月刊 障害福祉関係ニュース 臨時号(2)(障害福祉制度・施策関連情報) 平成22年度/臨時号(2)(通算261号)平成23年3月31日発行 発行:全国社会福祉協議会 高年・障害福祉部 〒100-8980 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル内 TEL:03-3581-6502 FAX:03-3581-2428 e-mail:z-shogai@shakyo.or.jp ◇◆◇今号の掲載内容◇◆◇ T.「東北地方太平洋沖地震」関連情報  1.厚生労働省「東北地方太平洋沖地震及び長野県北部の地震により被災した障害者等に    対する支給決定等について」が発出される  2.厚生労働省「東北地方太平洋沖地震の発生に伴う社会福祉施設等に対する介護職員    等の派遣に係るQ&A」等が発出される  3.東北地方太平洋沖地震において適用される「行政上の権利利益に係る満了日の延長    に関する措置」について  4.厚生労働省「東北地方太平洋沖地震等に伴う障害者(児)への相談支援の実施等につ    いて」が発出される  5.厚生労働省「要援護障害者等の避難所等への搬送について」が発出される  6.全社協社会福祉施設協議会連絡会「東北地方太平洋沖地震 被災地支援に係る緊急対    応時の取り扱いについて」要望書を提出  7.民主党「障がい者政策プロジェクトチーム・難病対策ワーキングチーム合同会議」    が開催される  東北地方太平洋沖地震が発生し、未曾有の被害が拡大しています。被災地の皆様に心か らお見舞い申しあげます。 T.「東北地方太平洋沖地震」関連情報 1.厚生労働省「東北地方太平洋沖地震及び長野県北部の地震により被災した障害者等に対   する支給決定等について」が発出される  平成23年3月24日、厚生労働省は、災害救助法の適用市町村において被災した障害者等 の支給決定等に関する取扱いや介護給付費等の取扱いに関するQ&Aを示した事務連絡「東 北地方太平洋沖地震及び長野県北部の地震により被災した障害者等に対する支給決定等に ついて」を発出しました。 1.障害福祉サービス等関係の支給決定等の取扱いについて (1)他の市町村に避難した被災障害者等に対する支給決定について   @避難先の市町村に居住地を有するに至った場合の支給決定     当該災害の被災により避難先の市町村の区域内に居住地を有するに至った被災障    害者等に係る介護給付費等の支給決定については、避難先の市町村において、現行    のとおり行うものとされています(補装具費の支給についても同様)。   A被災市町村等への支給決定の内容、障害程度区分等に関する確認     @の取扱いの際、被災市町村等において現に支給決定を受けている被災障害者等    に係る支給決定の内容、障害程度区分等については、避難先の市町村において当該    被災市町村等に確認することとされています。   B居住地が依然として被災市町村等にある場合の支給決定     一時的な避難の場合など居住地が依然として被災市町村等にあると認められる場    合における支給決定については、当該被災市町村等が行うものとされています。     なお、この場合において、市町村審査会を開催できない等の事情により、通常の    支給決定の手続をとることができないときは、既存の資料を活用するとともに、被    災障害者等に対する聞き取りなどの結果等を勘案して支給決定を行うものとされて    います(支給決定の変更をする場合も同様の取扱い)。   C障害程度区分の認定について     障害程度区分の認定の有効期間は、平成23年3月11日から同年8月30日までの間    に満了するものについて、特定被災区域内に居住地を有する者は、同年8月31日ま    で延長することとされています。     また、転出元市町村が障害程度区分認定証明書を発行することが困難な場合にお    いては、転入先市町村は、改めて認定調査及び市町村審査会における審査判定手続    きを経ることなく、被災障害者等からの聞き取りの結果等を勘案して、障害程度区    分を認定しても差し支えないものとされています。 (2)受給者証等の提示について     当該災害の被災により受給者証等を紛失し又は家屋に置いたまま避難している等    の事情があり受給者証等を提示することができない場合には、受給者証等を提示し    なくても指定障害福祉サービス等又は指定施設支援を受けることができるものとさ    れています。 (3)利用者負担の徴収猶予について     サービス事業者等においては、当該災害の被災により、障害福祉サービス、障害    児施設支援又は補装具に係る利用者負担を支払うことが困難な者について、利用者    負担の徴収を猶予することができるものとされています。 ◎対象者及び取扱いの期間 ※全社協高年・障害福祉部整理 対象者 以下のア及びイに該当し、利用者負担の支払が困難な被災障害者等 ア 当該災害発生時において、「利用者負担の徴収猶予の対象市町村」に居住地を有してい   た被災障害者等(被災障害者等が他の市町村に避難した場合を含む。) イ 当該災害の被災により@からBまでのいずれかに該当する旨の申し立てを行った被災障   害者等   @障害者自立支援法施行規則第32条各号、児童福祉法施行規則第25条の15各号又は別添    3「災害その他の特別の事業により補装具の購入又は修理に要する費用を負担するこ    とが困難となった補装具費支給対象障害者等に係る補装具費の取扱いについて」(平    成19年3月27日付け障発第0327004号)別添第2の1の(1)から(4)まで    のいずれかに該当すること。   A被災障害者等の属する世帯の生計を主として維持する者の行方が不明であること。   B「避難等指示対象地域」であるため避難又は退避を行ったこと。 取扱いの期間 当面、5月までの障害福祉サービス、障害児施設支援及び補装具に係る利用者負担につい て、5月末日までの支払を猶予 ただし、5月までのうち主たる生計維持者の行方が明らかとなるまでの間に限る。 ただし、5月までのうち当該指示が解除されるまでの間に限る。 2.介護給付費等の取扱いに関するQ&A (1)定員超過利用減算の適用について ※問1関連     東北地方太平洋沖地震及び長野県北部の地震による災害発生に伴い、生活介護、    短期入所、共同生活介護、施設入所支援、共同生活援助、旧法身体障害者更生援護    施設等において定員を超過して被災障害者等を受け入れた場合、定員超過利用減算    を適用しない取扱いが可能とされています。 (2)被災地に職員を派遣したことに伴う人員配置基準について ※問2関連     被災地に職員を派遣したことにより職員が一時的に不足し人員基準を満たすこと    ができなくなる場合については、減額措置を適用しないことが可能とされています。     なお、基準以上の人員配置をした場合に算定可能となる加算(人員配置体制加算    等)や、有資格者等を配置した上で規定の行為を実施した場合に算定可能となる加    算(福祉専門職員配置等加算等)についても、利用者の処遇に配慮した上で柔軟な    対応が可能とされています。 (3)職員がボランティアを行った場合や計画停電等により出勤が困難であった場合の人    員配置基準について ※問8関連     職員が、被災地で健康相談等のボランティアを行った場合や、計画停電の影響に    より出勤できなかったケースについては、減額措置を適用しない取扱いが可能とさ    れています。     なお、日中活動サービス事業所の看護職員については、不在の場合であっても、    他の医療機関や事業所等の看護職員と緊密な連携を図る等の対応を図るよう努める    こととされています。 [厚生労働省] 東北地方太平洋沖地震及び長野県北部の地震により被災した障害者等に対する支給決定等 について http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000015vli.html 2.厚生労働省「東北地方太平洋沖地震の発生に伴う社会福祉施設等に対する介護職員等   の派遣に係るQ&A」等が発出される  平成23年3月22日、厚生労働省は、社会福祉施設等に対する介護職員等の派遣に係るQ &A等を盛り込んだ事務連絡「東北地方太平洋沖地震の発生に伴う社会福祉施設等に対す る介護職員等の派遣及び要援護者の受入れについて」を発出しました。 (1)介護職員等の派遣及び要援護者の受入れに係る調整の流れ等について  介護職員等の派遣及び要援護者の受入れに関して、被災県(岩手県、宮城県、福島県) と被災県以外の自治体との調整については、当面の間、基本的には、被災県からの調整要 望を厚生労働省がとりまとめた上で、厚生労働省から被災県以外の自治体に連絡調整し、 その後、被災県と被災県以外の自治体との間で調整していくこととなります(なお、被災 県と被災県以外の自治体との間で、直接、連絡・調整を行う場合は、適宜、厚生労働省に 報告することになっています)。  また、被災県において必要と判断される場合には、社会福祉施設等以外の避難所等に対 する派遣も想定されています。 (2)「介護職員等派遣調査」及び「要援護者の受入調査」の調査結果  先般実施された「介護職員等派遣調査の結果(3月22日現在)」の速報値が公表され、 障害児・者関係施設の職員は1,811人であり、その内、障害者支援施設の職員は558人、旧 体系サービスの職員は351人となっています。高齢者や児童関係等を含めた全体の職員は、 7,019人となっています(表1参照)。 表1 介護職員等派遣調査結果について(速報値) 平成23年3月22日14時現在 ※全社協高年・障害福祉部整理 施設            派遣可能職員数 高齢者関係施設       4,127人 障害児・者関係施設     1,811人 児童・母子・婦人関係施設  1,016人 その他           65人 合計            7,019人  また、「要援護者の受入調査の結果(3月22日現在)」の速報値も公表され、障害者関 係施設の受入施設数は2,798施設、受入可能人数は8,756人となっています。その内、障害 者支援施設の受入可能施設数は653施設、受入可能人数は2,603人となっています。高齢者 や児童関係等を含めた全体の受入施設数は13,427施設、受入可能人数は47,536人となって います。 (3)社会福祉施設等に対する介護職員等の派遣に係るQ&Aについて  派遣職員の人件費や滞在費、交通費等の取り扱い等を盛り込んだ「社会福祉施設等に対 する介護職員等の派遣に係るQ&A」(2011年3月22日版)が示されました。 @【職員の処遇】派遣職員の人件費(各種手当を含む)や滞在費 ※問1関連  要援護者の受入れを行った社会福祉施設等に対しては、施設種別ごとに介護報酬、自立 支援給付又は措置費が支弁されており、更に福祉避難所として委託を受けた社会福祉施設 等については、被災者10人につき1人の介助員等の配置に要する経費が災害救助費から支 払われることとなっています。  このため、応援職員を受け入れた施設は、当該経費を活用して応援職員に対する人件費 及び滞在費を負担するものとし、支給に当たっては、応援職員の活動内容等を考慮すると ともに、応援施設とも協議の上、決定することが期待されています。  なお、社会福祉施設等以外の避難所等に対する職員派遣の経費については、現在検討中 となっています。 A【職員の処遇】派遣職員の労災保険の適用 ※問4関連  派遣される職員が現地施設に職員として採用される場合であれ、応援施設からの在籍出 向の場合であれ、現地での業務上又は通勤による災害についてはもちろん、自宅又は応援 施設から現地施設への移動の際の事故についても、労災保険の対象となります。 B【派遣元施設】派遣元施設の施設配置基準 ※問8関連  利用者の処遇に著しい影響が生じない範囲であれば、応援職員の派遣により、配置基準 を一時的に下回ってもやむを得ないものと考えられており、自治体における柔軟な対応が 可能とされています。  また、報酬については、減算対象とはされておりません。 [厚生労働省] 「東北地方太平洋沖地震」の発生に伴う社会福祉施設等に対する介護職員等の派遣及び要 援護者の受入れについて http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000015rl0.html 3.東北地方太平洋沖地震において適用される「行政上の権利利益に係る満了日の延長に   関する措置」について  「特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律」(平 成8年6月施行)に基づき、今般、東北地方太平洋沖地震による被害が特定非常災害とし て指定され、この災害に対して行政上の権利利益の満了日の延長等の措置を適用する政令 が平成23年3月13日に公布・施行されました。  これにより、介護給付費等の支給決定のような有効期限のついた許認可等の行政上の権 利利益について、有効期限を一定程度延長(最長で23年8月31日まで)することが可能に なります。  平成23年3月17日現在、障害福祉関連では、介護給付費等の支給決定の有効期間の延長 のほか、自立支援給付費の支給決定の有効期間の延長、障害児施設給付費の支給期間の延 長、精神障害者保健福祉手帳の有効期間の延長等が対象とされています。 [総務省] 東北地方太平洋沖地震において適用される「行政上の権利利益に係る満了日の延長に関する 措置」 http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyokan04_01000008.html 4.厚生労働省「東北地方太平洋沖地震等に伴う障害者(児)への相談支援の実施等につい   て」が発出される  平成23年3月24日、厚生労働省は、避難所等で生活する障害者(児)の状況把握やケア マネジメント等の支援を行う相談支援事業の取扱いを示した事務連絡「東北地方太平洋沖地 震等に伴う障害者(児)への相談支援の実施等について」を発出しました。  この中では、市町村と相談支援事業者等との連携による障害者(児)の安否確認と適切 な支援の実施とともに、サービス利用計画作成費等の活用、相談支援事業の運営基準等の 柔軟な取扱い等が示されています。 1.サービス利用計画作成費等の活用について (1)サービス利用計画作成費について     避難所等における障害者(児)については、障害者自立支援法施行規則第32条の    2第1号に規定する「障害者支援施設からの退所等に伴い、一定期間、集中的に支    援を行うことが必要である者」に該当し、当該障害者(児)が支給決定を受けて障    害福祉サービスを利用する場合に係るサービス利用計画作成やその実施状況の把握    (モニタリング)については、サービス利用計画作成費の支給対象となります。 (2)相談支援充実・強化事業について     市町村が相談支援事業者と連携して避難所等における障害者(児)への訪問によ    る状況把握を行う場合については、障害者自立支援対策臨時特例交付金の「相談支    援充実・強化事業」の補助対象となります(当該支援に係る補助単価については、    都道府県の判断により必要に応じた額として差し支えない)。 2.運営基準等の柔軟な取扱い  「相談支援の事業の基準」については、今般の震災に係る被災状況やその広範にわたる影 響に鑑み、被災地(災害救助法の適用を受けた市区町村)、計画停電対象地域、原発事故 による避難区域・屋内待避圏内、及び被災地外であって避難者(原発事故を含む)の受入 を行っている地域の事業者が形式的に基準等を満たさないことをもって、指導等を行うこ とのないよう柔軟に取扱うこととされています。  具体的には、@「サービス利用計画の実施状況の把握(モニタリング)」について、被災 地等において、道路・鉄道等の交通の寸断、ガソリン不足等による移動手段の確保が困難 な場合は、電話等により本人又は家族へ確認したことを記録することをもって行うことを 可能とすること、A「サービス担当者会議」について、各サービス担当者への電話や文書等 の照会により行って差し支えないこととされています。 [厚生労働省] 東北地方太平洋沖地震等に伴う障害者(児)への相談支援の実施等について http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000015vli.html 5.厚生労働省「要援護障害者等の避難所等への搬送について」が発出される  平成23年3月25日、厚生労働省は、要援護障害者等の避難所等への搬送に関する留意事 項を示した事務連絡「要援護障害者等の避難所等への搬送について(依頼)」を発出され ました。  この中では、要援護障害者等の避難所等への搬送に関して、下記の3点に留意し、対応 していくことが求められています。  @搬送時には、できる限り医療関係者による付き添いを行うこととし、これが難しい場   合は、医療機関等との連携体制を確保すること  A常備する医薬品等を携行するなど、搬送時及び搬送後も必要な医薬品等が確保される   よう配慮すること  B搬送後は、サービス内容の記録等により要援護障害者等の状態や使用医薬品等の情報   を伝達すること [厚生労働省] 要援護障害者等の避難所等への搬送について(依頼) http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000015vnu.html 6.全社協社会福祉施設協議会連絡会「東北地方太平洋沖地震 被災地支援に係る緊急対応   時の取り扱いについて」要望書を提出  平成23年3月18日、全国社会福祉協議会社会福祉施設協議会連絡会は、現在国において 進められている被災地の要援護者の受け入れや被災地への職員派遣にともない、施設運営 に支障のない範囲で社会福祉法人、社会福祉施設が行う判断については尊重すること、ま た、この件にかかる監査等においては施設職員の配置基準等に関する画一的な運用・指導 が行われることがないようにすることを要望しました。 7.民主党「障がい者政策プロジェクトチーム・難病対策ワーキングチーム合同会議」が   開催される  平成23年3月29日、民主党「障がい者政策プロジェクトチーム・難病対策ワーキングチ ーム合同会議」(PT座長及びWT主査:谷 博之 参議院議員)が開催されました。  今回の合同会議は、東北地方太平洋沖地震に関する特別立法の制定に向けて、障害関係 団体等に幅広く意見を聴くものであり、33団体からヒアリングが行われました。  会議には、谷博之座長(参議院議員)をはじめ、玉木朝子難病対策WT座長(衆議院議 員)、岡崎トミ子前内閣府特命担当大臣(参議院議員)ら衆参両議院議員約20名が出席しま した。また、内閣府からは東俊裕推進会議担当室長、金政玉政策企画調査官をはじめとす る担当室員、厚生労働省からは担当職員らが出席しました。  冒頭、谷座長より「民主党としては、何よりも優先して今回の震災対応にあたっている。 特別な立法措置が必要な事項について幅広く障害関係団体の皆様からの意見を伺い、一刻 も早く対応していきたい」との挨拶がありました。  ヒアリングは、まず、障害当事者団体を代表して、全社協も構成団体の1つである日本 障害フォーラム(JDF)、難病当事者団体を代表して日本難病・疾病団体協議会(JP A)から行われ、その後、各団体よりそれぞれ意見が述べられました。  JDFからは、当面緊急とされる法的整備として、@バリアフリー仮設住宅の設置義務 化、A遠隔地避難をする障害者の移動手段や必要な医療の確保、遠隔地避難をしている障 害者の生活支援、B避難を支援する担当者や避難所のスタッフ、ボランティアに、被災障 害者等の支援に関する周知、説明や研修の機会の設置等が要望されました。  今後、プロジェクトチームは、今回のヒアリング内容を踏まえ、@立法措置が必要なも の、A予算の弾力的な運用で対応できるものを整理し、3月31日にプロジェクトチームと しての意見のとりまとめを行い、翌4月1日に民主党地震災害復旧・復興検討委員会「特 別立法検討チーム」(座長:中川正春衆議院議員)に提出する予定です。