障害福祉関係ニュース 平成23年度 11号(障害福祉制度・施策関連情報) 平成23年度/11号(通算272号)平成23年11月17日発行 発行:全国社会福祉協議会 高年・障害福祉部 〒100-8980 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル内 TEL:03-3581-6502 FAX:03-3581-2428 e-mail:z-shogai@shakyo.or.jp ◇◆◇今号の掲載内容◇◆◇ T.障害福祉制度関連情報  1.厚生労働省「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」が開催される(p2)  2.厚生労働省「障害保健福祉関係主管課長会議」が開催される(p5)  3.内閣府「第36回障がい者制度改革推進会議」が開催される(p8)  4.厚生労働省「平成23年度厚生労働省第三次補正予算(案)」が公表される(p10)  5.厚生労働省「第2回厚生労働省社会保障改革推進本部」が開催される(p12)  6.内閣府「第13回地域主権戦略会議」が開催される(p12)  7.国立社会保障・人口問題研究所「平成21年度社会保障給付費」が公表される(p13)  8.厚生労働省「障害福祉サービス等の利用状況について(平成23年7月サービス提供    分)」が公表される(p14) U.全社協の活動状況  1.全社協「障害者自立支援法のサービス利用説明パンフレット(平成23年10月改訂版)」    のご案内(p14)  2.全社協「平成23年4月 日常生活自立支援事業の実施状況」が公表される(p15) V.今後の各種会議等の予定(11月)(p15) T.障害福祉制度関連情報 1.厚生労働省「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」が開催される (1)第1回障害福祉サービス等報酬改定検討チーム  平成23年11月11日、厚生労働省「第1回障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」が開 催され、@障害福祉サービス等経営実態調査、A地域区分の見直し等について検討が行わ れました。  この検討チームは、障害福祉サービス等に係る報酬について、平成24年度改定に向けて、 客観性・透明性の向上を図りつつ検討を行うために設置され、アドバイザーとして有識者 の参画を求めて、公開の場で検討を行うこととされています。チームの主査には津田厚生 労働大臣政務官、副主査には障害保健福祉部長が就任しています。  冒頭、津田弥太郎厚生労働大臣政務官より、検討チームの設置の趣旨の説明とともに、 「今回の改定において、一番大きな影響を与えるのは、今年度末までの基金事業として行 われている「福祉・介護人材の処遇改善交付金」の取り扱いである。この交付金の取り扱 いについては、政府の予算編成過程で決定することになるが、仮に報酬の中に組み入れる ことになれば、「ペイ・アズ・ユー・ゴーの原則」に基づき、それ相応の財源確保が必要 となってくる。また、報酬の改定率についても政府の予算編成過程の中で決定されること になる。したがって、本検討チームでは、年内までは障害福祉サービス等報酬に係る個々 の課題について経営実態調査の結果等を踏まえながら検討を行い、改定率が決定された後 に、当該改定率を前提とした上で、年明けに個々の障害福祉サービス等の報酬単価につい てとりまとめを行っていきたいと考えている」とのあいさつがありました。 「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」 構成員等 (敬称略、50音順) 主    査:津田厚生労働大臣政務官 副  主  査:障害保健福祉部長 構  成  員:障害保健福祉部企画課長        障害保健福祉部障害福祉課長        障害保健福祉部精神・障害保健課長        障害保健福祉部障害福祉課地域移行・障害児支援室長 アドバイザー:茨木 尚子 明治学院大学教授        駒村 康平 慶応義塾大学教授        野澤 和弘 毎日新聞論説委員        平野 方昭 日本社会事業大学准教授 【参考】開催予定  第1回11月11日(金)17:00〜19:00  第2回11月14日(月) 9:00〜11:00  第3回11月17日(木)10:00〜12:00   ※ 第2・3回は関係団体ヒアリングを実施予定  また、今回の検討チームでは、障害福祉サービス等の経営実態と制度の施行状況を把握 する「平成23年度障害福祉サービス等経営実態調査結果」が公表されました。この調査は、 平成22年度における収支状況、従事者数、給与等について、15,247施設・事業所を対象に 調査が行われ、回答数は10,497件(回収率68.8%)、有効回答数は4,336件(有効回答率41.3%) となっています。  調査結果によると、障害福祉サービス等の全体の収支差は11,583千円(平成20年:4,469 千円)、収支差率は9.7%(平成20年:6.1%)、新体系の収支差は11,229千円(平成20年 :1,689千円)、収支差率は12.2%(平成20年:5.4%)、旧体系の収支差は11,250千円( 平成20年:9,190千円)、収支差率は7.6%(平成20年:7.0%)となっています。  障害者支援施設の収支差は33,651千円(平成20年:11,761千円)、収支差率は11.5%( 平成20年:5.4%)となっています。  また、障害者支援施設の生活指導員・生活支援員の常勤率は86.2%(平成20年:86.9%)、 常勤職員の1人当たりの年間給与は3,695千円(平成20年:3,385千円)となっています。  経営実態調査の結果を受けて、アドバイザーからは、「報酬改定を議論する際に、単に 収支差率の数字だけで判断するのではなく、常勤率や給与等とあわせて議論する必要があ るのではないか」等の意見が出されました。 平成23年度障害福祉サービス等経営実態調査結果 ※一部抜粋                           23年調査                  20年調査                収支差(単位:千円) 収支差率 有効回答数 収支差(単位:千円) 収支差率 有効回答数 全 体                   11,583    9.7%    4,336        4,469    6.1%    5,047 新体系                   11,229   12.2%    2,893        1,689    5.4%    2,830 旧体系                   11,250    7.6%    1,143        9,190    7.0%    1,962 障害児施設等                14,048    5.0%     294        -3,964   -4.2%     207 新体系 訪問系サービス           6,560   14.8%     498         -663   -4.0%     258      居宅介護             7,361   16.1%     348        -1,023   -7.9%     183      重度訪問介護           7,243   13.7%     49         299    0.9%     26      行動援護             1,345    6.8%     48        3,171   16.1%     16     生活介護              26,393   12.2%     630        3,299    6.6%     627     児童デイサービス          3,676   11.1%     238        -4,882   -32.1%     267     短期入所              1,555    7.5%     84         628    9.6%     135     共同生活介護単独型         4,370   14.6%     164        1,738   11.0%     147     障害者支援施設           33,651   11.5%     502        11,761    5.4%     97     自立訓練(機能訓練)        5,552    9.6%     20         -739   -5.9%     23     自立訓練(生活訓練)        2,573    9.9%     63        2,078   12.3%     135     就労移行支援            4,588   13.1%     128        3,531   14.1%     210     就労継続支援A型          4,431   12.4%     112         457    1.6%     62     就労継続支援B型          6,025   14.4%     361        2,227    9.8%     581     共同生活援助単独型          375    3.5%     55         -445   -6.3%     59     相談支援               -118   -1.0%     26         228    2.1%     16     多機能型              13,374   11.9%    1,814        3,173    6.9%     285     共同生活援助・共同生活介護一体型  3,336    8.2%     137        1,242    6.1%     90 ※調査客体数(配布数)15,247施設・事業所、回収数10,497件(回収率68.8%)、有効回答  数4,336件(有効回答率41.3%) ※この調査結果における収支差率は、基金事業(処遇改善、9割保障、従前保障等)及び  その他の補助金を含んだ収入に対する比率で計算している。  また、「福祉・介護人材の処遇改善事業」については、効果として、平成22年度に福祉・介 護人材の処遇改善事業助成金を申請した施設・事業所における平成22年の直接処遇職員の 平均給与額が、前年同月(9月)に比べ約1.5万円増加しており、対象外の職種(看護職員 等)の平均給与額も、1.4万円〜1.9万円増加していることが挙げられました。しかし、課 題として、給与の引き上げの多くは、一時金(69%)や諸手当(28%)という形で行われ ており、継続性(「基本給の引き上げ」約17%)が弱いことが課題として挙げられました。  その上で、厚生労働省は、適切な障害福祉サービス供給を安定的に確保するために、助 成金による介護労働力需給の改善効果を維持することが重要であり、助成金による賃金改 善はその多くは一時的な対応にとどまっていることが想定されるとし、効果が持続できる ような対応(条件付きで報酬に組み入れるなど)を検討することが必要であるとの考え方 を示しました。  障害福祉サービスの費用単価の地域区分については、現在、国家公務員の調整手当の地 域区分(5区分)を基本として実施されていますが、平成18年度に調整手当に代わる地域 手当(7区分)が創設され、他の分野でも見直しが実施または検討されていることを踏ま え、障害福祉サービスの費用単価の地域区分の見直しの論点が示されました。内容として は、@地域区分の設定方法(地域割り)、A地域別の上乗せ割合、B対象地域、C対象と なる市町村名称の時期、D対象地域への激変緩和の経過措置が挙げられています。   (2)第2回障害福祉サービス等報酬改定検討チーム  引き続き、11月14日、「第2回障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」が開催され、 @社会福祉法人日本身体障害者団体連合会、A日本障害フォーラム、B全国身体障害者施 設協議会、C社団法人全国脊髄損傷者連合会、D全国社会就労センター協議会、Eきょう されん、F公益社団法人全国精神保健福祉会連合会、G特定非営利活動法人障害者インタ ーナショナル日本会議、H社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会、I財団法人日本知的障 害者福祉協会、J障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会、K特定非営利 活動法人全国地域生活支援ネットワーク、L社会福祉法人全国重症心身障害児(者)を守 る会、M全国肢体不自由児施設運営協議会、N特定非営利活動法人ALS/MNDサポー トセンターさくら会からヒアリングが行われました。  出席者からは、平成23年度障害福祉サービス等経営実態調査結果を踏まえ、「経営実態 調査の収支差率の数字だけを見ると、収支差率は増加しており、事業所が内部留保してい る印象を与えてしまうが、制度の先行きが見えない中で、今後、安定して事業展開ができ るように確保しているものであるので、単に収支差率だけで報酬改定率を決定することが ないようにお願いしたい」との意見が出されました。 [厚生労働省] 第1回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」資料 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001uy62.html 2.厚生労働省「障害保健福祉関係主管課長会議」が開催される  平成23年10月31日、厚生労働省「障害保健福祉関係主管課長会議」が開催され、@平成 24年度概算要求及び平成23年度第三次補正予算(案)、A新体系サービスへの移行、Bサ ービス等利用計画の導入と障害福祉サービス利用の組み合わせ、C介護職員等によるたん の吸引等の実施、D障害者自立支援法等の一部改正(相談支援体制の充実等、障害児支援 の強化)、E事業者の業務管理体制の整備等について説明が行われました。 (1)新体系サービスへの移行 @新体系サービスへの移行状況   新体系サービスへの移行割合については、平成23年4月1日現在、全国平均で70.0%  となっています。   また、旧体系施設が、移行期間である平成24年3月までに移行できなかった場合には、  障害者自立支援法に基づく報酬が受けることができなくなることがあらためて確認され  ました。   なお、東日本大震災の被災地における新体系移行については、施設の被災状況等を考  慮した上で、実情に応じて十分配慮を行うこととされています。 Aサービス管理責任者に係る研修要件の経過措置   サービス管理責任者に関しては、経過措置として、実務経験の要件を満たしていれば、  平成24年3月までの間は「相談支援従事者初任者研修(講義部分)」及び「サービス管  理責任者研修」を修了していない場合であっても、暫定的にサービス管理責任者として  配置できることとされていますが、今回、この経過措置が廃止され、平成24年度以降は  下記のとおり取り扱うことになりました。 【平成24年4月1日以降の新規指定の事業所】 事業開始後1年間は、サービス管理責任者の研修修了の要件を満たしているものとみなす。 【やむを得ない事情によりサービス管理責任者が欠如した事業所】 当該事由発生後1年間は、サービス管理責任者の研修修了の要件を満たしているものとみ なす。 ※都道府県は欠如した際の届出があった場合にやむを得ない事情について確認すること。 【平成24年3月末に指定されている事業所】 平成25年3月31日までは、サービス管理責任者の研修修了の要件を満たしているものとみ なす。 B障害者自立支援対策臨時特例交付金による基金事業   平成23年度をもって終了する障害者自立支援対策臨時特例交付金による基金事業につ  いては、積み増し及び期間延期について検討することとしているところであることが示  されました。平成24年度についても、新体系移行後の事業運営の安定化を図るための措  置(いわゆる9割保障)について、財政状況が厳しい中必要な事業内容を精査しつつ検  討がなされていることが報告されました。 (2)サービス等利用計画の導入と障害福祉サービス利用の組み合わせについて  平成23年6月30日に開催された「障害保健福祉関係主管課長会議」において、「施設入 所支援と就労継続支援の利用の組み合わせ」、「障害程度区分が4(50歳以上は3)より も低い利用者の施設入所支援と生活介護の組み合わせ」について、ケアマネジメント等の 手続きを経た上で市町村の判断で認める方向で検討することが示されたところですが、今 回、平成24年度以降もこうした障害福祉サービス利用の組み合わせが市町村の判断により 認められることになりました(今後、必要な省令、通知等を改正)。  なお、「ケアホームとホームヘルパーの利用の組み合わせ」(障害程度区分4以上)に ついては、現行の経過措置を延長することになりました。 (3)介護職員等によるたんの吸引等の実施について  今回の課長会議では、「平成23年度の特定の者対象の研修」に関する説明があり、現場 におけるたんの吸引及び経管栄養のニーズを把握し、ニーズに対応するために必要な研修 を実施することが都道府県に対して求められました。  また、障害児・者関係の経過措置対象者の範囲について下記のとおりあらためて確認が なされました。 障害児・者関係の経過措置対象者の範囲 ○以下の通知に基づいてたんの吸引等を実施している者  @「ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の在宅療養の支援について」(平成15年7月17日   医政発第0717001号厚生労働省医政局長通知)  A「在宅におけるALS以外の療養患者・障害者に対するたんの吸引の取扱いについて」   (平成17年3月24日医政発第0324006号厚生労働省医政局長通知)  B「盲・聾・養護学校におけるたんの吸引等の取扱いについて」(平成16年10月20日医   政発第1020008号厚生労働省医政局長通知) ○昨年度の試行事業による研修(特定の者対象)の受講者  ただし、これらの者のうち、例えば、@又はAの通知に基づいてたんの吸引を実施して  いる者については、  ・通知の範囲に含まれていない経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻経管栄養)  ・たんの吸引であっても通知に基づいて実施している以外の行為(口腔内のたんの吸引   を行っていた者が同じ利用者に対して新たに気管カニューレ内部のたんの吸引を行う   場合等)  ・通知に基づいて介護職員等によるたんの吸引の実施に同意を得た利用者とは別の利用   者に対してたんの吸引等を実施する場合  は、経過措置の対象とはならないため、これらの行為を実施する場合には新たに研修を  受ける必要がある。したがって、特に@又はAの通知の範囲に含まれていない経管栄養  を平成24年4月から新たに実施する場合には、今年度中に研修を受ける必要がある。 (4)障害者自立支援法等の一部改正について(相談支援体制の充実等)  障害者自立支援法等の一部改正に関する「相談支援体制の充実等」について、平成23年 6月30日に開催された「障害保健福祉関係主管課長会議」で示された案にパブリックコメ ント等で出された意見等を踏まえ、修正案が示されました。  なお、「計画相談支援」(個別給付)における継続サービス利用支援のモニタリングの 期間については、障害者支援施設入所者の場合、1年ごとに1回、地域移行支援利用者の 場合、6か月に1回実施することが標準期間(案)として示されています。 (5)障害者自立支援法等の一部改正について(障害児支援の強化)  障害児支援については、身近な地域で支援を受けられるようにする等のため、現行の知 的障害児施設、知的障害児通園施設、盲ろうあ児施設、肢体不自由児施設、重症心身障害 児施設等の障害種別に分かれた施設体系について、通所による支援を「障害児通所支援( 児童発達支援等)」に、入所による支援を「障害児入所支援(障害児入所施設)」にそれ ぞれ一元化することとしています。  今回の課長会議では、障害児施設の一元化後の施設等に係る具体的な実施基準(案)が 示されました。実施基準(案)の設定に当たっての基本方針として、下記の3点が挙げら れています。  @各施設等の円滑な移行を考慮して基本的な人員基準・設備基準の水準は変更しない。  A特定の障害に対する専門的な支援を引き続き提供できるよう配慮するとともに、障害   の別なく身近な地域で適切な療育を受けられるようにする。  B各施設等における支援が個々の障害等に応じてより計画的かつ効果的なものとなるよ   う、現行、障害者自立支援法に基づく障害福祉サービスに置くこととされている「サ   ービス管理責任者」に相当する者について、障害児施設においても配置する。 (6)事業者の業務管理体制の整備について  障害者自立支援法等の一部改正により、障害福祉サービス事業者等による適正なサービ スの提供を確保するため、不正事業者による処分逃れ対策等の対策が講じられることにな りますが、今回、指定に係る申請者と「密接な関係を有する者」が指定の取り消しを受け た場合に指定・更新が拒否される、サービス類型(案)が示されました。 [厚生労働省] 障害保健福祉関係主管課長会議資料(平成23年10月31日) http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaigi_shiryou/ 障害保健福祉関係主管課長会議資料(平成23年10月31日)企画課 http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaigi_shiryou/dl/20111101_01.pdf 障害保健福祉関係主管課長会議資料(平成23年10月31日)障害福祉課/地域移行・障害児 支援室 http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaigi_shiryou/dl/20111101_02.pdf 3.内閣府「第36回障がい者制度改革推進会議」が開催される  平成23年10月24日、「第36回障がい者制度改革推進会議」が開催され、現行の「障害者 基本計画」(以下、「基本計画」)に関する意見交換が行われました。  障害者基本法の改正により、「基本計画」は、障害者政策委員会で策定に向けた検討を 行うことになりますが、今回の推進会議では、策定の前段階として、現行の「基本計画」 をもとに、全体の構成、分野別施策の内容、新たに盛り込むべき項目等について議論が行 われました。  東担当室長より、「基本計画」策定の経緯とともに、現行の「基本計画」の構成(@基 本的な方針、A重点的に取り組むべき課題、B分野別施策の基本的方向、C推進体制等)、 分野別施策の内容(@啓発・広報、A生活支援、B生活環境、C教育・育成、D雇用・就 業、E保健・医療、F情報・コミュニケーション、G国際協力)について説明が行われま した。これをもとに「基本計画」の策定に向けた意見交換が行われました。 障害者基本計画に関する議論(主な意見) (1)現行の「基本計画」について(総論)   ○「基本計画」を策定するための素材として、推進会議の「第一次意見」や「第二次    意見」に加え、行政が実施する「行政評価」(自己評価)を加えてはどうか。   ○「基本計画」の年度ごとの見直しはどのように行われているのか。また、「基本計    画」の進捗状況と「障害者白書」との関係はどのようなものになっているのか。   ○「基本計画」には、「精神障害者施策の総合的な取組」が重点的に取り組むべき課    題として掲げられているが、10年経過しても、精神障害者施策は充実していないと    感じる。   ○これまでの「基本計画」は関係省庁間の調整が行われていないように思われる。項    目ごとに担当省庁がそれぞれ策定し、全体の調整が行われていない印象を受ける。   ○障害者権利条約の批准に向けた検討、障害者基本法の改正等、現行の「基本計画」    策定段階とは、大きく状況が異なるため、現行の「基本的な方針」については抜本    的に見直す必要があるのではないか。 (2)現行の「基本計画」について(各論)   ○「障害のない市民との平等」という視点を盛り込むべきである。   ○「災害対策」、「防災対策」については、東日本大震災を受け、現行の「基本計画」    ではどの点が不十分であったか等について、被災地の関係者にヒアリングを行って    はどうか。   ○「リハビリテーション」や「ノーマライゼーション」などの用語は、「医学モデル」    に偏っている印象を受ける。「社会モデル」の視点に立てば、「多様性の尊重」、    「インクルージョン」などを用いるべきではないか。   ○「インクルーシブ」の視点がない。また、「救済措置の整備」という表現はあるが、    「差別」に関する視点がない。   ○「生活支援」においては、サービスを利用していない人もいるため、「利用者本位」    ではなく、「本人中心」あるいは「当事者中心」とすべきである。   ○「重点施策実施5か年計画」の進捗状況をみると、「訪問系サービス」が伸びてい    ない(平成23年度目標値約522万時間、平成21年度実績約366万時間、計画開始前約    325万時間)。なぜ伸びていないのかを明らかにするとともに、重度の障害者が「訪    問系サービス」を活用して、どれくらい地域で暮らしているのかを明らかにする必    要がある。   ○ATMや駅の券売機等の「ユニバーサルデザイン」化が進んでいるが、盲ろう者に    とっては使いにくい設計になっている。「ユニバーサルデザイン」といっても、誰    もが使いやすいものにはなっていない。   ○駅のホームでの転落死が増えているので、「可動式ホームドア」の設置を盛り込ん    ではどうか。   ○「情報・コミュニケーション」については、全体にかかわることであるので、冒頭    あるいは総則の部分に定義を示すべきである。   ○「保健・医療」については、重度の身体障害者、重症心身障害児者等への対応につ    いて項目を盛り込むべきである。   ○「雇用・就業」の項目は「雇用」が中心となっている。自営業等を営む障害者も多    いので、「就業」の内容を盛り込む必要がある。 (3)「基本計画」の中に新たに盛り込むべき項目について   ○障害者基本法の改正で新たに盛り込まれた項目、例えば、「選挙等における配慮」    等は、新たな「基本計画」の中に盛り込むべきではないか。   ○「障害のある女性」、「ジェンダー」の項目を盛り込むべきである。   ○「障害児支援」の項目を盛り込むべきである。   ○東日本大震災で被災した障害者(特に原発避難者)に対する総合的な取り組みにつ    いて盛り込むべきである。   ○「意思決定支援」の視点も盛り込むべきである。その際、@情報・コミュニケーシ    ョン、A成年後見、B地域生活支援の中に盛り込むかどうか議論が必要である。   ○障害者基本法で改正された目的規定や定義については、「基本計画」においても見    直し内容を反映させるべきである。 (4)推進体制等について   ○「基本計画」において、数値目標をどのように設定し、どのように評価するか議論    が必要である。   ○「情報・コミュニケーション」の項目をどのように「基本計画」の中に落とし込む    かが重要である。定量的な評価は困難であるかもしれないが、定性的な評価ができ    るような計画にすべきである。   ○政策委員会が「基本計画」を策定する段階で、推進会議での議論の内容を反映して    ほしい。政策委員会の基本的なフレームについても推進会議で議論してはどうか。   ○「基本計画」の実行性を高めるには、政策委員会の下に専門委員会等を設置して、    進捗状況を定期的に報告させること等が考えられる。   ○「国民生活基礎調査」や「国勢調査」の設問の中に、「障害の有無」を質問する設    問を設けることはできないか。また、支給決定を受けた障害者の状態やサービス利    用状況をデータベース化できないか。 今後のスケジュールについて  今後のスケジュールに関して、構成員から、推進会議において「精神医療」について議 論する場を設けてほしいとの意見が出されました。  東担当室長からは、「精神医療だけでなく、雇用・就労、教育に関しても議論の場を設 けてほしいとの要望があるが、今年度推進会議を開催できる機会は限られている。今後、 政策委員会が設置されれば、そこで議論することにもなるので、政策委員会の設置までに 議論した方がよいのか、設置を待った上で議論した方がよいのか調整中である」との回答 がありました。 [内閣府] 第36回障がい者制度改革推進会議 資料 http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/s_kaigi/k_36/index.html 第36回障がい者制度改革推進会議 動画配信 http://wwwc.cao.go.jp/lib_003/video/suishin44.html 4.厚生労働省「平成23年度厚生労働省第三次補正予算(案)」が公表される  平成23年10月21日、政府は、東日本大震災の復興対策を盛り込んだ「平成23年度第三次 補正予算(案)」(予算規模:12兆1,025億円)を閣議決定しました。  厚生労働省第三次補正予算(案)では、@東日本大震災に係る復興支援、A復興・円高 対応のための雇用対策の2つを大きな柱とし、6,534億円が盛り込まれています。  障害福祉関連では、@居宅介護事業所等の事業再開に向けた施設整備、A障害福祉サー ビス復興支援拠点(仮称)の整備等を盛り込んだ「障害福祉サービスの再構築」に20億円 が計上されています(障害者自立支援対策臨時特例基金の積み増し(被災3県))。  その他、「今後の災害の備え」として、災害時に避難することが困難な方が多く入所す る施設の安全確保のため、耐震化整備に対して財政支援を行う「社会福祉施設等の防災対 策の推進」に27億円が計上されています(社会福祉施設等耐震化等臨時特例基金の積み増 し(全国))。 障害者自立支援対策臨時特例交付金による特別対策事業 東日本大震災に係る障害福祉サービス等の復興を図る措置 1.被災地における居宅介護事業所等の再開支援事業 (1)事業の目的   東日本大震災により被災した居宅介護支援事業所、相談支援事業所、小規模作業所の  災害復旧を図ることを目的とする。 (2)事業の内容   被災した居宅介護支援事業所等について、事業再開に向けた施設整備を行う場合、そ  の整備に係る費用について助成を行う。  実施主体  岩手県、宮城県、福島県  対象施設  居宅介護支援事業所、相談支援事業所、小規模作業所        (これらの賃貸物件の改修、仮設事業所を含む。)  補助単価  居宅介護事業所  3,000千円        相談支援事業所  4,500千円        小規模作業所   6,500千円 (3)補助割合 国2/3(県1/6、事業者1/6) (4)実施年度 平成23年度〜平成24年度 2.被災地における障害福祉サービス基盤整備事業 (1)事業の目的   甚大な被害を受けた被災地の事業所が、復興期において安定した運営ができるようにす  るため、被災障害保健福祉圏域ごとに「障害福祉サービス復興支援拠点(仮称)」を設置  し、新体系サービス移行(障害児施設を含む。)への支援や就労支援事業所の活動支援等  を行うことにより、被災地における障害児・者に対する福祉サービスが円滑に提供できる  体制整備を図ることを目的とする。 (2)事業の内容  実施主体  岩手県、宮城県、福島県(圏域内の中核となる社会福祉法人等に委託して        実施することができる。)  事業の内容 「障害福祉サービス復興支援拠点(仮称)」に、以下の@からBを担うコ        ーディネーターを配置するとともに、支援の必要なC〜Hに掲げる事業所        等に支援アドバイザーを派遣し、以下の事業が円滑に進むよう支援する。  〔全事業共通事項〕   @圏域内事業所の運営状況等の把握、事業所からの相談の受付   A圏域内のサービスニーズの把握   Bアドバイザーの派遣プログラムの作成  〔個別事業の内容〕   C障害者自立支援法による新体系サービスへの移行支援   D児童福祉法による新体系サービスへの移行支援   E自立支援法改正による基幹相談支援センター立ち上げのための支援   F発達障害児・者のニーズを踏まえた障害福祉サービス等の利用支援   G障害者就労支援事業所の活動支援   Hその他障害福祉サービス等の利用促進に資する事業 (3)補助単価 1障害保健福祉圏域あたり57,960千円 (4)補助割合 定 額(10/10) (5)実施年度 平成23年度〜平成24年度 [厚生労働省] 平成23年度厚生労働省第三次補正予算案の概要 http://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/11hosei/h23_yosan_gaiyou.html [財務省] 平成23年度補正予算(第3号) http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2011/hosei231021.htm 5.厚生労働省「第2回厚生労働省社会保障改革推進本部」が開催される  平成23年10月25日、「第2回厚生労働省社会保障改革推進本部」が開催され、社会保障 改革各分野の検討状況について報告が行われました。  障害者施策では、「総合的な障害者施策の充実」が主な検討項目として掲げられており、 平成23年8月30日に「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言(骨格提言)」 がとりまとめられたこととともに、今後の日程として、民主党厚生労働部門障がい者ワー キングチーム(座長:中根 康浩 衆議院議員)にて、厚生労働省や関係団体からヒアリン グが実施される予定であることが報告されました。 [厚生労働省] 第2回厚生労働省社会保障改革推進本部 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001szvt.html 6.内閣府「第13回地域主権戦略会議」が開催される  平成23年10月20日、「第13回地域主権戦略会議」が開催され、@出先機関改革、A補助 金等の一括交付金化について検討が行われました。  補助金等の一括交付金化については、「地域主権戦略大綱」(平成22年6月22日閣議決 定)、「平成23年度予算編成の基本方針」(平成22年12月16日閣議決定)等に基づき、地 域自主戦略交付金の拡充に向け、「平成24年度における一括交付金の拡充方針(案)」が 示されました。  この中で、「経常に係る補助金・交付金」等については、その多くが「社会保障・義務 教育関係」であり、かつ全国画一的な保険・現金給付に対するものや地方の自由裁量拡大 に寄与しない義務的な負担金・補助金等がかなりの部分を占めており、また、地方団体か らは「全国画一的なもの、特定の地域に関するもの、地方の自由裁量の拡大に寄与しない 義務的な経費は対象としないこと」等の意見があることから、大綱における整理方針をも とに、対象となりうる事業を更に精査していくこととされています。  また、平成24年度概算要求における地方向け補助金等に関しては、厚生労働省によって、 「社会福祉施設等施設整備費補助金」は一括交付金の「対象(特定)」(期限を設定した 上で、期限到来時に「廃止」又は「一括交付金化」を判断する補助金等)、「地域生活支 援事業費補助金」、「障害者自立支援給付費負担金」等は一括交付金の「対象外」と判断 されています。今後、一括交付金の「対象」「対象外」の判断については、一括交付金の 制度設計について地域主権戦略会議を中心に関係府省と共に検討する中で決定するものと されています。 [内閣府] 第13回地域主権戦略会議 http://www.cao.go.jp/chiiki-shuken/kaigi/kaigikaisai/kaigidai13/kaigi13gijishidai.html 7.国立社会保障・人口問題研究所「平成21年度社会保障給付費」が公表される  平成23年10月28日、国立社会保障・人口問題研究所は、「平成21年度社会保障給付費」 を公表しました。  平成21年度の社会保障給付費の総額は99兆8,507億円で、対前年度増加額は5兆7,659億円、 伸び率は6.1%となっています。また、社会保障給付費の対国民所得比は29.44%となって おり、前年度に比べて2.70%ポイント増加しています。国民1人当たりの社会保障給付費 は78万3,100円で、対前年度伸び率は6.3%となっています。  部門別社会保障給付費をみると、「医療」が30兆8,447億円(30.9%)、「年金」が51兆 7,246億円(51.8%)、「福祉その他」が17兆2,814億円(17.3%)となっています。  機能別社会保障給付費をみると、「高齢」が全体の44.9%、「保健医療」が30.3%、「遺 族」が6.7%、「家族」が3.3%、「障害」が3.2%、「生活保護その他」が2.7%、「失業」が 2.5%、「労働災害」が0.9%、住宅が0.4%となっています。 (参考)機能別社会保障給付費 「障害」…厚生年金(障害年金及び一時金)、国民年金(障害年金)、各種共済組合(障      害年金及び一時金)、公衆衛生(予防接種事故救済給付)、社会福祉(特別障      害者手当、障害者自立支援給付費等) [国立社会保障・人口問題研究所] 社会保障給付費(平成21年度) http://www.ipss.go.jp/ss-cost/j/kyuhuhi-h21/kyuuhu_h21.asp 8.厚生労働省「障害福祉サービス等の利用状況について(平成23年7月サービス提供分)」   が公表される  平成23年10月31日、厚生労働省は、国保連合会からの支払い実績データをもとに、障害 福祉サービス等の利用者数、1人当たりの費用額、利用者負担額等の状況等を抽出・集計 した「障害福祉サービス等の利用状況」を公表しました。  平成23年7月サービス提供分の状況は、利用者数(実数)が61.9万人(+0.6万人)、総 費用額が11,042.6億円(▲7.2億円)、利用者負担額が3.9億円(▲0.1億円)、負担率(利 用者負担額/総費用額)が0.37%(▲0.01%)、1人当たりの費用額が16.8万円(▲0.3万 円)となっています(※( )内は前月比増減)。  また、サービス種類毎の利用者数は、平成23年7月サービス提供分において、生活介護 が177,534人(+1,136人)、短期入所が31,334人(+1,809人)、施設入所支援92,542人( +668人)となっています。 [厚生労働省] 障害福祉サービス等の利用状況について(平成23年7月サービス提供分) http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/toukei/dl/01.pdf U.全社協の活動状況 1.全社協「障害者自立支援法のサービス利用説明パンフレット(平成23年10月改訂版)」   のご案内  全国社会福祉協議会では、障害者自立支援法の全体像をコンパクトに紹介したパンフレ ットを刊行してきました。  平成23年10月から実施されている「同行援護」や「グループホーム・ケアホームの家賃 補助」等の創設に伴い、「障害者自立支援法のサービス利用説明パンフレット(平成23年 10月改訂版)」を作成し、内容をリニューアルしましたので、ご案内いたします。  下記全社協ホームページにて、PDF版、Word版をダウンロードすることができま すので、利用者や家族等、あるいは新任職員や実習生等への障害者自立支援法の説明等に ぜひご活用ください。  なお、印刷物(視覚障害の方のためのSPコード付)につきましては、全社協出版部に て販売しております。  ◎ 障害者自立支援法のサービス利用説明パンフレット(平成23年10月改訂版)   出版社:全国社会福祉協議会出版部   サイズ:A4判 20頁   価 格:100円(本体95円)       ※ 10冊以上からの販売になります [全社協] 障害者自立支援法のサービス利用説明パンフレット(平成23年10月改訂版) http://www.shakyo.or.jp//business/pamphlet_h2310.html [福祉の本出版目録] 障害者自立支援法のサービス利用説明パンフレット(平成23年10月改訂版) http://www.fukushinohon.gr.jp/esp.cgi?_file=book1501&_page=_index&_page2=contents&_page3=detailbook&_sys_id=1501&_class=030401 2.全社協「平成23年4月の日常生活自立支援事業の実施状況」が公表される  平成23年11月1日、「平成23年4月 日常生活自立支援事業実施状況」の結果が公表され ました。  平成23年4月の日常生活自立支援事業の「問合せ・相談件数」は95,024件、その内、「知 的障害者等」は18,765件(19.7%)、「精神障害者等」は25,712件(27.1%)となってい ます。  「新規契約締結件数」は915件、その内、「知的障害者等」は132件(14.4%)、「精神 障害者等」は161件(17.6%)となっています。  平成23年4月での「契約件数」は35,327件、その内、「知的障害者等」は7,076件(20.0 %)、「精神障害者等」は7,493件(21.2%)となっています。 [地域福祉・ボランティア 情報ネットワーク] 日常生活自立支援事業4月の実施状況 http://www3.shakyo.or.jp/cdvc/data/tmpfiles/h23.4.xls V.今後の各種会議等の予定 11月  11月17日 厚生労働省「第3回障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」  11月18日 厚生労働省「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム(第3R)       「保護者制度・入院制度の検討」に係る第8回作業チーム」