障害福祉部ニュース (障害福祉制度・施策関連情報) 2008年6月12日 5(通算195号) 発行:全国社会福祉協議会・障害福祉部 〒100-8980 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル内 TEL:03-3581-6502  FAX:03-3581-2428 e-mail:z-shogai@shakyo.or.jp       1.第33回社会保障審議会障害者部会の開催  平成20年4月から再開されて3回目となる、第33回社会保障審議会障害者部会が、平成20年6月9日に開催され、 @地域移行、A住まい、B就労支援、C所得保障の各テーマについて審議が行われた。  はじめに事務局(厚生労働省)から検討テーマに関する資料の説明が行われ、各委員から意見が述べられた。  審議における主な意見のポイントは以下のとおり。 ---------- 各委員からの主な意見 --------------------------------------------------------------------  @地域移行  ・地域生活移行においてケアマネジメントは重要である。施設入所者が地域移行を希望する場合、施設と相談   支援事業者の連携が不可欠である。地域移行を目指す施設入所者にもサービス利用計画書作成費が適用でき   るように対象を拡大していただきたい。  ・精神障害者の地域移行において、退院準備期間からのケアマネジメントが必要だと思うが、実際には退院後   でないとケアマネジメントの仕組みは使えない。もっと早い段階からケアマネジメントが使えるようにする   ための改善が必要である。  ・居宅サービス利用者が施設やグループホームに入所するとケアマネジメントが分断されてしまう。利用者の   ケアマネジメントの連続性を担保すべきである。  ・地域移行を進めるにあたっては、適切なケアマネジメントが実施されているか、モニタリングをきちんと行   い、チェックしていく仕組みが必要である。  ・障害程度区分の仕組みに根本的な問題があると思う。障害程度区分によって利用制限があり、利用者ニーズ   に基づき支援するという本来のケアマネジメントの仕組みが機能していない。このことは障害者自立支援法   の根幹に関わる問題であり、障害程度区分の見直しを最優先に検討し、その方向性の下に地域移行を考えて   いくべきではないか。  A住まい  ・三障害共通といわれているが、住まいの場の利用について身体障害者は知的・精神障害者と比べ格差がある   のではないか。ケアホーム・グループホームの身体障害者の利用を認めていただきたい。  ・現行のケアホーム・グループホームの問題は、報酬単価の問題につきるのではないか。  ・障害者の住まいの場については、ケアホーム・グループホームだけでなく、公営住宅についてもまだ活用の   余地があるように思う。住宅施策を大胆に活用していく必要があるのではないか。  ・居住サポート事業について、全国的な取り組みを強力に進めていただくようお願いしたい。  ・障害者の地域で暮らす場を確保していくことが大切である。また、障害のある本人のみならず高齢化した親   等が安心できる利用サービスとして充実させていくことも必要だと思う。  B就労支援  ・労働分野や教育分野でも就労支援のための取り組みが進められており、福祉分野と同じような仕組みや制度   もある。効率的な制度、事業運営を考える必要がある。  ・特別支援学校の卒業時期と企業の採用時期がずれることがある。就労移行支援事業所などにおける採用待ち   の訓練・準備の役割が必要だと思う。  ・福祉施設を視察すると、企業でも充分働けるのではないかという人も多くいる。第三者がその人の就労能力   等を見据え、本人の就労の選択肢を広げていくことも必要だと思う。  ・特別支援学校での取り組みを聞くと、就労支援の問題もさることながら、生活支援・居住支援をどうするか   の問題を抱えている生徒が多く、住まいの場をどうするかが課題となっている。  ・就労支援と生活支援は車の両輪であり、どちらも必要である。  ・障害者の一般就労を進めるためには労働施策と福祉施策との連携のみならず、本格的な統合を進める必要が   ある。障害者雇用率1.8%は欧米に比べて低すぎる。企業で働きたい障害者のためにもっと高い目標に向か   って進んでいく必要がある。  ・一般企業で働くことのできない障害者も多くおり、福祉的就労の底上げも必要である。工賃倍増5ヵ年計画   や発注促進税制の創設、議員立法で官公需優先発注施策の制度化が議論されているが、底上げのためには仕事   の確保が何よりも重要である。  ・今回示された就労系施設の全国事業所状況のデータの中でも特に就労継続支援B型事業の一人平均1ヵ月費用   が他の事業と比べて著しく低い(約78,000円)。この費用で工賃倍増計画を実現させようとすると職員の息   が上がってしまう。報酬単価と職員配置を抜本的に見直すべきである。  ・就労移行支援事業では職員配置基準が前年度実績に基づく配置となるため、利用者が年度途中に一般就労す   ると経営的に厳しくなる。利用者変動の影響を受けない仕組みの検討が必要である。  C所得保障  ・働く場に利用者負担があることはどう考えてもおかしい。  ・年金の未受給者への対応を含め、給付のあり方、給付水準、支給要件について、利用者の生活実態を踏まえ   総合的に検討していただきたい。  ・所得保障について、就労による方法もあるが、障害基礎年金だけでは生活できない。与党PT報告書で示され   ている障害基礎年金の引上げ、住宅手当の創設については、検討ではなく実現させてほしい。 ----------------------------------------------------------------------------------------------------  次回の障害者部会は6月30日に開催され、@障害児支援、Aサービス体系、B地域生活支援事業、Cその他に ついて検討される予定。 〔参考URL〕http://www.wam.go.jp/wamappl/bb11GS20.nsf/aCategoryList?OpenAgent&CT=10&MT=010&ST=040       2.障害者ケアホーム等における防火安全体制の徹底について  去る平成20年6月2日に、神奈川県綾瀬市において障害者グループホームが火災に遭い、3人の障害者が亡くな り、1人が重症を負うという痛ましい事故が発生した。  これを受けて、6月3日付で厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課長等関係4課長通知「障害者ケアホ ーム等における防火安全体制の徹底について」が各都道府県・指定都市・中核市民生主管部(局)長宛に発出さ れた(別添資料参照)。  さらに、6月4日付で消防庁予防課長から各都道府県消防主管部長、政令指定都市消防庁宛等に通知(別添資料 参照)が出された。これにより、障害者ケアホーム等について実態調査が行われることとなり、安全対策に不備 が認められた場合には是正措置を講じるなど、より一層の防火安全の徹底が図られることとなっている。  なお、福祉施設・事業所における防火安全設備整備の現行基準については下表のとおり。平成21年4月から施 行適用される新基準の内容と併せ、障害者関係施設・事業所において、利用者の安全確保のため、早急に確認 をいただきたい。 ※別添資料@を参照。 ●社会福祉施設等における消防法施行令及び施行規則における義務化基準 <現行制度※> <平成21年4月施行> 1.消火器具 延べ床面積:150u以上に義務づけ 自力避難困難施設※※ 全て義務づけ(21年度中猶予) 自力避難施設 延べ床面積:150u以上に義務づけ (21年度中猶予) 2.屋内消火栓設備の設置 延べ床面積:700u以上に義務づけ 自力避難困難施設 延べ床面積:275u以上に義務づけ (23年度中猶予(以下すべて同じ)) 自力避難施設 延べ床面積:700u以上に義務づけ 3.スプリンクラー設備の ○平屋建て以外の防火対象物で、 自力避難困難施設 延べ床面積:275u以上に義務づけ 設置 自力避難困難な者が入所する 施設について、延べ床面積 1,000u以上に義務づけ ○その他の施設について、延べ床 自力避難施設 延べ床面積:6,000u以上に義務づけ 面積6,000u以上に義務づけ 4.自動火災報知設備の 延べ床面積:300u以上に義務づけ 自力避難困難施設 全て義務づけ 設置 自力避難施設 延べ床面積:300u以上に義務づけ 5.消防機関へ通報する 延べ床面積:500u以上に義務づけ 自力避難困難施設 全て義務づけ 火災報知設備の設置 自力避難施設 延べ床面積:500u以上に義務づけ ※現行制度対象施設(障害者関係施設):身体障害者福祉センター、障害者支援施設、地域活動支援センター、 福祉ホーム又は障害福祉サービス事業(生活介護、自立訓練、就労移行支援又は就労継続支援を行う事業に限る) を行う施設 ※※「自力避難困難施設」とは、主として障害の程度が重い者が入所する施設とする。具体的には、障害程度 区分4以上の者が、全入所者の8割を超えている場合をいう。(例:4人定員の場合、4人全員が区分4以上)。 上記以外の施設(区分4が全入所者の8割を超えていない場合)については、現行制度の規制となる。       3.後期高齢者医療制度について〜老人保健制度の対象となっていた障害者等について〜  平成20年4月から後期高齢者医療制度が開始し、市区町村が設置している広域連合の区域内に住所を有する75 歳以上の高齢者と、65歳以上で広域連合から障害認定を受けた者が当該制度の被保険者となった。  これにともない、従来65歳から74歳で障害認定を受け、老人保健制度の対象となっていた障害者についても、 後期高齢者医療制度の被保険者となることとされた。  ただし、この場合、障害認定の申請を取り下げる旨の連絡を広域連合や各市区町村に行うことによって、後 期高齢者医療制度に加入せず、国民健康保険または被用者保険に加入することも可能である。  なお、都道府県によっては、後期高齢者医療制度への加入を、県単位で実施する医療費助成制度適用の要件と しているところが一部あることに留意いただきたい。当該制度に係る障害認定申請の取り下げを行おうとする場 合、その点を確認しておく必要がある。  なお、新たに65歳以上となり当該制度への加入を検討する場合など、いずれの場合も、具体的な手続きの方法 については各自治体によって相違もあるため、相談の窓口となっている各都道府県の広域連合や各市区町村にお 問い合わせいただきたい。       4.研究会・検討会等の動向 (1)「介護労働者の確保・定着等に関する研究会」  平成20年6月6日、「介護労働者の確保・定着等に関する研究会」が第5回目の会合を開いた。今回の研究会で は、「好事例事業所」として取り上げられた6事業所からのヒアリングを行った。介護労働者をいかに定着させ るかを検討テーマに、人事評価や昇任・昇格、雇用管理などの実践事例が報告された。  今回の研究会で各種団体へのヒアリングはひとまず終わり、次回6月20日は中間報告の骨子案について検討 する予定。 〔参考URL〕【WAM NET】 http://www.wam.go.jp/ (「行政資料」→「介護保険」→「介護全般」→「その他」) (2)「障害児支援の見直しに関する検討会」  平成20年6月10日、「障害児支援の見直しに関する検討会」が第6回目の会合を開いた。今回の検討会では、 @ライフステージに応じた支援、A家族支援の方策についての検討が行われた。ライフステージに応じた支援 については、市町村・専門機関による相談支援の方策、関係者の連携強化、個別支援計画づくりを検討項目に 議論が行われ、家族支援の方策については、家族の養育等の支援、レスパイト等の支援、経済的支援を中心に 検討が進められた。  次回は6月16日に開催され、@入所施設のあり方、A行政の実施主体について検討される予定。 〔参考URL〕【WAM NET】 http://www.wam.go.jp/ (「行政資料」→「障害者福祉」→「障害者施策」→「障害者自立支援法」) 同封資料5(通算)195号 @障害者ケアホーム等における防火安全体制の徹底について