障害福祉部ニュース (障害福祉制度・施策関連情報) 2009年11月30日 22(通算239号) 発行:全国社会福祉協議会・障害福祉部 〒100-8980 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル内 TEL:03-3581-6502  FAX:03-3581-2428 e-mail:z-shogai@shakyo.or.jp 1.厚生労働省「障害者自立支援法の施行前後における利用者の負担等に係る実態調査」 の調査結果を発表〜障害者の9割が障害者自立支援法で負担増〜  平成21年11月26日、厚生労働省は「障害者自立支援法の施行前後における利用者の負担 等に係る実態調査」の調査結果を発表しました。  この調査は、障害者自立支援法の施行(平成18年4月1日)前後における利用者の実負 担額(サービス利用に係る一部負担額と食費・光熱水費に係る負担額を合算したもの)及 び工賃の状況を把握するために行ったものであり、5自治体(札幌市、仙台市、千葉市、 川崎市、金沢市)の訪問系サービス(ホームヘルプサービス等)、日中活動系サービス( 通所施設)、入所サービス(入所施設)を利用している身体障害者、知的障害者及び知的 障害者を対象に実施し、1,827人の回答がありました。  調査結果によると、平成21年7月時点の実負担額は、平成18年3月時点と比べ、平均 6,751円増加(14,915円→21,666円)し、実負担額が増加している者の割合は87.2%で、 その平均増加額は8,518円(13,151円→21,669円)となっています。サービス種類別の内 訳は、訪問系サービスでは平均1,876円増加(1,962円→3,838円)、日中活動系サービス では平均5,809円増加(740円→6,549円)、入所サービスでは平均10,948円増加(36,583 円→47,531円)しています。  なかでも、低所得者については、平成21年7月時点の実負担額は、平成18年3月時点と 比べ、平均7,632円増加(15,136円→22,768円)し、実負担額が増加している者の割合は 93.6%で、その平均増加額は8,452円(13,385円→21,837円)となっています。特に、訪 問系サービスあるいは日中活動系サービスを利用する障害者については、99.3%の者の実 負担額が増加しており、その平均増加額は5,016円(68円→5,085円)となっています。  また、工賃の状況については、平成18年3月における工賃の平均額は14,035円、平成21 年7月における工賃の平均額は14,031円とほぼ同額となっています。  一方で、実負担額が工賃を上回る利用者の割合は、平成18年3月で31.4%でしたが、平 成21年7月には52.5%に増加しています。また、平成18年3月における工賃と実負担額の 差額の平均は1,651円でしたが、平成21年7月においては工賃と実負担額の差額の平均は ▲7,097円(8,748円減少)となっています。  詳細につきましては別添資料@をご参照ください。 <実負担額の状況 サービス種類別の内訳> 平成18年3月の実負担額 訪問系サービス   1,962円 日中活動系サービス 740円 入所サービス    36,583円 平成21年7月の実負担額 (サービス利用に係る一部負担額+食費・光熱水費に係る負担額) 訪問系サービス   3,838円 日中活動系サービス 6,549円(1,663円+4,886円) 入所サービス    47,531円(6,792円+40,739円) ※ 訪問系サービスに係る「実負担額」には、いずれも「食費・光熱水費に係る負担額」 は含まれていない。平成18年3月の日中活動系サービス及び入所サービスに係る「実負担 額」には、「食費・光熱水費に係る負担額」が含まれている。   [厚生労働省] 障害者自立支援法の施行前後における利用者の負担等に係る実態調査結果について http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000002sre.html 2.厚生労働省「福祉・介護人材の処遇改善事業助成金」の申請率を発表  平成21年11月13日、厚生労働省は「福祉・介護人材の処遇改善事業助成金」の都道府県 別の申請率を発表しました。  平成21年10月30日現在で、「福祉・介護人材の処遇改善事業助成金」の申請を行った事 業所は、19,810事業所(対象事業所:32,791事業所)で、申請率は約60%となっています (10月9日時点での申請率は約42%)。都道府県別の申請率では、最高で約83%、最低で 約42%となっています。  また、厚生労働省が未申請の事業所一都道府県当たり20か所(合計:940か所)を対象 にアンケート調査を行ったところ、今後の申請予定について、「予定(検討)している」 が33%、「分からない」が23%、「予定なし」が44%でした。申請しない理由について、 「対象の制約のため困難」が23%と最も多く、次いで「事務作業が煩雑」が17%、「平成 24年以降の取り扱いが不明」が15%という結果になりました。  なお、介護保険制度における「介護職員処遇改善交付金」の申請率は平均72%となって います(10月9日時点での申請率は約48%)。  詳細につきましては、別添資料Aをご参照ください。 <介護職員処遇改善交付金及び福祉・介護人材の処遇改善事業助成金の申請率について> 福祉・介護人材の処遇改善事業助成金(障害者福祉制度) 対象事業所@   32,791 申請事業所A   19,810 申請率(A/@) 60% 介護職員処遇改善交付金(介護保険制度) 対象事業所@   83,541 申請事業所A   59,885 申請率(A/@) 72% [厚生労働省] 介護職員処遇改善交付金及び福祉・介護人材の処遇改善事業助成金の申請率について http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000002kqu.html 3.厚生労働省「平成21年6月1日現在の障害者の雇用状況について」を発表 〜厳しい雇用情勢の中、民間企業の障害者雇用は進展〜  平成21年11月20日、厚生労働省は平成21年6月1日現在の障害者の雇用状況を発表しま した。  この発表によると、民間企業(56人規模の企業)に雇用されている障害者の数は、 332,811.5人で、前年より2.2%(約7,000人)増加しています(下図参照)。このうち、 身体障害者は268,266人、知的障害者は56,835人、精神障害者は7,710.5人となっていま す。  実雇用率は1.63%で前年より0.04ポイント上昇し、法定雇用率を達成している企業の割 合は45.5%で前年より0.6ポイント上昇しています。一方で、法定雇用率未達成企業のう ち、不足数が0.5人または1人である企業(1人不足企業)が、63.0%と過半数を占めて おり、障害者を1人も雇用していない企業(0人雇用企業)が、法定雇用率未達成企業の 63.4%となっています。  特例子会社の認定を受けている企業は265社であり、これらの特例子会社に雇用されて いる障害者の数は13,306.0人、このうち、身体障害者は7,470人、知的障害者は5,478人、 精神障害者は358.0人となっています。  また、国の機関に在職している障害者の数は6,524.0人、実雇用率は2.17%で前年より 0.01ポイント下降、都道府県の機関に在職している障害者の数は7,825.0人、実雇用率は 2.48%と前年より0.04ポイント上昇、市町村の機関に在職している障害者の数は22,417.5 人、実雇用率は前年より0.04ポイント上昇しています。  今回の結果を踏まえ、厚生労働省は、@公的機関については、未達成の機関に対して各 都道府県労働局長等から市町村長の機関のトップに対して呼び出し等による指導を徹底、 A民間企業については、その取り組み状況に応じて企業名の公表を含めた雇用率達成指導 を厳正に実施することとしています。  なお、平成20年に「障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)」が一部 改正され、障害者雇用納付金制度の対象が、平成22年7月から「常用雇用労働者が201人 以上300人以下の事業主」へ、平成27年4月から「常用雇用労働者が101人以上200人以下 の事業主」へ対象が拡大されることになっています(改正内容の詳細については『障害福 祉部ニュースNo.3』を参照)。  詳細につきましては、下記ホームページをご参照ください。 <平成21年6月1日現在の障害者の雇用状況について> 法定雇用障害者数の算定の基礎となる労働者数 民間企業(56人以上規模)(法定雇用率1.8%) 20,441,198人 国の機関(法定雇用率2.1%)         300,636人 都道府県の機関(法定雇用率2.1%)      315,993人 市町村の機関(法定雇用率2.1%)       946,950人 都道府県等の教育委員会(法定雇用率2.0%)  634,186人 独立行政法人等(法定雇用率2.1%)      251,756人 障害者の数 民間企業(56人以上規模)(法定雇用率1.8%) 332,811.5人 国の機関(法定雇用率2.1%)         6524.0人 都道府県の機関(法定雇用率2.1%)      7,825.0人 市町村の機関(法定雇用率2.1%)       22417.5人 都道府県等の教育委員会(法定雇用率2.0%)  10,921.0人 独立行政法人等(法定雇用率2.1%)      5314.0人 実雇用率 民間企業(56人以上規模)(法定雇用率1.8%) 1.63% 国の機関(法定雇用率2.1%)         2.17% 都道府県の機関(法定雇用率2.1%)      2.48% 市町村の機関(法定雇用率2.1%)       2.37% 都道府県等の教育委員会(法定雇用率2.0%)  1.72% 独立行政法人等(法定雇用率2.1%)      2.11% 法定雇用率達成企業の数 民間企業(56人以上規模)(法定雇用率1.8%) 32,891 / 72,328 国の機関(法定雇用率2.1%)         38 / 39 都道府県の機関(法定雇用率2.1%)      150 / 160 市町村の機関(法定雇用率2.1%)       2,146 / 2,448 都道府県等の教育委員会(法定雇用率2.0%)  75 / 138 独立行政法人等(法定雇用率2.1%)      177 / 243 達成割合 民間企業(56人以上規模)(法定雇用率1.8%) 45.5% 国の機関(法定雇用率2.1%)         97.4% 都道府県の機関(法定雇用率2.1%)      96.9% 市町村の機関(法定雇用率2.1%)       87.7% 都道府県等の教育委員会(法定雇用率2.0%)  54.3% 独立行政法人等(法定雇用率2.1%)      72.8% [厚生労働省] 平成21年6月1日現在の障害者の雇用状況について http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000002i9x-img/2r98520000002ibf.pdf 4.研究会・検討会の動向 「精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会」  平成21年11月17日、「第7回精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会」(座長 :京極宣国立社会保障・人口問題研究所 所長)が開催されました。  およそ一年振りに開催された今回の検討会では、平成20年10月21日にとりまとめた「今 後の精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会の中間報告書」及び、平成21年3月 より4回開催されたワーキングチームでの精神保健福祉士の新たなカリキュラムに関する 検討内容を踏まえた教育内容見直し案(@教育カリキュラムの枠組みと講義系科目、A実 習・演習)について検討が行われました。  教育カリキュラムの枠組みと講義系科目では、新教育カリキュラムの枠組み(案)とし て、@教育時間数を現行の1,110時間から1,200時間へ拡充すること、A社会福祉士との共 通科目として「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」(平成21年4月時点の科目名 )を新たに盛り込むこと、B専門科目の体系について現行の学問体系から知識・技術を柱 とした科目体系に見直すこと、C専門科目に精神保健福祉士教育の中核的な科目を創設し 教育効果を高めること、等が示されました。  また、演習・実習の教育内容見直しの考え方(案)として、@演習の時間数を現行の60 時間から90時間へ拡充すること、A実習時間数を拡充するとともに精神科医療機関等の実 習を必須にすること、等が示されました。 [厚生労働省] 第7回精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/11/s1117-4.html (参考)精神保健福祉士の養成の在り方等に関する検討会中間報告書 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/10/s1021-4.html ◇◆◇セミナー・研修会情報◇◆◇ ◎ 全社協「第5回虐待防止・権利擁護セミナー」 [テ ー マ] 「選択」を支えるシステムのこれから 〜成年後見制度の10年虐待防止・権利擁護における専門職・市民の役割〜 [日  時] 平成22年2月24日(水)10:50〜16:30 [場  所] 全社協・灘尾ホール [参 加 費] 9,000円 ※『ふれあいケア』『月刊福祉』購読者7,000円 ただし、『ふれあいケア』1月号(12月21日発行)、『月刊福祉』2月号(1月6日発行 )に掲載した本セミナー要綱の所定シールを添付の場合に限る [特  典] 『虐待防止・権利擁護年報2010』(仮称)を配布 [締  切] 平成22年1月29日(金)必着 ただし、定員(350名)になり次第締切 [主な内容] (1)基調講演「虐待防止・権利擁護のために必要な支援システムのこれから」  明治大学法科大学院教授/弁護士  平田 厚 (2)シンポジウム「成年後見制度の活用拡大に向けて〜専門職、市民の役割」  (シンポジスト)   日本弁護士連合会  熊田 均   成年後見センター・リーガルサポートセンター  大貫 正男   日本社会福祉士会  古畑 英雄   全国社会福祉協議会 地域福祉部長  渋谷 篤男 (コーディネーター)   明治大学法科大学院教授/弁護士  平田 厚 (3)連続報告「地域ネットワークを活かした虐待防止・権利擁護の取り組み」 (報告者)   @ 地域包括支援センター   A 保育所   B 自立援助ホーム (コーディネーター)   全国社会福祉協議会 高年福祉部長  野崎 吉康 ※ 詳細につきましては、下記ホームページをご参照ください。 [厚生労働省] 全社協「第5回虐待防止・権利擁護セミナー」 http://www.shakyo.or.jp/news/091126_01.pdf ※ 「開催要綱」及び「参加申込書」をダウンロードすることができます。 同封資料22(通算)239号 @ 「障害者自立支援法の施行前後における利用者の負担等に係る実態調査結果について 」 A 「介護職員処遇改善交付金及び福祉・介護人材の処遇改善事業助成金の申請率につい て」 ・福祉・介護人材の処遇改善事業(障害者福祉制度)の申請状況 ・介護職員処遇改善交付金(介護保険制度)申請状況