障害福祉部ニュース (障害福祉制度・施策関連情報) 2008年8月25日 9(通算199号) 発行:全国社会福祉協議会・障害福祉部 〒100-8980 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル内 TEL:03-3581-6502  FAX:03-3581-2428 e-mail:z-shogai@shakyo.or.jp           1.第37回社会保障審議会障害者部会の開催  平成20年8月20日、第37回社会保障審議会障害者部会が開催され、@日本重症児福祉協 会、A全国重症心身障害児(者)を守る会、B日本精神科病院協会、C全国精神障害者社会 復帰施設協会、D全国精神保健福祉会連合会、E日本精神保健福祉士協会、F全国知事会、 G全国市長会、H全国町村会からのヒアリングが実施された。各団体からの主な意見は以 下のとおり。                各団体からの主な意見 【@日本重症児福祉協会】 ・課題提起−@重症心身障害児施設における医師・看護師の確保の困難、A「超重症 児」「準超重症児」の増が顕著、B常時ほぼ満床、C入所待機者問題 ・「超・準超重症児」の受け入れの困難状況の改善 ・「重症心身障害通園事業」の維持・改善 ・障害者自立支援法下での「療養介護型」の重症児通園事業の設定(新設) ・短期入所での「準・超重症児加算」の新設 ・重症心身障害児・者一貫体制の維持(成育医療の観点) 【A全国重症心身障害児(者)を守る会】 ・重症心身障害児施設における、児者一貫した処遇体制の確保 ・短期入所の拡充 ・重症児者に対応できる技量能力を持ったホームヘルパーの確保 ・訪問看護の派遣時間の延長など医療的支援の拡充 ・緊急受け入れ可能な医療機関の設置 ・重症児者の日中活動の場(通所・通園)の確保(特別支援学校卒業後、生きがいをも って通える場づくり=重症心身障害児(者)通園事業の法定化) ・ライフステージに応じた支援−@早期発見、早期療育の連携体制の整備、A障害の特 性、発達段階に応じた適切な療育支援施策の構築、B特別支援教育の充実(医療ケア の必要な重度障害の児童が通学できる整備体制) ・利用料の軽減措置と、施設入所後の特別児童扶養手当支給継続 【B日本精神科病院協会】 ・精神科病院経営医療法人による精神障害者支援施設(生活介護型)または居住サービ スと日中活動サービス一体的提供施設の設置に向けた法の見直し ・ ケアホーム設置要件の緩和と施設設備費による促進対策の実施 ・精神障害特性に充分配慮した福祉サービス体系への見直し−@障害程度区分の見直し、 A相談支援・ケアマネジメントについて精神科医療機関設置の「地域生活支援室」を 軸に精神保健福祉士・看護師等の専門職が関わる仕組みづくり、B介護給付認定前 のショートステイの活用を可能に ・単独型の居住支援サービス事業が運営可能となるサービス給付費の改善、居住費補助、 社会復帰施設の経過措置延長 ・自立支援医療費および福祉サービス費の自己負担上限額の軽減措置 ・自立支援医療再申請に要する診断書有効期間の、2年間への改善 ・障害者所得保障の抜本的改善(無年金障害者や2級年金単身者等が所得保障改善策の 枠外であることの改善) 【C全国精神障害者社会復帰施設協会】 ・介護給付、訓練等給付事業の報酬単価の引き上げ−@精神障害者の施設外支援には環 境対応の時間や日数がさらに必要(180日以上へ)、B旧法必置であった作業療法 士・精神保健福祉士の配置基準の見直し、B事務量の膨大化に伴う報酬単価の増、C 夜間の見守り体制確保のための報酬単価設定、D地域生活支援事業の地域間格差の是 正 ・グループホーム、ケアホーム、自立訓練(生活訓練)の短期滞在、宿泊型基準報酬単 価の引上げ ・地域生活支援事業財源の、地方交付税と義務的経費の2階建て化 ・ 相談支援事業の人材確保と地域格差の是正 ・障害福祉サービスの利用対象者範囲の拡大−@精神科退院に向けての入院中からの利 用を可能に、A平成24年以降も経過措置者同様に就労経験がなくても就労継続支援事 業B型を利用できるように改善、B福祉サービス支給決定前でもサービス利用計画作 成費の支給決定が認められるように改善 ・経過措置期間中の特別対策の恒久化 ・精神科救急医療体制と自立支援医療の更なる充実化 ・地域自立支援協議会の法的位置づけの強化や障害福祉計画立案における障害当事者の 参画推進 【D全国精神保健福祉会連合会】 ・ 自立支援医療費の見直し(負担額の軽減) ・自立支援医療や福祉サービス利用にあたっての利用者に負担をかけない手続きの簡略 化 ・精神障害の障害特性が反映される障害程度区分のあり方と、ケアマネジメントに基づ くサービス提供の改善 ・相談支援事業の整備強化(相談支援事業者の設置基準の改善と訪問型相談支援の創 設) ・就労訓練前のゆるやかな社会参加の場、多様なプログラムの訓練の場である日中活動 の場づくり 【E日本精神保健福祉士協会】 ・障害者権利条約批准に向けた国内法整備の取り組みと自立支援法の見直し(国際的 基準に照らしての改正作業を) ・障害者手帳保持という申請要件の見直し ・障害程度区分の改善−@環境も含めた生活課題を中心に据えた支援ニーズ評価の指標 化、A本人や家族の申し立て書、国家資格を有する支援者からの意見書の添付を可能 にする ・障害福祉施策の財源保障の見直し(利用者負担のあり方の見直しと併せて) ・所得保障に関する早急な対策 ・サービス体系と報酬−@個別給付に規定されたサービス以外にも報酬の仕組みを(グ ループホームからアパートに移住した利用者や日中活動利用が定着しない利用者への 相談支援等)、Aサービス管理責任者の知識・技能を有する者への規定化 ・小規模作業所の良さを活かせる体系の検討 ・給付申請事務の負担軽減対策 ・多機能型事業所での就労移行支援と就労継続支援の利用料の差の是正 ・就労移行支援事業の推進のための特別プログラムの実施、または有資格専門職の配置 の要件化 ・ハローワークにおける障害者相談や障害者職業相談センターへの精神保健福祉士等の 必置と、労働局施策との更なる連携強化 ・地域生活支援事業の基盤整備期における財政的責任の明確化と、国や都道府県による 目標値に基づいた有期限整備 ・地域自立支援協議会の設置義務化と、障害福祉計画実施状況の毎年評価 ・地域活動支援センターへの専門職の配置 ・10万人に1か所の障害者総合支援センター(仮称)創設と、精神保健福祉士等の必置、 「障害者相談支援専門員(仮称)の設置とケアマネジメント体制の整備 ・地域移行支援事業の相談支援事業内への位置づけと個別給付事業化 ・人材育成と人材確保対策(精神保健福祉士の配置を含めて) ・精神保健福祉士の資格と役割、業務規定、配置可能な職域に関する法的改善 【F全国知事会】 ・利用者負担の軽減措置の恒久化、利用者にとってわかりやすい制度化 ・利用者負担問題についての、利用者収入・所得保障のあり方との一体的な検討 ・事業者の経営基盤強化(報酬単価・人員配置基準の改正。特に、法施行前の事業者 収入の確保) ・知的障害、精神障害の特性を反映できる障害程度区分の見直しと、2次判定の際の判 定基準整備 ・利用できるサービスの制限の見直しと、ケアマネジメントによるサービス利用決定の 仕組み化、全障害福祉サービス利用者に指定相談支援事業者によるサービス利用計画 作成費の算定化 ・地域生活を支えるグループホーム等の基盤整備の充実と、身体障害者のグループホー ム、ケアホームの利用対象化 ・重症心身障害者地域移行推進措置としての報酬等の加算 ・精神障害者の自立及び社会参加促進のため、公共交通機関の運賃、有料道路料金の減 免等の実施 ・精神障害者が利用できる事業所の拡大と、障害特性を考慮しての報酬単価・人員配置 基準の改定 ・地域生活支援事業国庫補助金の、地域の取り組み状況を踏まえた配分と財源確保 ・就労支援について福祉と労働部門の連携強化(ハローワークを中心とした関係機関と の連携) ・就労支援を担う人材(ジョブコーチ)の充実と育成 ・発達障害者の就労支援(障害者雇用率の算定に加える等) ・障害児のライフステージに応じた一貫支援のための施策の充実 ・障害児施設の入所に関する措置の判断基準の明確化 ・発達障害者を障害者自立支援法の支援対象の範囲に含める ・発達障害に関する専門職員の養成の充実  【G全国市長会】 ・地域生活支援事業−地域ごとのサービス格差の解消やサービス利用者の公平性・継続 性の確保、地域実態を踏まえた十分な予算額の確保 ・障害者の多様なニーズに適応した福祉施設の整備に対する十分な財政措置 ・報酬の見直し−@事業所の安定的な運営の確保、A地域における利用者の公平性や利 用実態を十分踏まえた対応 ・施行3年後の見直しについて−@今後の制度変更については地方の意見や実情を反映、 A国民の理解と信頼が得られるよう内容周知の徹底に十分な準備期間の設定、B制度 変更に伴う経費やシステム改修経費等に対する十分な財政措置、C国の都合による制 度変更については地方に負担転嫁することなく国の責任における万全の財政措置を  【H全国町村会】 [発言概要] ・障害者自立支援法の事業内容は、町村では対応できないものであるが、それでも努力 をしている状況。町村に負担をかけさせるこのような事業は、全国約7割の町村で実 施不可能。小規模な町村でも実施可能な制度作りをすべきであり、法制度を作るうえ では町村や利用者の声を十分に聴くべき。 ・障害者へのサービス利用料負担の改善を図るべき。 ・町村では専門職等の人材確保ができず、専門的知識をもつ人材の確保が課題。 ・制度が中途半端であり、障害者は我慢をしている状態である。利用者がわかりやすく 満足できる制度作りをすべき。  次回は、平成20年9月10日に開催され、これまでの議論の整理を踏まえた論点を整理し、 議論が進められ る予定。 〔参考URL〕【WAM NET】http://www.wam.go.jp/ (「行政資料」→「審議会など」→「社会保障審議会」→「障害者部会」)              2. 研究会・検討会等の動向 【(1)「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」】  平成20年8月21日、第8回「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」が開 催された。今回の検討会では、精神保健医療福祉分野における有識者からのヒアリングが 行われ、イギリスの精神保健医療改革やオーストラリアの精神保健国家戦略、包括型地域 生活支援プログラム(ACT)等が紹介された。  次回は平成20年9月3日に開催され、今回のヒアリング結果をもとに、今後の精神保健 医療福祉のあり方について検討が進められる予定。 【(2)「発達障害者施策検討会」】  平成20年8月18日、第5回「発達障害者施策検討会」が開催された。今回の検討会では、 前回提出された発達障害者施策の今後の方向性に関する報告書案をもとに、発達障害者支 援における課題や今後の対応の方向性などについて検討が行われた。報告書案では、今後 の発達障害者支援の施策について、@地域生活支援体制の整備、A支援手法の開発、B調 査・研究、C人材の育成に関する基本的な方向性が示された。  検討会は、今回の議論をふまえ、8月中に報告書を公表する予定。同報告書が公表され 次第、本ニュースで報告する。  3. 社会福祉施設長等サービス管理研修会(人材育成スキルアップコース)のご案内  全社協・中央福祉学院では、社会福祉施設長等が社会福祉従事者のキャリアアップを支 援するために、管理者として心得ておくべき知識、必要なポイント等を学ぶため、「平成 20年度社会福祉施設長等サービス管理研修会(人材育成スキルアップコース)」を以下の とおり開催する。詳細については、中央福祉学院ホームページを参照されたい。      日 程:平成20年9月28日(日)〜30日(火)    会 場:中央福祉学院「ロフォス湘南」    対象者:本研修会のテーマ・プログラムに関心のある社会福祉施設の施設長等    定 員:200名    締切日:平成20年9月1日(月) ※締切日を過ぎても、定員に空きがある場合は、随時受け付けるので、下記の連絡先にお 問い合わせいただきたい。    内 容:【1日目】講義「人材育成のこれからの課題」               武居 敏 氏(聖霊福祉事業団 常務理事)          講義「現場で求められる上司力〜組織の要である中間管理者の 役割と新しい時代への対応に向けて〜」            高橋 克徳氏(ジェイフィール執行役員/多摩大学経営情 報学部講師)        【2日目】講義「経営の視点と人材育成〜職場のキャリア開発を考える 〜」               高橋 俊介氏(ピープルファクター・コンサルティング代               表/慶応義塾大学大学院政策メディア研究科教授)             講義「人材育成マネジメント〜新人職員をいかに育てるか〜」               國眼 眞理子氏(東北公益文化大学 教授)     【3日目】講義「企業の人材育成〜魅力ある人づくり〜企業内大学『エ            コール資生堂』の試みから」             深澤 晶久氏(株式会社資生堂人事部次長 人材育成グルー プ代表) その他:本研修会の申込用紙は、中央福祉学院ホームページ(http://www.gakuin.gr.j p)よりダウンロードできる。   〔問い合わせ先・申込み先〕    社会福祉法人 全国社会福祉協議会・中央福祉学院    〒240-0197神奈川県三浦郡葉山町上山口1560-44     TEL 046-858-1355 / FAX 046-858-1356     E-mail z-gakuin@shakyo.or.jp     HP http://www.gakuin.gr.jp