障害福祉部ニュース (障害福祉制度・施策関連情報) 2008年12月16日 23(通算213号) 発行:全国社会福祉協議会・障害福祉部 〒100-8980 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル内 TEL:03-3581-6502  FAX:03-3581-2428 e-mail:z-shogai@shakyo.or.jp 1.第49回社会保障審議会障害者部会の開催  平成20年12月15日、第49回社会保障審議会障害者部会が開催され、前回の議論を踏まえ て修正した『社会保障審議会 障害者部会 報告〜障害者自立支援法施行後3年の見直しに ついて〜(案)』をもとに最終的なとりまとめに向けた議論が進められた。 報告案の修正点 (見直しに当たっての視点)  現場の実態を踏まえて見直していく視点について、利用者に対するサービス提供と事業 者の経営基盤の安定とは一体であり、人材確保を含めた事業者の経営基盤の安定がなけれ ば、利用者に対する安定したサービス提供が実現しないという観点から、「事業者におけ る人材の確保や安定的なサービス提供体制の確保という観点も考慮しながら」という文言 が新たに追加された。 (ケアマネジメントの充実)  ケアマネジメント・モニタリングを実施する体制については、相談支援専門員の実務経 験の要件緩和や資格制度の創設等の意見を踏まえて、「人材の量を確保し、多元的な相談 支援体制を構築するため、現在の相談支援専門員に求められる実務経験の要件を緩和すべ きという意見があった。一方で、人材の質の向上を図るために、将来的に国家資格化する ことについても検討すべきという意見があった。相談支援を担う人材を量的に拡充してい くとともに、質の向上も図られるように、今後、検討が必要である」という見解が新たに 追加された。 (地域移行の促進)  精神障害者生活訓練施設の新体系への移行促進の観点から、「精神障害者の地域移行を 進めていく上で重要な役割を果たしている精神障害者生活訓練施設について、新体系への 移行が進んでいないという指摘があり、その移行を促進するための仕組みについて検討が 必要である」とされた。 (地域移行における入所施設の役割)  地域移行における入所施設の役割について、@入所者に対する地域移行の支援やAグ ループホームやケアホームの実施、日中活動系の事業、短期入所、訪問事業など地域生活 を支えるための支援が期待されているが、今回新たに「施設に入所している障害者につい て、地域との交流等、社会体験の機会を増やしていくことを含めて」入所者の地域移行の 支援を行っていくことが追加された。 (地域生活を支えるための複合的なニーズへの対応)  24時間の相談支援体制や地域の中で拠点となる機関の必要性から、機障害者の地域生活 を支えていくためには、「グループホーム・ケアホームの充実とともに、緊急時のサポー ト、ショートステイ、通所や訪問サービスの充実等を図っていく必要があるが、これらの 複合的なニーズに対応できる拠点的な場について検討すべきとの意見があり、今後、既存 事業との関係も含め検討していくべきである」という視点が新たに追加された。 (就労継続支援A型の充実)  就労継続支援A型の充実に関する指摘を受け、障害者が働く雇用の場を多く作っていく という観点から、「雇用契約に基づく就労の機会を提供する場である就労継続支援A型に ついて、B型からの移行を促す条件整備等、その充実を図っていくべきである」という点 が新たに付け加えられた。 (支給決定の在り方等について)  支給決定については、障害特性が反映できるよう、「個々の障害者の状況に応じて、ど れだけの支援が必要かという観点をより踏まえて行うようにすべきとの意見があった。障 害程度区分の見直しと併せて、ケアマネジメントを踏まえて支給決定する仕組みとするこ とにより、障害者のニーズに応じた支援がなされるように検討すべきである」とされた。 (地域生活支援事業の対象事業)  福祉ホームについては、「グループホーム・ケアホームへ転換して充実を図っていくこ ととともに、引き続き地域生活支援事業においても福祉ホーム事業を着実に実施していく ことにより、障害者のニーズに応じた居住の場が確保されるよう努めていくべきである」 という点が新たに付け加えられた。 (障害者に対する支援の在り方)  障害者に対する支援の在り方について、「制度の見直しとともに、個々の障害者に対し て、どのような支援を行っていくことが適当かという、個々の支援の内容・在り方につい ても、今後検討していくべきとの意見があった。より良い制度を目指していくともに、 個々の支援をより良いものとしていくことは、障害者の生活の質の向上という面からも重 要なことと考えられ、事業者団体による取組も含めて、研究・検討が進められるべきであ る」という視点が付け加えられた。 報告書の今後の取扱い  報告書の今後の取扱いに対して、蒲原企画課長より「@報酬改定に向けた年末の予算折 衝のための資料として活用する。Aこの報告書で示された見直しの方向性を受けて、法改 正に関わるものは年明けの通常国会への提出に向けて、併せて法改正に関わらない運用面 の見直しの作業を行っていく。この作業を行う過程の中で各団体ともよく相談し、現場の 意見を十分反映させていきたい」との発言があった。  その後、各委員との意見交換が行われた。各委員から出された主な意見は下記のとおり。  最後に、潮谷部会長より、「今回で障害者部会の議論は終了となる。多くの国民から支 持され、厚生労働省やマスコミのバックアップの下でこの報告書の内容が実現され、2009 年度からの見直しがスタートできることを心から願っている」との挨拶があり、これを受 けて木倉障害保健福祉部長より「この報告書の内容を全力で実現させていくとともに、報 酬の引き上げを含めた諸般の見直しについて、皆様の意見を踏まえ、国民の理解を得てい く中で進めていきたい。この社会を障害者のみならず、皆が安心して暮らせる社会を作っ ていきたい」との意気込みが表明された。 最終的な報告書  審議会終了後、今回の議論を踏まえ、一部文言の修正を行い、平成20年12月16日、最終 的な報告書「社会保障審議会障害者部会報告〜障害者自立支援法施行後3年の見直しにつ いて〜」が示された。報告書の概要は下記のとおり。  今後は、この報告書に基づき、制度及び報酬・基準の見直しが行われる予定。  -------------------------------------------------------------------------- 第49回社会保障審議会障害者部会(12月15日)における各委員からの主な意見   ・この部会において多くの団体からのヒアリングが行われたが、どこの団体 からヒアリングを行ったのか、団体名の一覧表を掲載してほしい。(事務 局(厚生労働省)より「ヒアリングを行った団体名を報告書に明記する」 との回答あり) ・自立支援法における障害者のサービス利用の実態はどうなのかという調査 を行う必要がある。このことはP.50の「事業者団体による取組も含めて研 究・検討が進められるべきである」のところに含まれていると理解してよ いか。(事務局(厚生労働省)より「P.50のところにその趣旨が含まれる とともに、P.3の「現場の実態を踏まえて見直していく視点」の中にも含 まれている」との回答あり) ・今般の報告書が出されることによって大きな前進もあると思うが、例えば 障害者の範囲や所得保障の問題など残された課題も多いと思う。今後これ らの問題の改善をどのように図っていくのか、残された課題として整理し ていくことが必要ではないか。併せてヒアリングを行った団体からの意見 についても報告書に反映された意見、反映されなかった意見についての整 理を行い、反映されなかった意見については残された課題として整理して いくことが必要ではないか。(事務局(厚生労働省)より「ヒアリングを 行った団体名は報告書に明記するが、その内容については全て議事録で公 開しており、要約して掲載しない方がいいと思う」との回答あり) ・部会における各委員からの意見について、例えば日払いや利用者負担、介 護保険との統合の問題については異なる意見の対立があったが、議論は深 まらなかったように思う。今後これらの問題について議論できる場を作る べきだと思う。 ・自立支援法施行前の障害者部会の時もとりまとめの方向性については合意 したが、その後の運用で現場との乖離があった。前の障害者部会の轍を踏 むことのないよう、厚生労働省はこの報告書の内容を踏まえ、政省令通知 等の作成の際に、現場の運用との乖離がないようお願いしたい。またこの 部会の委員は団体を代表して出ており、委員が各団体に持ち帰り、具体的 にどこがどのように見直されるのか報告できるようにしていただきたい。 ・この部会において、入所施設を利用する人の保護者がもつ課題についての 議論が足りなかったように思う。自分の子どもが障害程度区分の認定を受 けること自体にも納得しておらず、区分が低く出ればいつ施設を追い出さ れるかといった不安もある。このようなことがないよう、きちんと法律を 変えていく必要がある。社会的自立や就労移行も重要だと思うが、利用者 や保護者が安心して暮らしていけるような施策も必要である。障害程度区 分やサービス体系の問題など、具体的に法律や政省令のどこが変わるのか。 その見通しを確認しておきたい。(事務局(厚生労働省)より「法律に関 わる部分については国会に改正法案を提出することになる。法律に関わら ない部分も含めて各団体と相談しながら見直しを進めていきたい」との回 答あり) ・報告書の取扱いについて「・・すべきである」と行動を促すような表現が 多いが、誰がどのように対応していくのか、この報告書にどれだけの効力 があるのかを伺いたい。(事務局(厚生労働省)より「この報告書の内容 は親審議会(社会保障審議会)に答申するのではなく、この報告書自体を 部会が示した方向性として取扱い、厚生労働大臣に提出することになる。 基本的には厚生労働省で対応していく」との回答あり) ・この報告書の中に「障害者権利条約との関係」が示されているが、国内法 との整合性を確認する作業が行われていると書かれている一方で、批准を 急ぐという政府の動きもあり、整合性の確認が十分できるかどうかを懸念 している。(事務局(厚生労働省)より「ここに書かれている通り、厚生 労働省としては個別条項との整合性を一つひとつ詰めていきたい」との回 答あり) ・千葉県の東金市で痛ましい事件があったが、障害者就業・生活支援セン ターなどによる支援があれば犯罪には至らなかったかもしれない。単体の 施設やサービスを充実させていくことも必要だと思うが、このようなすき 間のサービスを充実させていくことも重要である。 ・介護保険との関係について、障害者施策に対する国民の理解を深める上で も議論が必要だと思う。一般の国民も障害者になる可能性があり、障害者 施策は特別な人に対するものではなく、国民自らの問題として意識を高め ていくためにも議論が必要である。この議論をきっかけとし、介護保険と の統合の問題についての検討を早い時期に行ってほしい。 ・障害のある人が「地域での自立した生活」を目指すには、就職につなぐだ けの支援ではなく、その生活を支えるための支援とが両立しないと孤立し た生活になってしまう。だから一般就労に向けた支援には生活面を含めた 様々な支援がある。その一方で、一般就労に繋がらない人への多様な働き 方とその支援が必要であることを十分ご理解いただくとともに、障害のあ る人の「働く支援」を社会としてどう支えていくかの検討を早期に進めて いただきたい。 ・この障害者部会において、障害者の就労支援に関する委員からの多くの意 見が出されたことをふまえ、報告書のP.19に「障害者の就労支援に関する 福祉施策と労働施策、教育施策との関係のあるべき方向について今後とも 更に検討していくべきである」と明記されたことに期待したい。現行の労 働基準法において、障害のある人への配慮は十分とは言えず、障害者権利 条約との関係で一定の整理を図っていく必要がある。このことは福祉施策 と労働施策を本格的に統合しないと整理が図れないのではないか。 福祉施策と労働施策の関係のあるべき方向の更なる検討のために一元化さ れた場の設置を強く求めたい。 ・P.9のところで「社会的入院」を「長期入院患者」の言葉に置き換えたの はなぜか。「社会的入院」の言葉の方が社会に与えるインパクトが強い。 置き換えた理由を伺いたい。(厚生労働省(事務局)より「“社会的入院” の言葉の中身の整理がなされていない中で、従来から使われている“受入 が整えば退院可能な長期入院患者”との言葉を使用している」との回答あ り。その後部会長より「多くの委員からの意見をふまえ“長期入院患者 (社会的入院)”という文言にできないか事務局で検討してほしい」との 回答あり) ・精神障害者の「社会的入院」と言われている一方で、全てとは言わないが、 施設入所にも社会的背景によるものが含まれており、一定の基盤整備が図 れれば地域移行が可能な人もいるのではないか。制度の優先順位として相 談支援や基盤整備など、地域移行を阻害している要因を除くための施策の 充実をお願いしたい。 ・国の財政が厳しい状況があり、このような中で報告書の見直しの内容が示 されているとの表現を報告書の中に入れ込むことはできないか。 ・今までの部会における議論の中で、財政難でこれだけのことしかできない という議論はしていない。障害者施策のあるべき姿を議論してきたはず。 「国の財政が厳しい中で」の文言は入れる必要はない。 ・P.19の「福祉施策と労働施策の関係」について、いわゆる“福祉的就労” をどう取扱うかが課題になると思う。「障害者権利条約の動向を踏まえ て」という文言を入れて、今後の福祉施策と労働施策との関係のあるべき 方向について、福祉的就労の取扱いも含めて検討していくべき。 ・障害者自立支援法の見直しの目的の一つは、障害者の信頼を取り戻すこと にあると思う。この報告書が今後どのように取扱われ、具体的な見直しに 反映されるのかを伺いたい。(事務局(厚生労働省)より「@報酬改定に 向けた年末の予算折衝のための資料として活用する。Aこの報告書で示さ れた見直しの方向性を受けて、法改正に関わるものは年明けの通常国会へ の提出に向けて、併せて法改正に関わらない運用面の見直しの作業を行っ ていく。この作業を行う過程の中で各団体ともよく相談し、現場の意見を 十分反映させていきたい」との回答あり)  -------------------------------------------------------------------------- 社会保障審議会障害者部会 報告  〜障害者自立支援法施行後3年の見直しについて〜 概要 ※「報告」内の「基本的な考え方」部分を抜粋 T 相談支援 ○ 障害者が地域で安心して自立生活を送っていくためには、障害者が日々 の暮らしの中で抱えているニーズや課題にきめ細かく対応し、必要に応 じて適切な障害福祉サービス等に結びつけていくための相談支援が重要 である。 ○ しかしながら、障害者の相談支援については、市町村等によって取組状 況に差があるという指摘があるとともに、ケアマネジメントを行うため に障害者自立支援法で導入されたサービス利用計画作成費については、 平成20年4月現在で利用者が1,919人に過ぎないなど、相談支援が十分に 行われていない状況がある。 ○ このため、障害者が、様々なサービスや地域資源等も活用しながら、地 域で自立して安心して暮らしていけるよう、以下の観点から障害者の相 談支援の充実を図るべきである。    @ 地域における相談支援体制の強化    A ケアマネジメントの充実    B 自立支援協議会の充実 U 地域における自立した生活のための支援 U−1 地域での生活の支援 ○ 障害者自立支援法では、「障害のある人が普通に暮らせる地域づくり」 を目指し、障害者の地域移行を進めることとしている。 ○ しかしながら、例えば、平成17年10月1日現在の施設入所者139,009人に ついて、平成19年10月1日までに地域生活に移行した者が9,344人(6.7 %)いるものの、新たに入所した者がおり、同日現在の施設入所者数は 138,620人と、入所者数については389人の減(0.3%の減)に過ぎない。 また、精神疾患により入院する患者についても、近年、1年以上入院患 者数が23万人弱で大きく変化していないなど、受入条件が整えば退院可 能となる長期入院患者の地域移行がまだ十分に進んでいるとは言えない 状況にある。 ○ このため、退所・退院が可能な者について地域移行を更に進めていくと ともに、できるだけ地域での自立した生活を継続していけるようにする ため、以下の観点から支援の充実を図るべきである。    @ 地域移行の促進    A 「住まいの場」の確保    B 地域生活に必要な「暮らし」の支援 U−2 就労支援 ○ 障害者自立支援法では、それまでの授産施設等を、目的・機能によって、 一般就労を希望する障害者を対象とする「就労移行支援」と、一般就労 が困難な障害者を対象とする「就労継続支援(A型・B型)」に再編する など、就労支援の強化を図っている。 ○ 法の施行後まだ2年が経過したところであり、引き続き実施状況をみてい く必要があるが、障害者の自立を支援する観点から、今後とも就労支援 の充実と活性化を図っていく必要がある。 ○ 障害者がその能力を十分に発揮し、地域で自立して生活することができ るよう、以下の観点から、就労支援の充実を図るべきである。    @ 一般就労への移行支援の強化    A 就労継続支援の在り方    B 障害者雇用施策等との連携強化等 U−3 所得保障 ○ 障害者の所得保障については、障害者の生活の安定を図る観点から、就 労支援を含め、幅広い観点に基づく検討が必要である。 ○ 就労支援を除いた障害者の所得保障に関する施策は、現在、障害年金、 各種手当など様々なものがあるが、他方、地域生活での支援という意味 で、住宅費への対応の必要性も指摘されており、以下の観点から検討す ることが必要である。    @ 年金、手当など現行制度の在り方    A 住宅費など地域移行推進のための新たな課題への対応 V 障害児支援 ○ 障害児支援については、長らく全体的な見直しが実施されておらず、障 害者自立支援法の制定の際、同法の附則において、施行後3年の見直し における具体的な検討項目の一つとされている。 ○ 障害児を取り巻く環境の変化を踏まえ、厚生労働省において「障害児支 援の見直しに関する検討会」が開催され、本年7月に、今後の障害児支 援のあるべき姿と具体的施策について報告がまとめられている。 ○ これを踏まえ、障害のある子どもが心身ともに健全に育つ権利を保障す るとともに、「自立と共生」という理念の下、障害の有無にかかわらず 安心して暮らせる地域づくりを目指し、以下の4つの基本的視点を基に、 障害児支援施策について充実させていくべきである。    @ 子どもの将来の自立に向けた発達支援    A 子どものライフステージに応じた一貫した支援    B 家族を含めたトータルな支援    C できるだけ子ども・家族にとって身近な地域における支援 W 障害者の範囲 ○ 障害者自立支援法の附則の施行後3年の見直し規定では、障害者の範囲 を含め検討することとされており、障害者自立支援法上の障害者の範囲 について、以下の観点から必要な見直しを行うべきである。    (1)障害者の定義    (2)手帳制度 X 利用者負担 ○ 障害者自立支援法では、費用を広く国民全体で分かち合う観点から、各 サービスにかかる費用の9割以上を公費(自立支援医療については保険 を含む)で負担する一方、所得に応じて最大でも1割まで利用者が負担す ることとしている。 ○ これまで、平成19年4月からの特別対策、平成20年7月からの緊急措置と 2度にわたり利用者負担の軽減措置が行われているが、これらの措置を更 に継続しつつ、必要な見直しを行うべきである。 Y 報酬 ○ 障害福祉サービスの質の向上、良質な人材の確保と事業者の経営基盤の 安定のため、平成21年4月に障害福祉サービス費用の額(報酬)の改定 を実施すべきである。 Z 個別論点 Z−1 サービス体系 ○ 障害者自立支援法では、三障害の一元化や実施主体の市町村への一元化、 利用者本位のサービス体系への再編、就労支援の強化、支給決定の透明 化・明確化などの仕組みを導入している。これらの利点を活かしつつ、 必要な見直しを実施すべきである。 Z−2 障害程度区分 ○ 現行の障害程度区分について、知的障害、精神障害をはじめ各々の障害 特性を反映したものに見直すべきである。 ○ また、障害程度区分に応じて定められている障害者支援施設の入所の要 件や国庫負担基準についても、必要な見直しを行うべきである。 Z−3 地域生活支援事業 ○ 地域生活支援事業の充実を図るため、必要な見直しを行うとともに、そ の一部について自立支援給付とすることについて検討すべきである。 Z−4 サービス基盤の整備 ○ サービス基盤の整備については、厚生労働大臣が定める基本指針に基づ き、各都道府県・市町村において障害福祉計画を策定し、計画的に基盤 整備を行うこととされており、現在、第二期計画(平成21〜23年度)の 策定作業が進められている。 ○ 障害福祉計画に基づき、各地域において計画的に基盤整備を進めるとと もに、障害者福祉を担う人材の確保や、中山間地等におけるサービスの 確保に取り組むべきである。 Z−5 虐待防止・権利擁護   ○ 障害者の虐待防止法制について検討するとともに、成年後見制度等の利 用促進を図るべきである。 Z−6 精神保健福祉施策の見直し ○ 厚生労働省で開催されている「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関 する検討会」の「中間まとめ」(平成20年11月)を踏まえ、精神障害者 の地域生活への移行及び地域生活の支援を推進する観点から、精神保健 福祉施策固有の事項について、精神保健及び精神障害者福祉に関する法 律の改正等を含め、必要な対応を図るべきである。 Z−7 その他 (介護保険制度との関係) ○ 介護保険の被保険者・受給者の範囲の見直しについては国民的な合意形 成が必要である。    障害者施策として必要な対策については、この議論にかかわらず、進め ていくべきである。 (障害者の権利に関する条約について) ○ 「障害者の権利に関する条約」については、批准に向けて、現在、外務 省を中心とする政府内の「障害者権利条約に係る対応推進チーム」にお いて、国内法との整合性を確認する作業が行われているところである。 ○ 本部会で検討を行ったそれぞれの項目についての議論に当たっても、障 害者の権利に関する条約との整合性が図られるよう、十分検討していく ことが重要であり、引き続き、政府内において、批准に向けて検討が進 められるべきである。 (障害者に対する支援の在り方) ○ 以上、記してきたような制度の見直しとともに、個々の障害者に対して、 どのような支援を行っていくことが適当かという、個々の支援の内容・ 在り方についても、今後検討していくべきとの意見があった。より良い 制度を目指していくとともに、個々の支援をより良いものとしていくこ とは、障害者の生活の質の向上という面からも重要なことと考えられ、 事業者団体による取組も含めて、研究・検討が進められるべきである。 (障害者自立支援法等以外の施策の推進) ○ 障害者の自立した生活を支援するとともに、障害の有無にかかわらず国 民が相互に人格と個性を尊重し支え合う共生社会を目指していくために は、国民の理解と協力、参加を得ながら、障害者福祉をはじめ様々な分 野での取組を進めていくことが必要である。 このため、以上のような障害者自立支援法等以外の、例えば、共生社会 の理念についての普及や、障害についての一層の理解促進、ボランティ ア活動の推進等の施策についても、引き続き推進を図るべきである。  -------------------------------------------------------------------------- 〔参考URL〕【WAM NET】 http://www.wam.go.jp/ (「行政資料」→「審議会など」→「社会保障審議会」→「障害者部会」)