが依然として利用者の利用時間が短い事業所が存在してい ること(減算適用の事業所割合は平成26年3月時で4.7%)、特定旧法指定施設に係る重度 者支援体制加算は平成27年3月31日までの経過措置となっていること(加算(V)、平成 26年3月時の算定状況は1.64%)、一般就労の現場での就労の機会の提供は利用者の賃金 向上に有効であるとの考えより平成21年度報酬改定より施設外就労加算が導入されたこと (平成26年3月時の同加算の算定状況は31.0%)の説明が事務局からあり、次頁にある論 点等が示されました。 (※資料より抜粋)  論点@ 一般就労が困難な者に就労の機会を提供し、就労に必要な知識及び能力の向上の ための訓練など必要な支援を行うという就労継続支援A型事業の趣旨を踏まえ、短時間利 用者が多い事業所の評価のあり方についてどう考えるか。 ○ 現行の短時間利用に係る減算については、事業所における短時間利用者の割合が現員数 の5割以上の場合に適用されるという仕組みのため、個々の利用者の利用実態を踏まえた 減算制度とはなっていない。 ※ 週20時間未満の利用者割合が50%以上〜80%未満⇒10%減算(平成26年3月時の適用事 業所は全体の3.7%) 週20時間未満の利用者割合が80%以上の場合⇒25%減算(平成26年3月時の適用事業所は全 体の1.0%) ○ そこで、減算の適用にあたり、個々の利用者の利用実態を反映させたものとするため、 事業所における利用者1人あたりの平均労働時間に着目してはどうか。 ○ 具体的には、利用者1人あたりの1日の平均労働時間(直近の3か月間における雇用契 約締結利用者全員の総労働時間を延べ利用者数で割って算出)に応じて、基本報酬を減算 することについてどう考えるか。 論点A 旧体系から新体系への移行が終了していることを踏まえ、重度者支援体制加算の経 過措置の取扱いについてどう考えるか。 ○ 重度者支援体制加算は、重度者の利用促進を図る観点から、平成21年度報酬改定で創設 されたものである。 ○ 当該加算は、重度者(障害基礎年金1級受給者)の割合が50%以上の場合に加算で評価 することとしていたが、特定旧法施設についてはこの割合が5%以上で算定できることと していた(平成24年3月までの経過措置)。 ○ 当該加算については、その後、平成24年度報酬改定において、より重度者を対象とする インセンティブが働くよう25%以上の区分を創設したほか、特定旧法指定施設に係る加算 について、単価を引き下げた上で、重度者支援体制加算(V)として創設したところであ る。 ○ 当該加算は、特定旧法施設に配慮した措置であり、算定事業所の割合も減少傾向にある が、経過措置の延長についてどう考えるか。 論点B 施設外就労の要件について、就労継続支援B型事業では総合特別区域法により、一 部地域において緩和されていることを踏まえ、就労継続支援A型事業においても同様の要 件緩和を行うことについてどう考えるか。 ○ 現行、施設外就労については、利用人数や1ユニット当たりの最低人数について要件が 課されているが、この要件を緩和してはどうか。 ○ 一方、要件緩和を行った場合、現行、施設外就労に加算していることについてどう考え るか。 説明の後の質疑では、アドバイザーからの以下の意見が上がりました。 ・ 減算については短時間利用者の割合ではなく、論点にある通り1人1人の労働時間で算 定するという考え方を基本として良いのではないか。短時間利用の多い事業所の報酬は 大きく下げても良いのではないか。 ・ 短時間利用者の多い不適切な事業所を評価しないという考え方に異論はないが、長時間 の利用が難しい精神障害者や難病患者が就労継続支援A型を利用している点も考慮しな くてはいけない。特に難病患者は中途障害であるケースが多く、短時間利用が有効であ ると考えられる。ニーズにあった短時間利用は減算の対象とはしないよう、切り分けが 必要である。 ・ 障害者自立支援法施行後に新たに事業をはじめた所も多く、そうした事業所の利用者も 多いという現状を考えれば、旧法施設のみを対象とした経過措置の重度者支援体制加算 は期限までという対応で良いのではないか。 ・ 施設外就労の要件を緩和し、利用者1人から実施できるようにすれば、企業等からの多 様なニーズに対応できるようになるのではないか。さまざまな職場に入り込んで働くこ とができることで、それが一般就労にもつながっていくのではないか。障害者雇用が職 員数の少ない事業所にも義務付けられていく中で期待がもてる。 ・ 事業所内でできる仕事を探すだけでは限界があるので、施設外就労を活用してもっと外 に出ていくべきではないか。スウェーデンのサムハルも、利用者を外に出すことで事業 を拡大してきた。論点では、要件を緩和する代わりに加算の単価を下げるというように 読めるが、積極的に施設外就労に取り組む事業所を評価するためにも、現行の単価は維 持されるべきではないか。 B 就労継続支援B型について  就労継続支援B型については、各都道府県において策定する「工賃倍増5か年計画(平 成19〜23年度)」「工賃向上計画(平成24〜26年度)」に基づき実施してきているが、平 成24年度の平均工賃は1万4,190円(平成18年度より1,968円増)に留まり、引き続き工賃向 上に向けた取組が必要であること、(就労継続支援A型と同じく)特定旧法指定施設に係 る重度者支援体制加算(平成26年3月時の同加算の算定状況は6.43%)、施設外就労加算 (平成26年3月時の同加算の算定状況は17.7%)の説明が事務局からあり、以下の論点等 が示されました。 (※資料より抜粋)  論点@ 工賃向上に向けた取組について、事業所自らが積極的に取り組み、その結果とし て工賃の向上が図られた実績をより評価できるような見直しについてどう考えるか。 ○ 就労継続支援B型事業の利用者に支払う工賃については、利用者が地域で自立した日常 生活または社会生活を営むことを支援するため、事業者自らがその水準を高めていくよう 取り組む必要がある。 ○ そこで、事業所の工賃向上に向けた取組をより推進するため、現行の目標工賃達成加算 について、単価や算定要件を見直すほか、一定程度高い工賃を実現している場合の加算区 分を新たに設けることについてどう考えるか。 ○ また、目標工賃達成指導員配置加算について、工賃向上に向けた体制の整備に積極的に 取り組む事業所を評価するよう要件を見直すことについてどう考えるか。 論点A 旧体系から新体系への移行が終了していることを踏まえ、重度者支援体制加算の経 過措置の取扱いについてどう考えるか。 ○ 重度者支援体制加算は、重度者の利用に関して、基本報酬で評価していたものを平成21 年度報酬改定で加算に振り替えたものである。 ※ 2つ目以降の項目は就労継続支援A型と同内容 論点B 施設外就労の要件について、総合特別区域法により、一部地域において緩和がなさ れているところであるが、全国的に要件緩和を行うことについてどう考えるか。 ※ 就労継続支援A型と同内容  説明の後の質疑では、アドバイザーから以下の意見が上がりました。 ・ 工賃向上に事業所に取り組んでもらうためにも、目標工賃達成加算の最低賃金の3分の 1以上という要件よりも上のものを設けることは賛成である。高い工賃を支払えている所 を評価し、そうでない所は評価しないという考え方で良いのではないか。資料では最低賃 金の2分の1以上の事業所の割合が掲載されているが、そもそも最低賃金を支払えている 事業所はないのか。 ⇒(事務局からの回答)資料を持ち合わせていないが、数は少ないが最低賃金を支払えて いる事業所はある。  ・ より高い工賃を支払っている事業所を評価するという考え方は賛成だが、重度の利用者 が多い事業所もあるので、その点の整理は必要である。 ・ 工賃向上を目指していく一方で、どのような利用者がいるかで支援の必要な度合いも異 なる。事業所内の支援で手一杯で、職員が外になかなか出られずに新規開拓や外に出ての 情報収集ができないという事業所もある。団体ヒアリングの中でも工賃を上げていくため に外に出ていく営業職員のような存在が必要との意見があったが、職員が外に出て情報を 得られるような体制、他の事業所の実践を参考にできるような機会を設けることが必要な のではないか。  検討会の最後には、アドバイザーから「経営実態調査についてはその結果の全容が資料 に出ているが、サービス提供実態調査については結果の一部が資料に掲載されているのみ である。今回の議論の中で出た支援の内容等を測るうえでの尺度となり得る情報を提供し てもらいたい。エビデンスに基づく議論をするうえでは、経営についての数値のみではな くサービス提供に係る数値も必要ではないか」との意見がありました。事務局からは、「 調査結果を分析し、議論に資する情報は提供できるようにしたい」との回答がありました。  次回(第9回)は10月20日開催予定であり、協議テーマは訪問系サービスの報酬(居宅 介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者等包括支援)についてです。 [厚生労働省]ホーム>政策について>審議会・研究会等>社会・援護局>障害福祉サー ビス等報酬改定検討チーム(平成27年度報酬改定) >第6回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料  http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000057303.html >第7回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料  http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000059445.html >第8回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料  http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000060392.html 3.内閣府「障害者政策委員会」(第14回、15回)が開催される  内閣府「障害者政策委員会」(委員長:石川 准 静岡県立大学教授)の第14回が、9月 22日(月)に、続く第15回が9月29日(月)に開催されました。  第13回では、基本方針の構成(イメージ案)が示されましたが、今回の委員会では、障 害者差別解消法に基づく基本方針の策定に向けて、事業者等からのヒアリングが行われま した。  委員会の冒頭には、新たに就任した越智隆雄内閣府大臣政務官より挨拶があり、「障害 者の社会参加を促進するためのバリアフリー等のハード面の整備と、配慮が行き届いた心 豊かな社会づくりの双方を併せて行うことが共生社会づくりへとつながる。このことを、 障害をもつ人ももたない人も、共に 考えていくという本来の趣旨が浸透することをめざし、本委員会において検討していただ きたい」と述べられました。  続くヒアリングでは、出席団体から差別解消のための対応や工夫、配慮事項等に関する 報告がありました。(対象となった団体は以下の11団体) 【ヒアリング団体】 JR東日本(東日本旅客鉄道株式会社)、JR東海(東海旅客鉄道株式会社)、JR西日 本(西日本旅客鉄道株式会社)、一般社団法人 日本民営鉄道協会、一般社団法人 日本地 下鉄協会、公益社団法人 日本バス協会、一般社団法人 全国ハイヤー・タクシー連合会、 一般財団法人 全国福祉輸送サービス協会、一般社団法人 全国銀行協会、一般社団法人 生命保険協会、一般社団法人 日本損害保険協会   各団体からの報告に対して、委員から次のような質問が出されました(項目のみ紹介)。 ※全社協高年・障害福祉部にて作成 (鉄道・バス・タクシー等事業者に対する質問)  ・ 各鉄道会社における対応判断基準の共有性と合理的配慮の実施判断指令系統  ・ 駅の券売機に関する設備配慮  ・ 精神障害者への運賃割引制度  ・ 鉄道の運行状況に関するアクセシビリティ  ・ ホームと電車の高さの不一致や特定の新幹線における車いす乗車スペースの少なさ  ・ 新幹線におけるハンドル型車いすの通行幅の未確保  ・ 知的障害者への駅におけるコミュニティ支援  ・ バス内での知的障害者への対応・支援のあり方  ・ タクシー運転手によるトランク私物化により車いすユーザーが利用できない実態  ・ 個人タクシー運転手へのユニバーサル研修の必要性   (銀行・保険等事業者に対する質問)  ・ 電子マネー利用に関する障害者のアクセシビリティ  ・ 精神障害者の生命保険加入拒否事例  ・ 生命保険加入手続きの煩雑さと手話通訳による対応の拒否事例  ・ ろうあ者等に関する各種契約時の本人確認の困難性     なお、前回の委員会で多くの委員から「知的障害や精神障害の当事者を委員として加え るべき」との意見が出されたことについて、その後の対応確認を求める意見がありました。 石川委員長からは「内閣府より委員任命発令した直後の補充は難しいと説明を受けている が、本件については委員長預かりとなっているところ」との回答がありました。  〔第15回 開催内容〕  続く第15回(9月29日)では、引き続き事業所ヒアリングが行われました。 【ヒアリング団体】  全国理容生活衛生同業組合連合会、全国飲食業生活衛生同業組合連合会、一般社団法人 全国フランチャイズチェーン協会、日本商工会議所、定期航空協会、全国地域航空システ ム推進協議会、一般社団法人 日本旅行業協会、一般社団法人 全国旅行業協会、公益社団 法人 全国宅地建物取引業協会連合会、警察庁、法務省  各団体からの報告に対して、委員から次のような質問が出されました(項目のみ紹介)。 ※全社協高年・障害福祉部にて作成 (理美容・飲食店等事業者に対する質問) ・介助犬同伴での入店時の対応について ・点字メニューの作成について ・判断面での配慮の必要性 (航空・旅行等事業者に対する質問) ・精神障害者の旅行契約の拒否事例 ・紛争・苦情解決処理機関の窓口を一本化する必要性 ・旅行代理店業界と航空業界間での情報共有の取り組み ・飛行機の搭乗・降機における設備配慮 (宅地建物取引・警察・法務等事業者に対する質問) ・住居アパート契約時の保証人の確保の困難性 ・警察・刑務所職員向けの研修の充実 ・障害者の矯正保護施設での更生プログラムの充実 ・緊急時に聾者の対応が可能な警察職員の配備の必要性  次回は、10月20日(第16回)に開催され、障害者差別解消法に基づく基本方針(素案) について協議される予定です。  詳細は、以下のURLよりご確認ください。 [内閣府]ホーム>共生社会政策トップ>障害者施策>もっと詳しく>推進体制>障害者 政策委員会 >障害者政策委員会(第14回)議事次第  http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/seisaku_iinkai/k_14/index.html >障害者政策委員会(第15回)議事次第  http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/seisaku_iinkai/k_15/index.html 4.労働政策審議会障害者雇用分科会(第63回)が開催される    「労働政策審議会障害者雇用分科会」(分科会長:山川 隆一 東京大学大学院法学政治 学研究科教授)の第63回が、9月11日(木)に開催されました。同分科会では、平成25年 に成立し一部を除き平成28年4月に施行される「改正障害者雇用促進法」に規定された @障害者に対する差別の禁止、A合理的配慮の提供義務について、その2つの指針(「改 正障害者雇用促進法に基づく差別禁止・合理的配慮の提供の指針」)の策定に向けた検討 が当面行われることとされ、今回は差別禁止指針についての検討が行われました。  検討のたたき台として差別禁止指針の案が示され、指針案とあわせて今後のスケジュー ルについても事務局より説明がありました。  示された差別禁止指針の案は、「募集及び採用」「賃金」「配置」「昇進」「降格」 「教育訓練」「福利厚生」「職種の変更」「雇用形態の変更」「退職の勧奨」「定年」 「解雇」「労働契約の更新」の13項目について、今年6月にとりまとめられた「改正障害 者雇用促進法に基づく差別禁止・合理的配慮の提供の指針の在り方に関する研究会報告書」 (研究会の座長は山川分科会長)を基に、さらに各項目の定義と具体例が盛り込まれた内 容でした。指針案の最後には、法違反とならない(障害者であることを理由とする差別に 該当しない)場合として、「合理的配慮を提供し、労働能力等を適正に評価した結果とし て異なる取扱いを行うこと」「合理的配慮を提供することにより障害のない者と異なる取 扱いを行うこと」等があげられています。  今後のスケジュールは、年内には残り3回(第64〜66回)の分科会を開催し、まず差別 禁止指針、続いて合理的配慮指針について検討が始まり、12月の第66回分科会後に両指針 案をまとめてパブリックコメント(意見募集)に付し、来年2月の分科会(第67回)にて両 指針をまとめ(諮問答申)、平成28年4月の施行に向けて平成27年度は周知期間とするとい うものでした。  事務局からの説明の後の質疑の中での委員からの主な意見は以下のとおりです。 ※全社協高年・障害福祉部にて作成 ・ 差別禁止指針案の最後の項目に、合理的配慮との関係性についての記述がある。スケジ ュールでは  差別禁止指針、合理的配慮指針の検討を分けて行うようなものになっているが、両指針 の整合を図れるよう、検討の進め方を工夫してもらいたい。〔労働者代表の委員より〕 ・ 合理的配慮についての議論が深まらなければ、差別禁止指針についての議論も十分にで きないのではないか。両指針は別にではなく相互に検討する必要があるのではないか。 〔使用者代表の委員より〕 ・ 募集及び採用の項目について、研究会報告書では正社員とはせずに契約社員や嘱託職員 での採用を前提とした求人は差別に該当するものとしているが、その辺りの記載が指針 案では十分ではない。  〔労働者代表の委員より〕 ・ この指針を読んで対応する企業にとって、分かりやすい内容であることが実行につなが る。募集及び採用の箇所は、なお書きが多くて特に分かりづらい。より分かりやすいも のにする工夫をお願いしたい。〔使用者代表の委員より〕 ・ 研究会報告書では、項目に追加すべきとの意見が研究会であった「職場復帰」「労働時 間」「再雇用」といった項目については、13項目に含められるものという整理になって いた。この3つについては13項目のどこに入るのか。〔労働者代表の委員より〕  ⇒(事務局の回答)「職場復帰」は配置と雇用形態の変更、「再雇用」は採用に入る。 「職場復帰」については、それが可能になるような措置をどうとるかという意味では合 理的配慮につながるものであり、合理的配慮指針の中で対応する。 ・ 賃金、配置、昇進の項目の具体例の部分で、“一定の”という言葉が入っている(手当、 業務、役職の前)。読む側にその範囲でのみ対応すれば良いと解釈されるような表現は 直した方が良いのではないか。〔公益代表の委員より〕  ⇒(事務局の回答)何か制限をかけようという意図ではなく、研究会における議論の際 から参考にするとしてした「男女雇用機会均等指針」がそうであることが理由である。 取り扱いは検討する。 ・ 配置については、障害者を受け入れたとしても別枠(例えば特別な部署への配置)での 処遇となっているケースがほとんどという実態があり、非常に不満が強い。企業サイド にはそうしたことが差別にあたると伝わるような内容にしていただきたい。〔障害者代 表の委員より〕 次回(第64回)は10月23日に開催されます。今回出された意見を踏まえた差別禁止指針案 を基に、改めて検討を行う予定です。 [厚生労働省]ホーム>政策について>審議会・研究会等> 労働政策審議会(障害者雇用 分科会)>第63回労働政策審議会障害者雇用分科会 資料  http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000058000.html