障害福祉部ニュース (障害福祉制度・施策関連情報) 2008年9月29日 12(通算202号) 発行:全国社会福祉協議会・障害福祉部 〒100-8980 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル内 TEL:03-3581-6502  FAX:03-3581-2428 e-mail:z-shogai@shakyo.or.jp 1.第39回社会保障審議会障害者部会の開催  平成20年9月24日、第39回社会保障審議会障害者部会が開催され、前回示された「障害 者自立支援法の見直しに係る主な論点」の中の項目「(U)地域における自立した生活の ための支援」の「@地域での生活の支援」について、ア.地域移行の促進、イ.「住ま い」の場の確保、ウ.地域生活に必要な「暮らし」の支援を論点に審議が進められた。  冒頭、厚生労働省(事務局)より今回の論点に基づく資料の説明があり、その後、各委 員との意見交換が行われた。委員の中から「まず先に地域移行の促進のための“施策あり き”ではなく、地域移行したい障害者の所得保障(お金)の問題、必要な支援やサービス (暮らしの安心の担保)の問題、必要な住まいの場の確保(社会資源の整備)の問題など の議論をした上で、初めて“地域移行の促進のための施策”の議論ができるのではないか。 議論の順序が逆ではないか」との意見が出された。この発言を受けて、部会の最後に、潮 谷部会長より「区切られた論点の中で議論をすると“深まらない”という実感が、委員か らひしひしと伝わってくるが、委員からの積極的な意見を事務局が整理し、収斂させてい きたいと思う。今後も確認された論点の下に方向性の議論をしていくことを、ご了解いた だきたい。」と発言があった。  -------------------------------------------------------------------------- 地域における自立した生活のための支援に関する各委員からの主な意見   地域での生活の支援 【ア.地域移行の促進】 ・刑務所には多くの障害者が入所しており、年々増えている状況にある。障害に よるハンディキャップ故に自立ができず、再犯によって刑務所への入所を繰り 返している。自立のためには安定した地域移行が必要であり、再犯の防止にも つながる。このような障害者への配慮(法の運用面での配慮)をお願いしたい。 ・入所施設や精神科病院における地域移行を支えるコーディネート機能の充実は 必要だと思うが、最も大切なのは地域における相談支援体制の充実だと思う。 ・地域移行にあたって親や家族の立場で不安に思っているのは、現在のグループ ホーム ・ケアホームの夜間支援体制が十分でなく、入所施設と同等のケアが受けられな いということである。この部分が解決すれば地域移行もスムーズに進むように なるのではないか。 ・これまでグループホームは入所施設が作ってきた例が多いと思う。特に知的障 害者の場合、地域移行に向けての本人や保護者への理解が必要であり、また、 地域生活を継続させるのは大変な努力が必要である。実際のグループホームで は入所施設並みの支援が必要。これをどう捉えるか考えなければならない。 ・地域移行が十分進んでいない状況にあるが、なぜ十分に進まないかの分析が必 要ではないか。一つはお金の問題であり、事業所の側では利用者の地域移行に よって収入が減るとの声もあり、利用者の側では保護者が持ち出ししないと地 域移行できないとの声もある。 ・地域移行を支えるコーディネート機能の充実の前に、地域における移行のため の社会資源を整備していくことの方が重要だと思う。 ・まず取り組むべきことは障害者自立支援法のサービスを充実させていくことで あり、単純に言えば予算をいかに増やしていくかの問題だと思う。 ・ケアホーム・グループホームについて、職員配置を増やし報酬を増やす必要が あると思う。 ・まず先に地域移行のための施策ありきではなく、地域移行したい障害者の所得 保障の問題、必要な支援やサービスの問題、必要な住まいの場の確保の問題な どの議論をした上で、初めて地域移行の促進のための施策の議論ができるので はないか。議論の順序が逆ではないか。 ・精神障害者においては、障害当事者のサポートだけでなく、家族へのサポート も必要である。 ・障害者自立支援法の理念である「障害のある人が普通に暮らせる」とは誰が決 めているのか。基本的には障害当事者の声が重要であり、これらの人たちが地 域での生活を望むのか、施設での生活を望むのか、自己決定権・選択権といっ たものがなければならないと思う。 ・知的障害者の場合はこれまで長い間、自己決定は親がしているケースが多く、 自己決定権・選択権といっても分からない人も多い。選択するといっても長年 の教育が必要である。    【イ.「住まい」の場の確保】【ウ.地域生活に必要な「暮らし」の支援】 ・地域でサービスを支える人材がしっかりと確保されるようにしていただきたい。 ・身体障害者のケアホーム・グループホーム利用については、あくまでも本人の 選択ということが重要であり、選択肢の一つとして認めていく必要があると思 う。 ・身体障害者のケアホーム・グループホーム利用について、単にコストが安いか らここに行けという外圧がかかるのは本末転倒である。このようなことで自己 決定できなくなるようでは困る。 ・身体障害者のケアホーム・グループホーム利用について、高齢にともなう障害 のある人の入所をどう捉えるかの問題も考える必要がある。ある一定の年齢で 障害者手帳を出さないという対応も考えられるのではないか。 ・ケアホーム・グループホーム、福祉ホームを統合し、三障害共通利用の障害者 の共同生活・個人生活の場として、地域の中に確保することを提案したい。 ・平成19年11月からの都市計画法の改正や租税特別措置法の土地譲渡に係る5千 万円の特別控除の対象に第2種社会福祉事業である障害福祉サービスがほとん ど認められていない実態などにより、日中活動支援サービスやグループホーム・ ケアホーム等の障害者の地域生活支援の場が作りづらくなっている現実を充分 踏まえていただきたい。  --------------------------------------------------------------------------    次回は、10月8日に開催され、「障害者自立支援法の見直しに係る主な論点」の中の項 目「(T)相談支援」の@ケアマネジメントの在り方、A相談支援体制について議論が行 われる予定。 〔参考URL〕【厚生労働省】http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/09/s0924-9.html ******************************************************************************** 2.障害者自立支援法の見直しに関するパブリックコメントについて  現在、社会保障審議会障害者部会において障害者自立支援法の「施行後3年の見直し」 に関する検討が進められているが、あわせて厚生労働省では、今後の検討の参考とするた め、下記のとおり障害者自立支援法の見直しに関する意見を広く募集している。      1.募集期間   平成20年9月10日から平成20年11月10日まで    2.募集内容   障害者自立支援法の見直しに関する意見    3.提出方法   @電子メール              shougaibukai@mhlw.go.jp             A郵送              〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2                    厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課             BFAX              03-3502-0892    4.意見書の様式  下記ホームページより様式をダウンロード  ※詳細は下記ホームページを参照。 〔参考URL〕 【厚生労働省】http://www.mhlw.go.jp/public/bosyuu/iken/p0910-2.html ******************************************************************************** 3.研究会・検討会等の動向 (1)「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」  平成20年9月25日、第10回「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」が開 催された。今回の検討会では、前回示された「これまでの議論の整理と今後の検討の方向 性(論点整理)」を踏まえ、@地域生活への移行・地域生活の支援、A精神科救急・精神 保健指定医について検討が行われた。  地域生活への移行・地域生活の支援については、個別の論点として、@入院中から退 院・退所までの支援の充実、A住まいの場の確保、B地域生活を支える福祉サービス等の 充実が挙げられ、精神科救急・精神保健指定医については、@精神科救急医療体制、A精 神保健指定医の確保が挙げられ、それぞれの論点について各委員より意見が出された。  次回の検討会は、10月17日に開催され、@相談支援、A福祉サービス等の充実について 検討が行われる予定。 〔参考URL〕【WAM NET】 http://www.wam.go.jp/ (「行政資料」→「福祉」→「社会福祉全般」→「検討会等」) (2)「労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究会」  平成20年9月24日、第5回「労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方 に関する研究会」が開催された。今回の研究会では、前回に引き続き、障害者関係団体 (@全日本手をつなぐ育成会、A東京都自閉症協会、B日本発達障害ネットワーク、C全 国精神障害者団体連合会)からヒアリングが行われ、労働・雇用分野で求められる「合理 的な配慮」に関する意見が出された。  次回の検討会は、11月上旬頃に開催され、引き続き、障害者関係団体からのヒアリング が行われる予定。 〔参考URL〕【WAM NET】 http://www.wam.go.jp/ (「行政資料」→「障害者福祉」→「調査研究・報告等」→「障害者雇用・就労関連」)