障害福祉部ニュース (障害福祉制度・施策関連情報) 2008年7月4日 6(通算196号) 発行:全国社会福祉協議会・障害福祉部 〒100-8980 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル内 TEL:03-3581-6502  FAX:03-3581-2428 e-mail:z-shogai@shakyo.or.jp         1.第34回社会保障審議会障害者部会の開催  平成20年6月30日に第34回社会保障審議会障害者部会が開催され、@障害児支援、Aサービス体系、B 地域生活支援事業、Cその他の各検討テーマについて審議が行われた。冒頭、事務局(厚生労働省)から各検 討テーマに関する資料の説明が行われ、その後、各委員からの意見が述べられた。主な意見は以下のとおり。                  各委員からの主な意見 @障害児支援 ・ 障害児支援のあり方を検討するうえで、障害者自立支援法と児童福祉法との関係整理を行うことが必 要である。障害児支援においては児童福祉法の中でユニバーサルな対応を行う必要があり、障害児を含 めた子育て支援という視点が重要であると考える。 ・ 障害者支援については児童福祉法の中での対応をお願いしたい。 ・ 障害児支援においては子育て支援策との連携が重要である。 ・ 障害児は専門施設に入所するだけでなく、保育所や一般学級に通い、地域で暮らすということが当た り前となる共存社会を期待したい。 ・ 相談支援事業は障害者自立支援法の要であるはずなのに、障害児支援については全国的に相談支援体 制が脆弱である。 ・ 障害児の親には、気づきや身近な相談先等制度上のシステムに乗るまでの支援が重要であり、出生時 から(システムの入口となる母子保健から)の対応が重要となる。また、地域においては保育所の障害 児保育の取り組みも進んできており、保育所においては親育ての機能もまた重要である。 ・ 学齢期においても特別な支援を特別な場所で行うだけでなく、地域において福祉以外のところの活用、 という視点での支援も考えていくべきである。 Aサービス体系 ・ 施設サービスを昼・夜に分離したというのは、利用者の選択肢の拡大という点から評価すべきで、こ の仕組みは維持するべきであると考える。 ・ 利用者が障害程度区分による制限で全てのサービスを使うことができないというのは問題である。 ・ 無認可作業所等において新体系への移行の選択を迫られ、存亡の危機に立っているところも多い。国 としても何らかのてこ入れを行っていただきたい。 ・ 無認可作業所等の移行先として地域活動支援センターへの移行を指導している市町村があると聞いて いる。無認可作業所等の移行先を地域活動支援センターに限定せず、希望する事業所が自立支援給付の 事業に移行できるよう、必要な支援策を講ずるようお願いしたい。また一定の要件を満たすと認められ た場合の定員要件が10名に緩和されたが、このような事業所や支援費制度の小規模定員についてもそ の運営を実質的に担保できるような小規模単価の設定が必要である。 ・ 事務局の説明では新体系事業(個別給付事業)に移行した小規模作業所等の6割が就労継続支援B型 事業を選択していることに加え、資料の中の「サービス種類別の利用者数(平成20年2月分)」のデー タを見ても、生活介護事業に次いで就労継続支援B型事業を選択している利用者の数が多いのが実状で ある。就労継続支援B型事業はサービス体系の中で必要不可欠なものであり、その存在をしっかりと認 めていただきたい。 ・ 知的入所施設の実態として、障害程度区分5・6の利用者が8割くらいいないと新体系事業に移行でき ないという実態があり、現実的に知的入所施設で移行しているところは少ない。また夜間支援の報酬単 価が非常に低く、その報酬単価だけでは夜勤職員が配置できず、日中活動の職員をローテーションで配 置するため、日中活動の支援が薄くなっている実状もある。 ・ 短期入所について、日中活動・夜間支援を切り分けた単価設定としてはどうか。 B地域生活支援事業 ・ 地域生活支援事業について、地域の裁量で柔軟な対応ができるという趣旨はよいが、財源が地域にな いことが大きな問題である。そのため市町村等の実施状況に大きなバラツキが生じ、地域の障害者のニ ーズに応えられるものにはなっていないのではないか。地域生活支援事業の裏付けとなる財源の確保が 必要であるとともに、市町村等の柔軟な対応だけに任せるのではなく、国の一律の基準を定める必要が あるのではないか。 ・ 地域生活支援事業について、財源的に余裕があるから事業を実施する、余裕がないから事業を実施し ない、ということではなく、自立支援給付の事業(義務的経費)としていただきたい。 ・ 地域生活支援事業について、現状では利用者負担が概ねないと認識しているが、市町村等によっては 個々の判断で利用者負担を求めているところもあって矛盾している。 ・ 特に精神障害の場合、市町村等の理解度によってさらに相談支援体制等にバラツキが出ている実状が ある。 ・ 障害者自立支援法の当初の目的は「地域間格差をなくす」ということだったが、実際には地域間格差 は広がってきているのではないか。義務的経費を基本としていくことが必要である。 ・ 福祉ホーム事業が地域生活支援事業に位置付けられたため、市町村ごとに補助単価やヘルパー利用の 可否などの相違があり、そもそも事業を実施しない市町村があるのも実状である。身体障害者の地域に おける住まいの場の確保のため、福祉ホーム事業を自立支援給付の事業として位置付けていただきたい。 Cその他 ・ 生活介護及び短期入所に係る送迎の手当てをお願いしたい。 ・ ケアホームでは、夜勤職員や生活支援員の配置が義務付けられているが、実際の報酬単価は低く設定 されており、人材の確保が非常に厳しい状況にある。 ・ 重度訪問介護の報酬が安すぎる。介護報酬を介護保険の生活援助並みに引き上げることが必要。 ・ 障害程度区分によるサービスの利用制限について、すべての利用者がどのサービスでも利用できるよ うにすることはよいことだと思うが、その一方で、本来、地域で生活して就労できる人が地域生活に移 行しなくなるという問題点も出てくるのではないか。 ・ 経営実態調査が現在進められており、報酬単価改定のためのデータとして使われることになると思う が、それぞれの法人・施設で職員給与の引下げ等を行い、経営を何とか維持できている実状もある。調 査の結果だけを見て"経営できているではないか"ということではなく、その実状も十分ふまえた上で 報酬単価改定にあたっていただきたい。 ・ 障害者自立支援法の対象は三障害だけでなく、発達障害を含むすべての障害を対象としていただきた い。 ・ 神奈川県のグループホームの火災を受け、それぞれの消防署等の指導がバラバラで現場は混乱してい る。安全確保は当然であるが、行き過ぎた指導によって新たなグループホームの設置が難しくなる状況 も懸念される。厚生労働省には消防庁との調整とこの件に対する積極的な関わりをお願いしたい。    次回の障害者部会は7月15日に開催され、次回以降の3回にわたって、25の関係団体からヒアリングを行 う予定。 〔参考URL〕【厚生労働省】 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/06/s0630-8.html 2. 障害者自立支援法施行令及び児童福祉法施行令の一部を改正する政令等の施行について  平成20年7月1日、「障害者自立支援法施行令及び児童福祉法施行令の一部を改正する政令等の施行につ いて」(障害保健福祉部長通知)が発出され、@低所得世帯を中心とした利用者負担の軽減、A軽減対象とな る課税世帯の範囲の拡大、B個人単位を基本とした所得段階区分への見直しなどの利用者負担の軽減措置が7 月1日から施行された。 ※詳細については、別添資料@を参照。 3. 研究会・検討会等の動向 (1)「介護労働者の確保・定着等に関する研究会」  平成20年6月20日、第6回「介護労働者の確保・定着等に関する研究会」が開催された。今回の研究会で は、介護労働に関する現状及びその分析に必要な追加資料が出され、@離職率、A需給状況、B賃金、C派遣 労働者、D介護保険法施行前後の各種数値の変化、Eスケールメリット、F介護労働者の専門性に関して説明 が行われた。また、研究会の中間報告の骨子案が示され、取りまとめに向けた検討が行われた。  次回は7月18日に開催され、研究会の中間報告を取りまとめる予定。 〔参考URL〕【WAM NET】 http://www.wam.go.jp/ (「行政資料」→「介護保険」→「介護全般」→「その他」) (2)「労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究会」  平成20年6月27日、第3回「労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究会」 が開催された。前回に引き続き、諸外国における「合理的配慮」に関するヒアリングが行われ、今回はEUに おける取組が紹介された。 〔参考URL〕【WAM NET】 http://www.wam.go.jp/ (「行政資料」→「障害者福祉」→「調査研究・報告等」→「障害者雇用・就労関連」) (3)「障害児支援の見直しに関する検討会」  平成20年6月16日、第7回「障害児支援の見直しに関する検討会」が開催された。今回の会合では、@入 所施設のあり方、A行政の実施主体について検討が行われた。入所支援のあり方については、入所施設の役割、 類型、在園期間の延長を論点に、行政の実施主体については、障害児施設についての実施主体、措置と契約を 中心として議論が進められた。  引き続き、6月24日、第8回の検討会が開催された。今回は、@障害の早期発見・早期対応策、A就学前 の支援策、B学齢期・青年期の支援策、Cライフステージを通じた相談支援の方策、D家族支援の方策の検討 項目について、議論の整理が行われた。  次回は7月4日に開催され、残りの検討項目について議論を整理し、第10回(7月14日)、第11回(7月 22日)で検討会の取りまとめを行う予定。 〔参考URL〕【厚生労働省】(第7回)http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/06/s0616-9.html (第8回)http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/06/s0624-4.html (4)「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」  平成20年6月19日、第4回「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」が開催された。今回の 検討会では、精神疾患に関する理解の深化(普及啓発)について検討が行われ、その後、精神障害者からのヒ アリングと地域移行の実践に関するヒアリングが行われた。  引き続き、6月25日、第5回の検討会が開催され、@「精神病床の利用状況に関する調査」報告、A諸外 国の精神保健医療福祉の動向(地域移行・普及啓発)について説明が行われた。 〔参考URL〕【厚生労働省】(第4回)http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/06/s0619-4.html (第5回)http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/06/s0625-6.html 4. 総務省「サービス産業動向調査」へのご協力について    国(総務省)は、本年7月より、新たに第三次産業を対象とした統計調査として「サービス産業動向調査」 を実施することとしている。  これは、わが国経済の中で、約7割を占めるサービス業について、その動向を明らかにすることを目的とし ており、「医療・福祉分野」として社会福祉施設等についても調査対象とされている。  調査は、総務省において抽出・選定した施設等に対し、その規模に応じて文書もしくは調査員の訪問いずれ かの方法により実施され、調査期間=協力期間は基本的に2年間、月次の収入や従業者数等が調査項目とされ る。  本調査の結果は、国の種々施策の基礎資料として活用されるとのことでもあり、調査について協力依頼があ った場合には、ご協力をお願いしたい。 5.第2回塙保己一賞候補者の募集について  埼玉県では、障害がありながらも社会的に顕著な活躍をしている方やこのような障害者のために様々な支援 や貢献をしている方に「塙保己一賞」を贈呈している。  今般、第2回塙保己一賞の候補者の募集が開始された。募集要綱及び推薦書・候補者調書については、下記 ホームページを参照。   【問合せ先】   埼玉県福祉部障害者社会参加推進室 塙保己一賞 担当 白土・金澤    TEL 048-830-3310 FAX 048-830-4789   E-mail a3310-03@pref.saitama.lg.jp    HP http://www.pref.saitama.lg.jp/A03/B100/hanawa/index.html 同封資料6(通算)196号 @障害者自立支援法施行令及び児童福祉法施行令の一部を改正する政令等の施行について