障害福祉関係ニュース 平成23年度 8号(障害福祉制度・施策関連情報) 平成23年度/8号(通算269号)平成23年9月12日発行 発行:全国社会福祉協議会 高年・障害福祉部 〒100-8980 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル内 TEL:03-3581-6502 FAX:03-3581-2428 e-mail:z-shogai@shakyo.or.jp ◇◆◇今号の掲載内容◇◆◇ T.障害福祉制度関連情報  1.厚生労働省「第18回障がい者制度改革推進会議 総合福祉部会」が開催される(p2)  2.厚生労働省「障害福祉サービス・障害児施設支援の利用者負担認定の手引き」の改    訂案が示される(p12)  3.内閣府「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律    の整備に関する法律」が成立する(p13)  4.厚生労働省「東日本大震災に関する介護給付費等に係る8月サービス提供分以降の    請求等の取扱い(概算請求の原則終了等)」が発出される(p14)  5.厚生労働省「障害福祉サービス等の利用状況について(平成23年5月サービス提供    分)」が公表される(p14)  6.文部科学省「スポーツ基本法」が施行される(p15) U.研修会・セミナー、助成団体等関連情報  1.損保ジャパン記念財団「平成23年社会福祉助成(自動車購入費)」のご案内(p15)  2.全社協・新刊図書『社会福祉法人新会計基準〔Q&A・資料〕』のご案内(p16) V.今後の各種会議等の予定(9月)(p16) T.障害福祉制度関連情報 1.厚生労働省「第18回障がい者制度改革推進会議 総合福祉部会」が開催される  平成23年8月30日、「第18回障がい者制度改革推進会議 総合福祉部会」が開催され、「障 害者総合福祉法骨格提言」のとりまとめに向けた最終的な議論が行われました。  今回の総合福祉部会では、前回(8月9日開催)の議論の内容や、構成員から追加で提 出された修正意見等を踏まえ、骨格提言の最終案が示されました。  最終案では、@「利用者負担」について、素案段階で「無償」とされていたものが、「原 則無償」(ただし、高額な収入のある者には、収入に応じた負担を求める)とされたこと、 A「施設入所支援」を「障害者総合福祉法のおける支援体系」の中のメニューとして明確 に位置付けたこと(ただし、地域基盤整備10か年戦略終了時にその位置付けについて検証 を行うこと)、B「介護保険との関係」について、障害者総合福祉法と介護保険は別個の 法体系として制度設計されるべきと明記されたことなどの修正が行われました。  また、提言の目次については、法律の章立てとなるように素案から一部順番の入れ替え が行われています。  なお、「V.関連する他の法律や分野との関係」(1.医療、2.障害児、3.労働と 雇用、4.その他)の中で示されている内容は、障害者総合福祉法の中に直接反映するの ではなく、今後、障がい者制度改革推進会議において引き続き議論を行っていく余地があ るものとして示されています。 障害者総合福祉法骨格提言の最終案に関する報告と議論  部会三役より、「障害者総合福祉法骨格提言の最終案」が報告され、これに基づき、構 成員による意見交換が行われました。 <構成員からの主な意見> (○=構成員からの意見  ⇒ 部会三役及び座長からの回答) (1)「目次、はじめに」   ○わが国の財政状況に関する認識については、p96に記載のとおりでよいと思われるが、    特別会計や保険料等の財源もあまり期待できないので、税財源に踏みこまなくては    ならないと考える。個別給付というよりも社会の仕組みを変えるということで、国    民全体で租税も使い負担することの必要性を記載した方がよいのではないか。   ⇒必要予算の試算ができていない中で増税までは記載できなかった。   ○増税しかないという考え方は反対。OECDの目標を示していることは賛成。   ○財源については、別の場を設けてきちんと議論してほしい。   ⇒今回の報告書における財源の表記については、現在のものとしたい。 (2)「T−1 法の理念・目的・範囲」   ○p13の「地域で自立した生活を営む基本的権利」において、自ら選択する言語に「手    話など」としか記載されていないが、「文字盤」を加えてほしい。   ⇒文字盤は言語ではなく、表現方法として整理している。コミュニケーション手段で    整理しているが、表現上は、「自ら選択する」という言葉が、「自ら選択する言語    (手話など非音声言語を含む)」と「コミュニケーション手段」の両方にかかって    いることが分かるように表現を工夫したい。   ○p13の「地域で自立した生活を営む権利」には、所得の確保が必要と考えるが、骨格    提言にはそのことが記載されていないように感じる。   ⇒所得保障は、障害者総合福祉法の範囲を超える部分なので、直接は記載していない。    P122で賃金補填や所得保障との関係を書いている程度にとどめている。 (3)「T−3 選択と決定・支給決定」   ○p24の「支給決定の仕組み」で、「自ら申請できない場合」についての記載が漏れて    いるので記載が必要である。   ⇒申請が難しい人については、相談支援および権利擁護の部分にも記載した。また、    身体障害者福祉法等の中で措置制度を残しているので、そこでカバーすることにな    る。長期的な課題としては、手帳制度などを含めた検討が必要である。   ○報告書全体を通して、都道府県の扱いが非常に薄い。p27の「支援ガイドライン」で    は、「国及び市町村」となっており、都道府県の扱いが示されていない。また、「圏    域」の定義が曖昧である。   ⇒都道府県もガイドラインの質の向上を目指していく必要があると考える。また、都    道府県が圏域を設定するものと考えている。   ○p29の「合議機関の役割」において、障害者が希望する場合には意見陳述の機会が与    えられることが追加されたが、表現が弱い。   ○「協議調整方式」とは何かを十分議論することができなかった。「合議機関」の位    置付けが明確ではない。   ⇒合議機関については十分検討されていない。市町村や都道府県の意見を聞いた上で、    さらにモデル事業の実施等を通じて検討していくこととしたい。   ○市町村の立場からすると、最終案で示されている「支給決定」の仕組みには不安を    感じる。全国共通の基準を示していただきたい。   ○「支給決定」の仕組みや「ガイドライン」の中にも就労支援に関わる内容を盛り込    むべきである。 (4)「T−4 支援(サービス)体系」   ○p36の「デイアクティビティセンター」の説明文は、障害者自立支援法でのサービス    メニューを寄せ集めたイメージがある。障害者自立支援法のサービスとは切り離し    て、「デイアクティビティセンターを創設する」という表現にしてはどうか。   ⇒デイアクティビティセンターは、多様な社会参加活動を展開する場としたが、誤解    を招く表現ともいえる。これまで利用していたサービスが利用できなくなることが    ないような表現としたい。また、主体的に社会参加活動をする場と明示したい。   ○p34の表現において、「労働施策に統合する」という表現を削除した際に、結果的に    一般就労への移行を支援する部分が合わせて削除されている。   ○p36の「個別給付の利点を生かして」という表現は、給付体系との整理が必要なため、    削除したほうがよいと考える。「個別給付」とあるが、どこにも「国庫負担金」の    ことが書かれていないことには不安を感じる。   ⇒支援体系の財政の仕組みついては、p32に総括的に示している。「全国共通の仕組み    で提供される支援」は、国・都道府県・市町村が負担する負担金、「地域の実情に    応じて提供される支援」は裁量的経費として整理している。 (5)「1−7 利用者負担」   ○p59の「利用者負担」では、「C社会生活・活動を送るための支援(アクセス・移動    支援)」は原則無償とされているが、p62の「Aガイドヘルパーの交通費」について    は、「サービスにかかる経費として公的に支出するか、運賃割引制度の見直しなど    が検討されるべきである」と書かれてあるのは矛盾している。    また、支援者の交通費や入場料は、交通機関等事業者が負担すべきで、公的支出と    すべきではない。公的支出とすると、請求において利用した交通機関の詳細な記録    やどこで誰と会ったかなどの記録まで求められる場合があり、移動支援の抑制や重    大な人権侵害になりかねない。   ⇒ガイドヘルパーの交通費について、公的支出のほか、事業者負担も含めて選択肢の    幅を広げるよう修正したが、一部修正が漏れていた。P61を「本人負担としない」と    いう表現に修正したい。なお、公的支出か事業者負担かという点については、ご指    摘の点も踏まえ、今後さらに検討が必要であると考える。 (6)「T−8 相談支援」   ○p64の「相談支援の対象」に、「その可能性がある者」とあるが、これは対象の範囲    が不明確となり、また障害の原因の予防の問題や人権の問題にもつながる危険性が    あるので、削除すべきである。   ⇒例えば、相談支援の最初の段階で、機能障害の証明により相談支援を開始するとい    うことではなく、可能性のある人を対象とするという趣旨であるが、ご指摘のよう    な危惧があるようでは検討する必要がある。   ○幅広く、誰にでも相談できる仕組みは必要であると考える。   ○p64の「相談支援」の「包括的支援」という表現は、地域包括支援センターを連想さ    せるので、削除すべき。 (7)「T−10 報酬と人材確保」   ○事業者が撤退している地域もあるので、新規参入を促進するために、「地域の報酬    の上乗せの仕組み」を追加していただきたい。また、人材育成等において、「都道    府県が市町村を支える仕組み」を追加していただきたい。   ⇒議論していない点であるので、今回の提言には反映しない。 (8)「U−3 障害者総合福祉法の円滑な実施」   ○p90に「入所施設を閉鎖して地域生活を支援する先駆的な事業所への支援」とあるが、    「閉鎖」という文言は、言葉だけが独り歩きするおそれがあり、現に生活している    人に不安を与えかねないので、「事業転換」という表現に修正していただきたい。   ⇒誤解のないように表現を修正したい。 (9)「V−1 医療」   ○p108の「保護者制度」について、「扶養義務者等に代わる公的制度の確立を検討す    べきである」とされているが、これを医療保護入院で現在保護者が果たしている役    割を公的機関が担うと解釈すると、公的機関は防衛的になるので、社会的入院がま    すます増えると危惧される。   ○この結論には両面あり、保護者が重責を負うことのないようにすることと、退院す    る場合に行政が確認するようにすることであるが、指摘されたような危惧がないわ    けでなない。行政が予防的に入院させるようなことがないように検討する必要があ    る。   ○公的制度のなかに権利擁護をしっかり入れるべく、現在厚生労働省の検討チームの    中で検討しているので、この点は盛り込んでいただきたい。   ○p104の「入院中の精神障害者の権利擁護」の中に盛り込めばよいのではないか。オ    ンブズパーソン制度等の必要性が明記されているが、オンブズパーソン制度だけで    は個別救済はできない。 (10)「V−2 障害児」   ○p113の「通所による支援」のところで、一元化を目指す旨の表記が削除されている。    つなぎ法でも一元化は大きな流れであり、削除したのはなぜか。   ⇒すでに法制化されており、一元化を前提とした内容になっているので、「一元化」    についての文言は入れない。 今後のスケジュールについて  最後に、佐藤部会長より「今回、一部修正箇所があるが、構成員全員の合意でまとめる ことができた」と感謝の意が表され、構成員からは拍手が起こりました。また、合本版の 補足意見の表記の統一については、ホームページに掲載し直すことが報告されました。  東担当室長からは、今後のスケジュールについて、総合福祉法の法案作成段階でフォロー アップのような会議を開催したいという旨の報告がありました。  構成員からは、@総合福祉部会は今回で終了するのではなく、継続的に法案をフォロー アップしていく仕組みを設けていただきたい、A総合福祉部会がとりまとめた骨格提言の 内容を推進会議にしっかり伝えていただきたい等の意見が出されました。  次回の「障がい者制度改革推進会議」は9月26日に開催され、骨格提言の内容が報告さ れる予定です。 [厚生労働省] 第18回障がい者制度改革推進会議 総合福祉部会 資料 http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/sougoufukusi/2011/08/0830-1.html 第18回障がい者制度改革推進会議 総合福祉部会 動画配信 http://www.youtube.com/watch?v=u1eUORcIWFY 障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言 http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/sougoufukusi/dl/110905.pdf 「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言-新法の制定を目指して‐」の概要 全社協高年・障害福祉部整理 はじめに  ○骨格提言の基礎となった指針=「障害者権利条約」「(障害者自立支援法訴訟原告と   厚労省による)基本合意文書」  ○めざすべき6つのポイント   @障害のない市民との平等と公平、A谷間や空白の解消、B格差の是正、C放置でき   ない社会問題(社会的入院、長期施設入所等)の解決、D本人のニーズにあった支援   サービス、E安定した予算の確保(OECD加盟国における平均の確保=約2兆2千   億円)  ○改革への新しい第一歩(改革の完成には時間を要する課題あり) T 障害者総合福祉法の骨格提言(以下、障害者総合福祉法は新法) T−1 法の理念・目的・範囲  ○法の目的=以下の内容を盛り込むべき   ・全ての障害者が等しく基本的人権を享有する個人として尊重され、他の者との平等    が保障される   ・どこで誰と生活するかについての選択の機会の保障   ・国および地方公共団体が障害に基づく社会的不利益を解消すべき責務、障害者の自    立及び社会参加に必要な支援の施策を定め実施すべき義務を負っている   ・全ての国民が、障害の有無によって分け隔てなく、相互に人格と個性を尊重しあい    ながら共生する社会を実現  ○法の理念=以下の理念規定を盛り込むべき   ・保護の対象から権利の主体への転換を確認する旨の規定   ・医学モデルから社会モデルへの障害概念の転換を確認する旨の規定  ○地域で自立した生活を営む基本的権利  ○国の義務=国の義務として以下の規定を設けるべき   ・障害の有無、種別、軽重等に関わらず障害者がどの地域に居住しても安心して生活    できる権利を保障する義務   ・障害種別や程度による制度の谷間や空白及び制度上の格差が生じない制度設計を行    う責務   ・地域間による支援の格差の防止や解消する制度設計の責務と、市町村へのそのため    の財政的措置   ・都道府県とともに、市町村の支援施策の実態把握と国民による監視による法の推進    の責務  ○都道府県の義務=都道府県の義務として以下の規定を設けるべき   ・市町村の支援施策の実態把握と都道府県民による監視による法の推進の責務   ・市町村の支援施策に対して必要な財政的補助を行う   ・市町村の支給決定に対する不服申し立てを受理し、新法の基本的権利に基づいて審    査する  ○市町村の義務=市町村の義務として以下の規定を設けるべき   ・新法の基本的権利に基づいて、必要な支援施策を総合的かつ計画的に実施する   ・サービス利用計画等を勘案し必要な支援施策を提供する  ○基盤整備義務   ・国および地方公共団体は、支援を実施する事業者が地域に偏在しないよう事業者へ    の財政援助、育成を含めた基盤整備義務を有する  ○国民の義務   ・すべての国民は、その障害の有無にかかわらず、相互にその人格と個性を尊重しあ    いながら共生できる社会の実現に協力する  ○介護保険との関係   ・新法は介護保険法とは法の目的や性格を異にするもので、それぞれが別個の法体系    として制度設計されるべきである   ・介護保険の優先適用は行わず、従来受けていた支援を継続して受けることができる    ものとする T−2 障害(者)の範囲  ○法の対象規定   ・新法が対象とする障害者(児)は、障害者基本法第二条第一項に規定する障害者を    いい、心身の機能障害には慢性疾患に伴う機能障害を含む。 T−3 選択と決定(支給決定)  ○支給決定のあり方   ・支援を必要とする障害者本人(及び家族)の意向やその人が望む暮らし方を最大限尊    重する   ・他の者との平等を基礎として、当該個人の個別事情に即した必要十分な支給量が保    障される   ・支援ガイドラインは一定程度の標準化が図られ、透明性がある  ○支給決定のしくみ   ・新法上の支援を求める者(法定代理人も含む)は、本人が求める支援に関するサービ    ス利用計画を策定し、市町村に申請を行う   ・市町村は、支援を求める者に「障害」があることを確認する   ・市町村は、本人が策定したサービス利用計画について、市町村の支援ガイドライン    に基づき、ニーズアセスメントを行う   ・本人又は市町村により、申請の内容が支援ガイドラインの水準に適合しないと判断    した場合には、市町村が本人(支援者を含む)と協議調整を行い、その内容にしたがっ    て、支給決定をする。   ・協議調整が整わない場合、市町村(または圏域)に設置された第三者機関としての合    議機関において検討し、市町村は、その結果を受けて支給決定を行う   ・市町村の支給決定に不服がある場合、申請をした者は都道府県等に不服申立てがで    きる    ※支給決定について試行事業を実施し、その検証結果を踏まえ、導入をはかるもの     とする。 T−4 支援(サービス体系) ※Microsoft Word 版の障害福祉関係ニュースをご覧下さい。 ※素案からの見え消し 支援体系を機能させるために必要な事項  1.医療的ケアの拡充、  2.日中活動の場等における定員の緩和等、  3.日中活動の場への通所保障、  4.グループホームでの生活を支える仕組み、  5.グループホーム等、暮らしの場の設置促進、  6.一般住宅やグループホームへの家賃補助、  7.他分野との役割分担・財源調整 施設入所支援  ・施設入所支援については、短期入所、レスパイトを含むセーフティネットとしての機   能の明確化を図るとともに、利用者の生活の質を確保するものとする  ・国は、地域移行の促進を図りつつ、施設における支援にかかる給付を行うものとする  ・国及び地方公共団体は、施設入所者の地域生活への移行を可能にするための地域資源   整備の計画を策定し、地域生活のための社会資源の拡充を推進する  ・施設は入所者に対して、地域移行を目標とする個別支援計画を策定することを基本と   し、並行して入所者の生活環境の質的向上を進めつつ、意向に沿った支援を行う。ま   た、相談支援機関と連携し、利用者の意向把握と自己決定(支援付き自己決定も含む)   が尊重されるようにする  ・施設入所支援については、施設入所に至るプロセスの検証を行いつつ、地域基盤整備   10カ年戦略終了時に、その位置づけなどについて検証するものとする T−5 地域移行  ○地域移行の法定化   ・「地域移行」とは、住まいを施設や病院から、単に元の家庭に戻すことではなく、    障害者個々人が市民として、自ら選んだ住まいで安心して、自分らしい暮らしを実    現することを意味する   ・国が、社会的入院、社会的入所を早急に解消するために「地域移行」を促進するこ    とを法に明記する   ・国は、重点的な予算配分措置を伴った政策として、地域移行プログラムと地域定着    支援を法定施策として策定し実施する T−6 地域生活の資源整備  ○「地域基盤整備10カ年戦略」(仮称)策定の法定化   ・国は、障害者総合福祉法において、障害者が地域生活を営む上で必要な社会資源を    計画的に整備するため本法が実施される時点を起点として、前半期計画と後半期計    画からなる「地域基盤整備10ヵ年戦略」(仮称)を策定するものとする T−7 利用者負担  ・他の者との平等の観点から、食材費や光熱水費等の誰もが支払う費用は負担をすべき   であるが、障害に伴う必要な支援は、原則無償とすべきである   ただし、高額な収入のある者には、収入に応じた負担を求める。その際、認定する収   入は、成人の場合は障害者本人の収入、未成年の障害者の場合は世帯主の収入とする T−8 相談支援  ○相談支援   ・相談支援は、福祉制度を利用する際の相談のみでなく、障害、疾病等の理由があっ    て生活のしづらさ、困難を抱えている人びとに、福祉・医療サービス利用の如何に    かかわらず幅広く対応するものとする   ○相談支援機関の設置と果たすべき機能   ・人口規模による一定の圏域ごとに、地域相談支援センター、総合相談支援センター    の配置を基本とし、エンパワメント支援事業を含む複合的な相談支援体制を整備す    る  ○本人をエンパワメントするシステム   ・国は、障害者本人によるピアサポート体制をエンパワメント事業として整備する。    身近な地域(市町村、広域圏、人口5万人から30万人)に最低1か所以上の割合で地域    におけるエンパワメント支援を行える体制の整備を行うものとする T−9 権利擁護  ○サービスの希望者及び利用者の権利擁護制度   ・権利擁護は、サービスを希望する、または利用する障害者の申請から相談支援、支    給決定、サービス利用、不服申立のすべてにわたるプロセスに対応する  ○第三者の訪問による権利擁護(オンブズパーソン)制度   ・国は、都道府県ないし政令指定都市単位で、障害者のそれぞれの生活領域(居宅、グ    ループホーム、入所施設等における生活、日中活動や就労の場等)や場面(精神科病    院からの退院促進を含む地域移行)において、障害者の求めに応じ、障害者本人を含    む権利擁護サポーター等の第三者が訪問面会を行う権利擁護のための体制整備を行    うものとする T−10 報酬と人材確保  ○報酬における基本的方針と水準   ・報酬における基本的方針    ・支援の質の低下、現場を委縮させない報酬施策を実施する    ・わかりやすい報酬制度にする    ・利用者に不利益をもたらさない   ・報酬における水準は、採算線(レベル)を利用率80%程度で設定し、安定的な障害サー    ビスを提供するために、事業者が安定して事業経営し、従事者が安心して業務に専    念出来る事業の報酬水準とする   ・常勤換算方式を廃止する  ○報酬の支払い方式   ・報酬の支払い方式に関して、施設系支援にかかる場合と在宅系支援にかかる場合に    大別する   ・施設系支援にかかる報酬については、「利用者個別給付報酬」(利用者への個別支援    に関する費用)と「事業運営報酬」(人件費・固定経費・一般管理費)に大別する。前    者を原則日払いとし、後者を原則月払いとする   ・在宅系支援にかかる報酬については、時間割り報酬とする   ・すべての報酬体系において基本報酬だけで安定経営ができる報酬体系とする  ○福祉従事者の賃金における基本的方針と水準   ・障害者の安定した地域生活を支える人材を確保し、また、その人材が誇りと展望を    もって支援を継続できるようにするため、少なくとも年齢別賃金センサスに示され    た全国平均賃金以下にならないよう事業者が適切な水準の賃金を支払うこととする   ・そのためには、事業者が受け取る報酬の積算に当たっては、少なくとも上記水準の    賃金以下とならないような事業報酬体系を法的に構築すべきである  ○人材育成   ・人材の養成においては、現場体験を重視した研修システムが必要である。支援を提    供するうえで必要となる「資格」は支援の質の最低基準の保障と支援者の社会的評    価、モチベーション維持等のためのものであると位置づけるものとする   ・相談支援や権利擁護に必要な障害者の人材確保として、国はピアカウンセラーの養    成を積極的に支援するものとする U 障害者総合福祉法の制定と実施への道程 U−1 障害者自立支援法の事業体系への移行問題  ○障害者自立支援法に基づく事業への移行期限終了後も、一定の要件の下で、従前の運   営費の10割を保障するなどの支援策を継続する U−2 障害者総合福祉法の制定及び実施までに行うべき課題  ○市町村及び都道府県の意見   ・障害者総合福祉法の制定及び実施に当たっては、市町村及び都道府県の意見を踏ま    えること  ○利用者負担   ・応能負担でも低所得者には軽減策をとり、利用者負担を原則無償にする   ・障害者総合福祉法以前にも自立支援医療における低所得者の全額公費負担を実現す    る   ・障害福祉サービス、補装具、自立支援医療、地域生活支援事業、介護保険の利用者    負担を合算し過大な負担とならないようにする   ・所得区分の認定においては利用者本人を基本とし配偶者を含めないこと  ○地域での自立した暮らしのための支援の充実   ・障害程度区分に連動する国庫負担基準を支給決定量の上限としてはならないことに    ついて自治体に徹底させる。国庫基準を超える分の国から市町村への財政支援を行    う  ○福祉・介護人材処遇改善事業助成金   ・福祉・介護人材処遇改善事業助成金は基本報酬に組み込む U−3 障害者総合福祉法の円滑な実施  ○障害者総合福祉法を補完する基金事業   ・新法を円滑に推進し、その実効性を高めるために必要な事業であって、報酬体系に    組み込むことが困難なものについては新たに基金を創設し、基金事業として実施す    る  ○障害者総合福祉法の体系への移行を支援するための基金事業等   ・障害者自立支援法に基づく事業体系から新法に基づく支援体系への移行を円滑に推    進するために十分な経過措置期間を設けるとともに、利用者と事業者双方を支援す    る基金事業を設ける U−4 財政のあり方 (1)障害福祉予算   ○積算の根拠となるデータの把握    ・国は、従来の障害者の定義にとらわれずに、公的支援を必要とするとするすべての     障害者の実数、生活実態(世帯状況、就業状況、収入、障害に伴う支出等)、市区     町村ごとの障害関連の社会資源の実態を把握し、予算措置に必要な基礎データを     把握すべきである   ○財政についての基本的な視点    ・障害関連の財政規模については、OECD加盟国の平均値並みの水準を確保すること    ・財政における地域間格差の是正を図り、その調整の仕組みを設けること    ・財政設計にあたっては、一般施策での予算化を追求すること    ・障害者施策の推進と経済効果等の関連を客観的に推し量ること (2)支援ガイドラインに基づく協議調整による支給決定の実現可能性 (3)長時間介助等の地域生活支援のための財源措置   ○長時間介助等の地域生活支援のための財源措置    ・国は、長時間介助に必要な財源を確保する    ・地域移行者や地域生活をする重度者に関する支援サービスに関して、他の支援サー     ビスの場合における負担と支給決定のあり方とは、異なる仕組みを導入する    ・国は、地方自治体が、国庫負担基準を事実上のサービスの上限としない仕組みを     財源的に担保するとともに、地方公共団体の財源負担に対する十分な地方財政措     置を講じる V 関連する他の法律や分野との関係(医療、障害児、労働と雇用、その他)  ※障害者総合福祉法の中に直接反映するのではなく、今後、障がい者制度改革推進会議   において引き続き議論を行っていく余地があるものとして示された(内容略) 2.厚生労働省「障害福祉サービス・障害児施設支援の利用者負担認定の手引き」の改訂   案が示される  平成23年10月1日より、「同行援護の個別給付化」及び「グループホーム・ケアホーム 利用の際の助成制度」が施行されることに伴い、平成23年8月12日付で厚生労働省は、「介 護給付費等に係る支給決定事務等について(事務処理要領)」、「障害福祉サービス・障 害児施設支援の利用者負担認定の手引き」等の改訂案を示しました。  「グループホーム・ケアホーム利用の際の助成制度」につきましては、グループホーム・ ケアホーム居住者の低所得者に係る家賃の実費負担を軽減するために、「補足給付」(特 定障害者特別給付費)として月額1万円(家賃額が1万円を下回る場合は、当該家賃の額) が支給されます(施設入所者の場合、補足給付は「日額」として支給されますが、グルー プホーム・ケアホーム居住者の場合、補足給付は「月額」として支給されます)。  補足給付の対象者は、生活保護、低所得(低所得1・2)の者とされており、支給にあ たっては障害者の申請により市町村等が認定することになります。 障害福祉サービス・障害児施設支援の利用者負担認定の手引き(改訂案)【平成23年10月版】Ver.6 ※今後の政省令等の改正作業等により、内容の変更がありうる 3 補足給付の認定について <グループホーム・ケアホーム居住者の場合>  ○グループホーム・ケアホーム居住者の低所得者に係る家賃の実費負担を軽減するため   補足給付(特定障害者特別給付費)を支給する。  ○補足給付の額は、月1万円(家賃の額が1万円を下回る場合は、当該家賃の額)とす   る。 (1)【手続き等】  障害者の申請により市町村等が認定する。  このため、平成23年10月1日以前にグループホーム・ケアホームに居住している障害者  については、申請を出すように周知することが必要。 (2)【補足給付の対象者】・・・生活保護、低所得(低所得1・2)の者 (3)【添付書類等】   @利用者(配偶者がいる場合は、配偶者を含む。)の市町村民税の課税状況等が分か    る資料    ・市町村の証明書(市町村民税の課税・非課税の状況)    ・生活保護世帯であれば、福祉事務所の証明書等     ※所得区分の設定の添付書類で足りる場合はそれにより確認   Aグループホーム・ケアホームに係る家賃の額の分かるもの    ・契約書、事業者の証明書等     ※申告の内容に虚偽の疑いがあると市町村が判断した場合等については、必要に      応じて調査を行うこととする。 (4)【具体的な認定方法】   ○原則として、負担上限月額の認定の申請と併せて行う。   ○補足給付の対象者であることの認定を行う。  市町村民税世帯非課税者又は生活保護受給者であることを確認する。   ○補足給付については、月額として額を確定する。    月額1万円として決定する。ただし、グループホーム・ケアホームに係る家賃の月    額が1万円を下回る場合は、当該家賃の額を補足給付の額として決定する。 3.内閣府「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の   整備に関する法律」が成立する  平成23年8月26日、「地域主権戦略大綱」(平成22年6月22日閣議決定)を踏まえ、@基 礎自治体への権限移譲、A義務付け・枠付けの見直しと条例制定権の拡大の改正を盛り込 んだ「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に 関する法律」(第2次一括法)が成立しました。  障害保健福祉分野では、@障害福祉サービス事業者の指定に関する基準のうち、申請者 の法人格の有無に係る基準等の見直し、A市町村障害福祉計画・都道府県障害福祉計画の 策定及びその手続きの見直し、B身体・知的障害者相談員への委託による相談対応・援助 等の改正が盛り込まれています。 [内閣府] 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する 法律 http://www.cao.go.jp/chiiki-shuken/110826.html 4.厚生労働省「東日本大震災に関する介護給付費等に係る8月サービス提供分以降の請 求等の取扱い(概算請求の原則終了等)」が発出される  平成23年8月22日、厚生労働省は、平成23年8月サービス提供分以降の介護給付費等の 請求等の取扱いを示した事務連絡「東日本大震災に関する介護給付費等及び障害児施設給 付費等に係る8月サービス提供分以降の請求等の取扱い(概算請求の原則終了等)につい て」を発出しました。  平成23年8月サービス提供分(9月請求分)以降の介護給付費等の請求については、被 災地における障害福祉サービス等の事業所の状況に鑑み、原則として、概算による請求を 行わないこととし、通常の方法による請求が引き続き困難な障害福祉サービス等の事業所 については、個別に国保連に相談する取扱いとなります。  平成23年8月サービス提供分(9月請求分)に係る請求明細書の提出期限は、通常どお り9月10日となります。  なお、請求明細書の提出後に、介護給付費等の請求に不足があったことが判明した場合 には、過誤調整及び再請求を行うことも可能とされています。 [厚生労働省] 東日本大震災に関する介護給付費等及び障害児施設給付費等に係る8月サービス提供分以 降の請求等の取扱い(概算請求の原則終了等)について http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001mnnj-att/2r9852000001mnp7.pdf 5.厚生労働省「障害福祉サービス等の利用状況について(平成23年5月サービス提供分)」   が公表される  平成23年8月31日、厚生労働省は、国保連合会からの支払い実績データをもとに、障害 福祉サービス等の利用者数、1人当たりの費用額、利用者負担額等の状況等を抽出・集計 した「障害福祉サービス等の利用状況」を公表しました。  平成23年5月サービス提供分の状況は、利用者数(実数)が60.6万人(+0.8万人)、総 費用額が1008.1億円(+10.5億円)、利用者負担額が3.7億円(+0.7億円)、負担率(利 用者負担額/総費用額)が0.37%(+0.01%)、1人当たりの費用額が16.6万円(▲0.1万 円)となっています(※( )内は前月比増減)。 [厚生労働省] 障害福祉サービス等の利用状況について(平成23年5月サービス提供分) http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/toukei/dl/01.pdf 6.文部科学省「スポーツ基本法」が施行される  第177回通常国会において「スポーツ基本法」が議員立法として成立し、平成23年6月24 日に公布されたところですが、「スポーツ基本法の施行期日を定める政令」により、平成 23年8月24日から施行されることになりました。  このスポーツ基本法には、新たなに障害者スポーツに関する規定が設けられており、障 害さのスポーツの推進を図ることとされています。  各地方公共団体及び関係機関は、法律の基本理念として、スポーツの推進の観点から障 害者に必要な配慮を行うこととされていることを踏まえ、障害者と健常者が共にスポーツ に親しむことのできる環境等の整備に努めることとされています。 [文部科学省] スポーツ基本法 http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/kihonhou/index.htm スポーツ基本法等の施行について(通知) http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/kihonhou/attach/1309800.htm U.研修会・セミナー、助成団体等関連情報 1.損保ジャパン記念財団「平成23年社会福祉助成(自動車購入費)」のご案内  損保ジャパン記念財団では、障害者の在宅福祉活動を行う団体を対象とした「自動車購 入費助成」を実施しています。  この度、平成23年度社会福祉助成「自動車購入費助成」の募集が開始されましたので、 ご案内いたします。本年度は、東日本大震災に関連し、主として避難所、仮設住宅などで 生活されている障害者を対象として活動する団体(任意団体を含む)も助成の対象になっ ております。 [対 象 者]@主として障害者の在宅福祉活動を行う団体       A東日本地区に所在する団体        (北海道・青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島・東京・神奈川・埼玉・        千葉・茨城・栃木・群馬・新潟・長野・山梨・富山・石川・福井・静岡・        愛知・岐阜・三重)       B特定非営利活動法人、社会福祉法人(主として小規模通所授産施設に限定)        の法人格を取得している団体、あるいは取得を目指している団体。または        東日本大震災に関連し、主として避難所、仮設住宅などで生活されている        障害者を対象として活動する団体(任意団体を含む)。 [助 成 金]1件100万円まで(総額1,200万円) [募集期間]平成23年9月15日(木)〜10月14日(金) [損保ジャパン記念財団] 平成23年度社会福祉助成・自動車購入費助成  http://www.sj-foundation.org/jyosei/jidousya.html 2.全社協・新刊図書『社会福祉法人新会計基準〔Q&A・資料〕』のご案内 『社会福祉法人新会計基準[Q&A・資料]』 渡部博 監修/渡部博・渡邉敬夫・酒井均・鈴木俊昭 共著 [出 版 社]全国社会福祉協議会出版部 [サ イ ズ]A4判 608頁 [発行年月]2011年9月5日発行 [価  格]1,260円(本体 1,200円) [主な内容]@新会計基準Q&A       A社会福祉法人の新会計基準について(厚生労働省作成)       B社会福祉法人会計基準の制定について       C社会福祉法人会計基準の運用上の取扱い等について       D社会福祉法人会計基準の運用上の取扱いについて(Q&A)       E社会福祉法人新会計基準(案)に関する意見募集手続き(パブリックコメ        ント)の結果について       F社会福祉法人新会計基準(基準・注解・運用指針 一覧形式) [ご注文先]全社協出版部受注センター       TEL 049-257-1080 / FAX 049-257-3111 [福祉の本 出版目録] 社会福祉法人新会計基準[Q&A・資料] http://www.fukushinohon.gr.jp/esp.cgi?_file=book2212&_page=_index&_page2=contents&_page3=detailbook&_sys_id=2212&_class=010104 W.今後の各種会議等の予定 9月  9月8日 厚生労働省「第21回新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」  9月9日 厚生労働省「第4回精神科救急医療体制に関する検討会」  9月12日 内閣府「第8回障がい者制度改革推進会議 差別禁止部会」  9月26日 内閣府「第35回障がい者制度改革推進会議」