障害福祉部ニュース (障害福祉制度・施策関連情報) 2008年8月11日 8(通算198号) 発行:全国社会福祉協議会・障害福祉部 〒100-8980 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル内 TEL:03-3581-6502  FAX:03-3581-2428 e-mail:z-shogai@shakyo.or.jp          1.第36回社会保障審議会障害者部会の開催  平成20年8月6日、第36回社会保障審議会障害者部会が開催され、@全国身体障害者施 設協議会、A日本知的障害者福祉協会、B全国社会就労センター協議会、C全国肢体不自 由児施設運営協議会、D全国肢体不自由児通園施設連絡協議会、Eきょうされん、F障害 のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会からのヒアリングが実施された。各団 体からの主な意見は以下のとおり。               各団体からの主な意見 【@全国身体障害者施設協議会】 ・ 障害者自立支援法の見直し等に向けた前提としての、@障害保健福祉関係予算の更な   る拡充、A人材の確保に向けた施策の推進と報酬の見直し、B入所施設の一層の機能 強化、C所得保障と利用者負担のあり方の総合的な検討と必要な対応 ・ 平均障害程度区分に基づく基準・報酬の見直し(個々の障害程度区分に着目する仕組   み) ・ 報酬算定日数と報酬の見直し(障害者支援施設における土・日曜の日中活動の報酬算  定、施設入所支援の報酬の引上げ、小規模事業所の報酬の抜本的見直し、等) ・ 医療的ケアへの対応(研修等を要件に介護職員による一定の実施を認めること) ・ 障害程度区分認定の見直し(総合的に「支援の必要度」を把握できるものに) ・ ケアホームの拡大等身体障害者の住まいの場の充実 ・ 緊急措置の来年度以降の継続 ・ 冷暖房費等物価高騰にともなう緊急措置 【A日本知的障害者福祉協会】 ・ 介護保険と障害福祉の完全分離(障害福祉施策の財源は保険料ではなく税とするこ    と) ・ 新たな支援尺度と支給決定プロセスの構築(障害ごとの特性を適切に反映した新たな  支援尺度と支給決定プロセスを構築するとともに、判定の決定や支給決定に対しての 都道府県の調整機能的役割を求める) ・ サービスの選択権・決定権の保障(すべてのサービスにおける利用制限および利用期  間の撤廃) ・ 事業体系の見直しと簡素化(事務職員の配置の基準化、サービス利用契約の簡素化、 介護給付と訓練等給付の一本化、移動支援・日中一時支援等の義務的経費化) ・ サービス費(報酬)の抜本的見直し(平均障害程度区分に基づく基準・報酬の見直し、 障害者支援施設における土・日の日中活動の報酬算定) ・ 人材と支援の質の確保(資格要件等を入れた常勤配置の最低基準への位置付け) ・ 利用者負担の軽減(入所施設利用者の負担の軽減、障害児の利用者負担の二重負担の 問題) ・ 平成23年度までの経過措置の延長 【B全国社会就労センター協議会】 ・ 就労支援給付を創設し、就労支援事業の抜本的な充実を図ること ・ 障害者の働く場として就労継続支援事業を明確に位置付けること(@働く場における 利用者負担をなくすこと、A就労継続支援事業の報酬単価を抜本的に改善すること) ・ 小規模での事業運営を可能とする単価設定(小規模単価を設定すること) ・ 報酬の月払いを基本とすること(単一事業をほぼ毎日利用する場合は月払い報酬) ・ 障害者の働く場に対する適正な条件による安定的な仕事の確保を図ること ・ 支援の必要度と利用者ニーズに応じた支給決定ができる仕組み ・ 障害者の住まいの場の確保と充実(地域生活を可能とする条件整備が整うまでの間、 障害者支援施設が行うことのできる障害福祉サービスに就労継続支援事業を含めるこ と) ・ 利用者負担のさらなる改善 ・ 障害者の所得保障の早期実現 ・ 事業体系の見直し(自立訓練事業の生活・活動支援事業への統合など) 【C全国肢体不自由児施設運営協議会】 ・ 見直しの前提(@児童福祉法のもとに下位概念としての障害者自立支援法、A障害児 支援に関する検討会報告書の尊重、B障害児福祉予算の増額) ・ 障害児施策において考慮すべき点(@少子化対策、Aセーフティーネットとしての役 割、B国際的な評価、C福祉の産業としての評価) ・ 肢体不自由児施設は名称と実態が整合していない ・ 肢体不自由児施設の機能の充実 ・ 進むべき方向(@児者一本化+発達保障(介護保険はなじまない)、A属人化、B障 害の一元化、C施設から在宅へ) ・ 実施主体について(従来どおり都道府県が主体となって所轄すること) 【D全国肢体不自由児通園施設連絡協議会】 ・ 障害のある子どもの状況(@脳性麻痺児の発症率の増加、A在宅重症心身障害児の増 加、B自閉症等の発達障害児の増加) ・ 障害児通園施設の現状と問題点(@障害児通園施設の不足と都市部への集中・偏在、 A障害種別(知的障害・肢体不自由・難聴)に分かれた施設体系、B年齢によって分 かれた制度、C一般保育所や普通学校の障害児の増加) ・ 肢体不自由児通園施設が提供できる機能(@医療型障害児施設=医療専門性を基盤に した子育て支援機能、A地域拠点となり得る多専門職種の配置) ・ 今後の障害児支援のあり方(@相談支援事業を基盤にした家族・地域支援機能の充実、 A一般保育所の障害児受け入れを促進、B市町村域での児童デイサービス設置の促進、 C障害児通園施設の一元化(障害種別の撤廃)、D市町村域−障害保健福祉圏域−都 道府県域の重層化された障害児支援システムの構築) 【Eきょうされん】 ・ 障害者自立支援法施行による具体的影響と実態の検証・評価(一人ひとりの具体的な 生活実態に即した検証) ・ 国際基準に照らした見直し(障害者権利条約やICF、ILO159号条約など) ・ 応益負担などの費用負担制度について(応益負担は廃止、給食費などの実費負担も一 旦は廃止して議論を尽くすべき) ・ 小規模作業所・地域活動支援センターについて(地域活動支援センターは廃止して小 規模作業所等の法定事業化等への支援策を経過期間を設けて拡充すべき。小規模作業 所が存続する間は国と自治体は従来の補助金制度を継続させるべき) ・ 事業体系について(厚生労働科学研究の提言に基づき、@一般雇用・自営、A社会支 援雇用、Bデイアクティビティセンター、に再編すべき) ・ 障害程度区分について(一人ひとりのニーズと環境要因により必要な支援を決定する 新たな仕組みを構築すべき) ・ 事業者の報酬等の基準について(自立支援法以前の水準まで戻すとともに、報酬の日 払い方式や加算減算などの成果主義的なあり方、人員基準の常勤換算方式はやめるべ き) ・ 社会資源の拡充について(障害関連の社会資源を短期間に拡充していくための時限立 法の制定など法的な手段を講じるべき) ・ 障害施策の基幹的課題について(障害者自立支援法の見直しにとどまらない改正) 【F障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会】 ・ 地域生活移行を進めるために(@実際に入所施設で過ごしている本人(当事者)の ニーズを把握すべき、A地域生活移行コーディネーターの配置、Bグループホームの 不足) ・ 本人中心の地域での暮らしを進めるために(@共同生活援助と共同生活介護を統一し た「地域生活援助」とすべき、Aグループホームの大規模化を防止する対策、B個別 支援計画に基づく個別支給決定、Cグループホーム利用者もケアマネジメント対象 に) ・ 障害児にこそ普通の住まいが必要(@児童福祉法に則り育成されるべき、A地域に展 開されるすべての子育て支援サービスを等しく利用できるようにすべき、B相談支援 センターの充実、C地域小規模児童養護施設事業の障害児施設への導入、里親などの 元で養育される支援策の強化、障害児地域生活移行支援事業(仮称)の制度化、D地 域支援機能と社会的養護機能との柔軟な連携)    次回の障害者部会は8月20日に開催され、@日本重症児福祉協会、A全国重症心身障害 児(者)を守る会、B日本精神科病院協会、C全国精神障害者社会復帰施設協会、D全国精 神保健福祉会連合会、E日本精神保健福祉士協会、F全国知事会、G全国市長会、H全国 町村会からのヒアリングが行われる予定。 〔参考URL〕【厚生労働省】http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/08/s0806-9.html 2. 「障害児支援の見直しに関する検討会報告書」について  前号で既報のとおり、平成20年7月22日、3月から11回にわたって集中的な検討が行わ れた「障害児支援の見直しに関する検討会」が報告書を取りまとめた。検討会は、障害児 を取り巻く環境が変化している状況をふまえ、障害児支援施策全般についての見直しを行 い、今後の障害児施策のあるべき姿と、具体的な施策について検討を行った。報告書の概 要は以下のとおり。 障害児支援の見直しに関する検討会報告書(概要)   【見直しの基本的な視点】    1.子どもの将来の自立に向けた発達支援    2.子どものライフステージに応じた一貫した支援    3.家族を含めたトータルな支援    4.できるだけ子ども・家族にとって身近な地域における支援   【今後の障害児支援の在り方】    1.障害の早期発見・早期対応策     ・医療機関(産科、小児科等)、母子保健、障害児の専門機関等の連携を強化     ・「気になる段階」から、保健センター等の身近なところで専門的に支援    2.就学前の支援策 ・障害児の専門機関による、保育所等への巡回支援等により、保育所等での受入 れをできるだけ促進 ・通所施設について、障害種別における区分をなくし、多様な障害の子どもを受 入れられるよう検討    3.学齢期・青年期の支援策     ・放課後において、子どもの発達に必要な訓練などを実施するものは、放課後型 のデイサービスとして事業実施を検討     ・卒業後の地域生活や就労を見据え、夏休み等において体験的に就労事業等を利 用    4.ライフステージを通じた相談支援の方策     ・市町村を中心として、都道府県や障害児の専門機関が、市町村を支える体制     ・地域自立支援協議会(子ども部会の設置)等により関係者の連携を強化。教育 と連携した「個別の支援計画」づくり    5.家族支援の方策     ・心理的なカウンセリング、養育方法の支援等を検討     ・ショートステイの充実等により、家族の負担感を軽減    6.入所施設の在り方     ・障害の重複化等を踏まえれば、基本的な方向としては、一元化を図っていくこ とが適当。その際、それぞれの施設の専門性を維持していくことが可能となる よう配慮     ・子どもから大人にわたる支援の継続性を確保しつつ、満18歳以上の入所者は、 障害者施策として対応することを検討。その際、支援の継続のための措置や、 現に入所している者が退所させられることがないようにするなど配慮が必要。     ・特に、重症心身障害児施設については、更に児者一貫した支援の継続性が保た れるよう、小児神経科医師等が継続して関われるようにするなど、十分な配慮 が必要    7.行政の実施主体     ・通所については、在宅の支援施策との関係から、市町村とする方向で検討     ・入所については、以下の3案を踏まえ、さらに検討が必要      (第1案)市町村(この場合、児童養護施設等への入所と実施主体が異なると いう課題あり)      (第2案)措置は都道府県、契約は市町村(この場合、措置と契約で実施主体 が異なるという課題あり)      (第3案)当面は都道府県(この場合、市町村の関与を現状より強めることが 適当。また、将来的には、市町村とすることを検討) ・障害児施設の利用(措置・契約)については、現行制度を基本にさらに検討。 措置と契約については、全国的に適切な判断が行われるよう、ガイドラインを 作成    8.法律上の位置づけなど     ・保育所等の一般施策との連携の観点から「児童福祉法」に位置づけることを基 本とすべき ※詳細については、別添資料@参照。 〔参考URL〕【厚生労働省】http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/07/s0722-5.html 3.「介護労働者の確保・定着等に関する研究会中間取りまとめ」について  平成20年7月29日、4月から7回にわたって検討が行われた「介護労働者の確保・定着 等に関する研究会」が中間的な検討結果を取りまとめた。研究会では、介護保険事業に従 事する介護労働者の確保・定着を中心に、我が国が重点的・効果的に取り組むべき政策の 方向性について、各介護関係事業主団体・事業所等よりヒアリングを行いつつ検討を重ね てきた。中間取りまとめの概要は以下のとおり。 介護労働者の確保・定着等に関する研究会中間取りまとめ(概要)    【対策の方向性】     1.介護労働者が意欲と誇りを持って働くことができる社会の実現 (1)基本的な考え方    ・安定的に人材を確保及び育成する仕組みの構築      (2)介護報酬の考え方        ・安定的に人材を確保し、専門職として処遇し、その能力を高めていくと         いう点を考慮     2.介護労働者の定着・育成に向けた雇用管理改善       〜雇用管理改善を通じて、魅力ある仕事として評価、選択されるための対策 〜      (1)雇用管理の必要性・重要性        ・雇用管理についての普及啓発、研修実施等の支援体制の強化        ・小規模事業所の雇用管理改善の取り組みの促進、事務効率化      (2)処遇改善とキャリア管理の促進        ・仕事や能力、資格及び経験に見合う賃金制度の構築        ・能力開発制度の必要性等を啓発      (3)安心・安全・働きやすい労働環境の整備        ・健康診断の徹底や腰痛対策、感染症対策、メンタルヘルス対策等の推進     3.介護労働者の確保及びマッチング等       〜必要なサービスを提供できる介護労働者を安定的に確保するための対策〜      (1)教育機関・養成施設等との連携による人材確保        ・求職者及び若年者に対する介護の職場の理解      (2)潜在的有資格者の掘り起こし        ・有資格者が再び介護現場で働ける適切な対策      (3)多様な人材の参入・参画        ・介護労働者の仕事内容や役割、多様な働き方についての社会的理解      (4)ハローワークを通じた福祉人材確保機能の強化        ・新たなサービス提供体制の整備、マッチング機能の強化      (5)社会的評価の向上        ・「介護の日」を設定 ※詳細については、別添資料Aを参照。 〔参考URL〕【厚生労働省】http://www-bm.mhlw.go.jp/houdou/2008/07/h0729-2.html 4. 研究会・検討会等の動向 【(1)「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」】  平成20年7月31日、第7回「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」が開 催された。今回の検討会では、これまで6回にわたる議論の論点整理として「これまでの 議論の整理と今後の検討の方向性」を取りまとめた。  今後、引き続き検討を進め、平成20年中に、精神障害者の地域生活への移行及び地域生 活の支援に関連する事項について、見直しの具体的内容の取りまとめを行い、障害者自立 支援法の改正にあわせてその具体化を目指す。さらにその後、精神保健医療に関する議論 を行ったうえで、平成21年夏を目途に、今後の精神保健利用福祉施策の全体像の取りまと める予定。 〔参考URL〕【厚生労働省】http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/07/s0731-10.html 【(2)「障害者の一般就労を支える人材の育成のあり方に関する研究会」】  平成20年7月28日、第2回「障害者の一般就労を支える人材の育成のあり方に関する研 究会」が開催された。今回の研究会では、障害者の一般就労を支える人材について、特に 第1号・第2号職場適応援助者(ジョブコーチ)の現状と課題の面で関係団体(@NPO 法人ジョブコーチ・ネットワーク、A株式会社キューピー、B独立行政法人高齢・障害者 雇用支援機構)からヒアリングが行われた。 〔参考URL〕【WAMNET】http://www.wam.go.jp/ (「行政資料」→「障害者福祉」→「調査研究・報告等」→「障害者雇用・就労関連」) 【(3)「発達障害者施策検討会」】  平成20年8月4日、第4回「発達障害者施策検討会」が開催された。この検討会は、発 達障害に関する知見を集積し、発達障害に関する情報の幅広い提供を行う発達障害情報セ ンターの情報内容の検討や乳幼児期から成人期までの各ライフステージに対応した発達障 害者支援開発事業の方針・評価等に関して必要な事項等を検討することを目的として、設 置されている。  今回の検討会では、今後の発達障害者支援の方向性について、@支援手法の開発、A人 材の育成、B地域支援体制の整備、C情報提供・普及啓発を中心に検討が行われた。  次回は8月18日に開催される予定。 〔参考URL〕【WAMNET】http://www.wam.go.jp/ (「行政資料」→「障害者福祉」→「課長会議・検討会資料」→「発達障害者支援関連検 討会」) 【(4)「労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究会」】  平成20年8月7日、第4回「労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方 に関する研究会」が開催された。今回の研究会では、障害者雇用に関する現状と課題につ いて、障害者関係団体(@全国精神保健福祉会連合会、A全日本難聴者・中途失聴者団体 連合会、B日本盲人会連合、C全日本ろうあ連盟、D日本身体障害者団体連合会、E全国 盲ろう者協会)からヒアリングが行われた。 〔参考URL〕【WAMNET】http://www.wam.go.jp/ (「行政資料」→「障害者福祉」→「調査研究・報告等」→「障害者雇用・就労関連」) 同封資料8(通算)198号 @ 「障害児支援の見直しに関する検討会 報告書」 A 「介護労働者の確保・定着等に関する研究会 中間取りまとめ」