障害福祉部ニュース (障害福祉制度・施策関連情報) 2009年11月5日 20(通算237号) 発行:全国社会福祉協議会・障害福祉部 〒100-8980 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル内 TEL:03-3581-6502  FAX:03-3581-2428 e-mail:z-shogai@shakyo.or.jp 1.厚生労働省「地方分権改革推進委員会第3次勧告(地方要望分)の対応方針」が示さ れる 平成21年11月4日、厚生労働省は国が定める社会福祉施設等の最低(指定)基準について 、廃止または条例に委任すること等を求めていた地方分権改革推進委員会「第3次勧告」 に対して、厚生労働省としての対応方針をとりまとめました(これまでの経緯については 『障害福祉部ニュースNo.19』を参照)。 主なポイントとして、@地域主権改革の実現に向けて、第3次勧告を最大限尊重し、地方 分権を推進(ただし、保育・介護・福祉の質等に深刻な悪影響が生じかねないもののみ、 例外的に全国一律の最低基準(規制)を維持)、A施設等基準については、すべて都道府 県が定める条例に委任した上で、「人員配置基準」「居室面積基準」「人権に直結する運 営基準」に限り「従うべき基準」とする、Bこの結果、施設等基準の約9割が地方自治体 の判断で定められることとなることが挙げられています。 なお、条例委任を認める前提として、@「標準」「参酌すべき基準」の場合、国の基準を 下回る施設・サービスについては、サービス水準に応じた介護報酬等を設定、A「従うべ き基準」の場合、条例を制定しない場合やその内容が国の基準に適合していないと認める ときは、総務大臣を通じて是正を求める仕組みを導入することが示されています。 今後、厚生労働省はこの方針により地方分権改革推進の動きに対応していくことになりま すが、以降政府は各省庁からの回答をもとに、具体的な見直し項目を盛り込んだ「地方分 権改革推進計画」を年内にとりまとめ、来年の通常国会への改正法案提出に向けた準備が 進められる見込みです。 詳細につきましては、別添資料@をご参照ください。 <条例委任する場合の基準設定の類型> 「従うべき基準」 条例の内容は「全国一律」 → 条例の中の内容を直接的に拘束する、必ず適合しなければならない基準であり、当該 基準に従う範囲内で地域の実情に応じた内容を定める条例は許容されるものの、異なる内 容を定めることは許されない。 「標準」 条例の内容は、地方自治体に「合理的なもの」である旨の説明責任あり → 法令の「標準」を通常よるべき基準としつつ、合理的な理由がある範囲内で、地域の 実情に応じた「標準」と異なる内容を定めることは許容。 「参酌すべき基準」 基本的には地方自治体の判断で定められる → 国の役割を果たすために、地方自治体に対して「参酌すべき」ものとして示すもので あることから、これを十分参照し、これによることの妥当性を検討した上で条例が制定さ れなければならない。十分参照した結果としてであれば、地域の実情に応じて、異なる内 容を定めることは許容。 [厚生労働省]地方分権改革推進委員会第3次勧告(地方要望分)に対する厚生労働省の 対応方針について http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000002ahn.html (参考)地方分権推進委員会「第3次勧告〜自治立法権の拡大による『地方政府』の実現 へ〜」 http://www.cao.go.jp/bunken-kaikaku/iinkai/torimatome/torimatome-index.html 2.「移行時運営安定化事業」の事務処理要領が示される 平成21年11月2日、平成21年度障害者自立支援対策臨時特例交付金の特別対策事業である 「移行時運営安定化事業」の事務処理要領が示されました。 移行時運営安定化事業(従前額助成)は、『障害福祉部ニュースNo.12』にてご案内のと おり、事業運営安定化事業(いわゆる「9割保障」)の適用を受けない旧法施設が新体系 へ移行した際、新体系移行前月の報酬水準を下回る場合に、その差額について助成し、新 体系への移行を促進するとともに事業の安定化を図ることを目的としています。 具体的には、@旧法施設が平成21年5月以降に新体系へ移行した場合は、新体系移行前月 の報酬水準を基準とした助成が行われ、A平成21年4月以前に新体系へ移行した場合は、 新体系移行前月の利用者数で平成21年4月報酬改定後の旧法施設に係る報酬単価を用いて 算出した報酬見込額の水準を基準とした助成が行われます。また、精神障害者社会復帰施 設等が新体系へ移行した場合、新体系移行前年度の国庫補助基準額(又は交付決定額)の 水準を基準とした助成が行われます。 また、今回示された事務処理要領では、新たに@事業所の責によらない事由(災害やイン フルエンザ等)がある場合、A複数の新体系(多機能型事業所以外)に移行した場合、B 移行にあたって定員数を減少させた場合の具体的な取り扱いが示されました。 詳細につきましては、別添資料Aをご参照ください。 移行時運営安定化事業事務処理要領 運用上の留意事項 (1)事業所の責によらない事由(災害やインフルエンザ等)がある場合 新体系への移行前に、事業所からの申し出があり都道府県が認めた事業所の責によらない 事由(災害やインフルエンザなど)により報酬が9割保障の適用を受けるまで減額した場 合は、報酬が減額する前の報酬水準を基準とした助成を行う。 同様に災害等が長期に渡った場合についても、災害等により報酬が減額する前の報酬水準 を基準とした助成を行うこととする。 (2)複数の新体系(多機能型事業所以外)に移行した場合 @ 移行先の事業所の範囲 同一法人が運営主体であって、法人の申請に基づき旧体系施設からの移行先であると都道 府県が認めた事業所については、複数事業所(旧体系時の施設と同一敷地であるものに限 らない。)を移行先事業所ととらえることができる。 A 助成額の算定方法 助成額=旧体系の移行前月収入−(中核事業所の当月収入+移行先分離事業所の当月収入) ※「中核事業所」とは移行先の中核となる事業所のこと。(旧体系施設と同一敷地内に移 行事業所がある場合は、当該同一敷地内事業所を中核事業所とし、そうでない場合は、最 も自立支援給付の請求額が多い事業所を中核事業所とする。) ※「移行先分離事業所」とは中核事業所以外の事業所のこと。 B 助成額の請求方法等 ○ 助成額の請求は移行先の中核事業所が行う。 ○ 既存の事業所の定員増を行う形で移行した場合は、当該定員増の部分を移行先の事業 所ととらえ、事業所全体の定員数に占める移行に伴い増加した定員数の割合で按分した収 入を移行先の事業所の収入として取り扱う。 (3)定員数を減少させた場合 利用者を別法人の他の事業所に移すなどして、定員数を減少させた場合については、必要 以上に保障額が大きくなってしまうため、各事業所の個別の事情等を勘案し、保障単位数 の水準をその定員規模を踏まえた適切な水準となるよう調整を行うことが必要である。 ただし、直ちに保障水準を引き下げることは、事業所の運営に大きな影響を与える可能性 もあることから、現在の職員を活用し新たな事業展開を行う等の指導を行うなど、期間を あらかじめ提示して保障水準を徐々に逓減させる等の措置を講じられたい。 (例)旧体系時において、利用定員40人の知的障害者通所授産施設が、別法人に利用者を 移し、利用定員20人の就労継続支援B型事業所へ移行した場合 ○ 取扱い例:算定シート中「旧体系における保障単位数」に算出された単位数に20/40 を乗じたものから「新体系移行後の給付単位数」を差し引いた単位数を、事業運営安定化 事業の給付単位数とする。 3.「福祉・介護人材の処遇改善事業」助成金支払事務に関するQ&Aが示される 平成21年10月30日、厚生労働省は、「福祉・介護人材の処遇改善事業」の助成金が平成21 年12月中に申請した事業所に限り、10月サービス提供分及び11月サービス提供分から遡っ て交付対象とすることが可能となったことに伴い、支払事務に関する追加Q&A(4)を 発出しました。 今回のQ&Aでは、『障害福祉部ニュースNo.18』でお知らせしたQ&A(3)の遡及支 払方法(平成21年12月中に申請した場合の方法)は、あくまでも特例により遡及支払いを 行う事業所に対するものであり、通常の期限どおりに申請し承認を受けた事業者への支払 いは、報酬と同様にサービス提供月の翌々月に行われることがあらためて確認されました 。その他、遡及支払の際の助成金確認のための添付書類、国保連合会への事業所異動情報 の送信登録の際の異動年月日の取り扱い等が示されました。 詳細につきましては、別添資料Bをご参照ください。 4.第40回労働政策審議会障害者雇用分科会が開催される 平成21年10月23日、「第40回労働政策審議会障害者雇用分科会」が開催されました。今回 の分科会では、労働・雇用分野における障害者権利条約への対応に関して検討すべき具体 的論点(「障害を理由とする差別の禁止」及び「職場における合理的配慮」)について、 「職場における合理的配慮」を中心に検討が進められました。 冒頭、厚生労働省(事務局)より、労働・雇用分野における障害者権利条約への対応(「 労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究会」の中間整理) に関する説明があり、これらを踏まえ、各委員との意見交換が行われました。 各委員からは、「障害の種別や程度によって、ある一つの仕事に対しても『合理的配慮』 は変わってくるため、仕事を進めていく上での配慮を基本的な内容に加えてはどうか」、 「『合理的配慮』には、倫理的・精神的な部分も含まれているので、ある程度の期間継続 して就職した場合、昇進や昇格といったキャリアの視点も必要ではないか」、「個人や仕 事の内容で『合理的配慮』の度合いは変わってくる。段階的にどこまで示すことができる かがカギとなる」、「『合理的配慮』に係る財源の確保が今後の課題である」等の意見が 出されました。 次回の分科会は、11月11日に開催され、引き続き、労働・雇用分野における障害者権利条 約への対応に関する検討が行われる予定です。 労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究会 「労働・雇用分野における障害者権利条約への対応について(中間整理)」 ※一部抜粋 第3 職場における合理的配慮 1 合理的配慮の内容 【基本的な考え方】 ○ 合理的配慮については、条約の規定上はそれを欠くことは障害を理由とする差別に当 たることとされている(差別禁止の構成要件としての位置付け)が、これを実際に確保し ていくためには、関係者がコンセンサスを得ながら障害者の社会参加を促すことができる ようにするために必要な配慮(社会参加を促進するための方法・アプローチとしての位置 付け)として捉える必要があるとの意見が大勢であった。 【基本的な内容】 ○ 合理的配慮の内容としては、障害の種類ごとに重点は異なるが、おおまかに言えば、 @通訳や介助者等の人的支援、A定期的通院や休暇、休憩等の医療面での配慮、B施設や 設備面での配慮が必要であるとの意見が大勢であった。 [厚生労働省]第40回労働政策審議会障害者雇用分科会資料 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/10/s1023-9.html (参考)労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究会「労働 ・雇用分野における障害者権利条約への対応について(中間整理)」 http://www.mhlw.go.jp/za/0731/d15/d15-02-01.pdf 5.平成20年度 保健・衛生行政業務報告(衛生行政報告例)結果の概況が発表される 平成21年10月23日、厚生労働省は「平成20年度 保健・衛生行政業務報告(衛生行政報告 例)」結果の概況を発表しました(身体障害者手帳交付台帳登載数や療育手帳交付台帳登 載数等が報告された「平成20年度 社会福祉行政業務報告(福祉行政報告例)」結果の概 況については、『障害福祉部ニュースNo.18』を参照)。 この中で、平成20年度末現在の精神障害者保健福祉手帳交付台帳登載数(有効期限切れを 除く)は482,905人で、前年度に比べ40,177人(9.1%)増加していることが報告されまし た(下図参照)。 特定疾患(難病)関係では、平成20年度末現在の特定疾患医療受給者証所持者数は647,60 4人で、「男性」が269,417人(41.6%)、「女性」が378,187人(58.4%)となっています 。また、人口10万対でみますと、507.2となっており、疾患別では「潰瘍性大腸炎」が82. 0と最も多く、次いで「パーキンソン病関連疾患」77.0となっています。 詳細につきましては、下記ホームページをご参照ください。 精神障害者保健福祉手帳交付台帳登載数(有効期限切れを除く)の年次推移 各年度末現在 精神障害者保健福祉手帳交付台帳登録者数(有効期限切れを除く。) 平成16年度 335,064人 平成17年度 382,499人 平成18年度 404,883人 平成19年度 442,728人 平成20年度 482,905人 対前年度 増減数 40,177人 対前年度 増減率 9.1% 精神障害者保健福祉手帳交付台帳登録者数(有効期限切れを除く。)人口10万対 平成16年度 262.4人 平成17年度 299.4人 平成18年度 316.9人 平成19年度 346.5人 平成20年度 378.2人 対前年度 増減数 31.7人 対前年度 増減率 9.1% 1級 平成16年度 66,485人 平成17年度 71,960人 平成18年度 73,810人 平成19年度 78,957人 平成20年度 84,074人 対前年度 増減数 5,117人 対前年度 増減率 6.5% 2級 平成16年度 203,521人 平成17年度 233,313人 平成18年度 248,102人 平成19年度 270,924人 平成20年度 298,042人 対前年度 増減数 27,118人 対前年度 増減率 10.0% 3級 平成16年度 65,058人 平成17年度 77,226人 平成18年度 82,971人 平成19年度 92,847人 平成20年度 100,789人 対前年度 増減数 7,942人 対前年度 増減率 8.6% [厚生労働省]「平成20年度 保健・衛生行政業務報告(衛生行政報告例)」結果の概況 http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/08/index.html (参考)「平成20年度 社会福祉行政業務報告(福祉行政報告例)」結果の概況 http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/gyousei/08/index.html 6.厚生労働省「平成21年度 障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」への調査協力 のお願い 厚生労働省は、平成21年4月の障害福祉サービス等報酬改定が障害福祉サービス等従事者 の処遇改善につながっているかどうかを調査・分析し、報酬改定の事後的検証を行うこと を目的として、「平成21年度 障害福祉サービス等従業者処遇状況等調査」を実施するこ ととしています。 この調査は、報酬改定の事後的検証を行う重要な調査でありますので、調査対象となった 法人、事業所の皆様におかれましては、趣旨をご理解いただき、調査にご協力いただきま すようお願いいたします。なお、調査票の提出は平成21年11月30日(月)までとなってお ります。 【調査対象サービス等(平成21年4月1日現在)】 (抽出)居宅介護、重度訪問介護、行動援護、生活介護、児童デイサービス、短期入所、 共同生活介護、障害者支援施設、自立訓練(生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援B 型、共同生活援助、相談支援、知的障害者入所更生施設、知的障害者通所授産施設 (悉皆)上記以外の事業所・施設 【調査に関するお問い合わせ先】 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部 障害福祉課 「平成21年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」事務局 TEL 0120-632-332(フリーダイヤル) ※ 受付時間 平日 9:00-17:30(土・日・祝日を除く) ※ この番号は携帯電話からはかかりません。 調査専用ホームページ http://www.h21-syogai.jp ◇◆◇セミナー・研修会情報◇◆◇ 日本障害フォーラム(JDF)セミナー「権利条約の原点とわが国の課題」 [日  時]平成21年12月1日(火)10:00〜17:00 [場  所]全社協・灘尾ホール [参 加 費]1,000円 ※点字資料、手話通訳、要約筆記あり [締  切]平成21年11月24日(火) [主な内容] @ 基調報告 森 祐司(JDF政策委員長/日本身体障害者団体連合会常務理事) A 基調講演「障害者権利条約 その原点と最新動向」 ドン・マッケイ(元・国連障害者権利条約特別委員会議長) B パネルディスカッション ※ 一部調整中 第一部「障害者権利条約〜わが国の課題〜」 (パネリスト) 障害者権利条約推進議員連盟、 外務省、 内閣府、 日本弁護士連合会、 東 俊裕(JDF権利条約小委員長/DPI日本会議条約担当役員) 第二部「地域における取り組み」 (パネリスト) 嵐谷 安雄(大阪障害フォーラム)、 平野 みどり(熊本・障害者差別禁止条例をつくる会)、 愛知障害フォーラム (コーディネータ) 藤井 克徳(JDF幹事会議長/日本障害者協議会常務理事) 大久保 常明(JDF幹事会副議長/全日本手をつなぐ育成会常務理事) ※ 詳細につきましては、下記ホームページをご参照ください。 [日本障害フォーラム]日本障害フォーラム(JDF)セミナー http://www.normanet.ne.jp/~jdf/1201/ 同封資料20(通算)237号 @ 「地方分権改革推進委員会第3次勧告(地方要望分)に対する厚生労働省の対応方針 について」 A 「移行時運営安定化事業の実施について」(平成21年11月2日付/事務連絡) B 「福祉・介護人材の処遇改善事業助成金支払事務に関するQ&A(4)について」 (平成21年10月30日付/事務連絡)