障害福祉部ニュース (障害福祉制度・施策関連情報) 2008年6月3日 4(通算194号) 発行:全国社会福祉協議会・障害福祉部 〒100-8980 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル内 TEL:03-3581-6502  FAX:03-3581-2428 e-mail:z-shogai@shakyo.or.jp       1.第32回社会保障審議会障害者部会の開催  平成20年5月28日、第32回社会保障審議会障害者部会が開催され、@障害者の範囲、Aサービスの利用状況 (利用者負担を含む)、B相談支援、C権利擁護の4つの検討テーマについて議論が行われた。また、今回か ら専門委員として、小澤温氏(東洋大学ライフデザイン学部教授)、生川善雄氏(千葉大学教育学部教授)、 浜井浩一氏(龍谷大学大学院法務研究科教授)が就任した。  冒頭、厚生労働省より「障害者部会の今後の進め方」(下記参照)について、「6月まで(第32回〜34回)は 特に何かを決めるということではなく、必要な課題について3回に分けて各委員から幅広い意見をお出しいた だきたい。それを踏まえながら、関係団体ヒアリングを7月〜8月に行った後、9月以降に見直しに向けた具体 的な議論を行いたい。経営実調の結果もふまえて報酬に関わる事項は年が明けてからでも引き続き議論を行い たいと考えているが、法律に関わる事項については12月の頭までに方向性を出していければと考えている」と のスケジュールが改めて示された。 ---------- 障害者部会の今後の進め方について ------------------------------------  ○第32回(5月28日)   障害者の範囲、サービスの利用状況(利用者負担を含む)、相談支援、権利擁護  ○第33回(6月9日)   地域移行、就労支援、住まい、所得保障  ○第34回(6月30日)   障害児支援、サービス体系、地域生活支援事業、その他  ○関係団体ヒアリング(7月〜8月に2回程度)  ○見直しに向けた具体的な議論(9月頃〜) -------------------------------------------------------------------------------- その後、検討テーマに基づいて各委員から次のような意見が示された。 ---------- 各委員からの主な意見 --------------------------------------------------------------------  @障害者の範囲  ・難病者や発達障害者も含めてもらいたい。  ・法律によって対象範囲がバラバラになっているのが現状。  ・ICFモデルへの転換が必要ではないか。  ・加齢による障害で障害者手帳の交付がなされている実態は疑問。年齢制限を設けることはできないか。  ・障害者の範囲の問題とサービス利用の認定の議論が混在しているように思う。サービス利用における必要   性の認定の問題については標準化と個別化の議論があり、標準化の議論は障害程度区分や障害者手帳のこ   とであり、個別化の議論は相談支援やケアマネジメントのことになる。  Aサービスの利用状況(利用者負担を含む)  ・予算に関わる事項(報酬)については年が明けてからの議論とのことだが、来年度予算が決まってしまっ   てからの議論では遅いのではないか。  ・平均的な利用者負担率(平成20年度:緊急措置実施後)のデータについて、実際には預貯金等の資産要件   によって軽減措置の対象とならない人もおり、この平均3%という数字はこのような人の分も加味されて   いるのか。  ・サービス毎の利用状況について、例えば一般就労移行の取り組みなどサービスの質の向上によって(一般   就労への移行が実現することで)利用が減っているというプラス面もあれば、一方でサービスの質が下が   っているので利用が減っているというマイナス面もあると思う。数字だけでなく、その背景についてもで   きる限り示してほしい。  ・平均的な利用者負担率が3%になると示されているが、そもそも法に規定されている1割負担に問題があり、   軽減措置は現行法の矛盾の裏返しなのではないか。1割負担という根本問題について考えていくべきでは   ないか。  B相談支援  ・相談支援事業について、市町村の財政力によってかなりのばらつきがある。  ・市町村によっては毎年予算を減らされ、一方では三障害利用によって仕事は増えており、現場では対応に   苦慮している。必要な予算措置を図っていただきたい。  ・地域自立支援協議会の強化とその財源確保が重要である。また、地域自立支援協議会の法令上の位置づけ   が曖昧であり、明確化が必要である。  C権利擁護  ・児童と高齢者には虐待防止法があるが、障害者分野は遅れており、法制化が必要ではないか。障害者権利   条約との関係で虐待防止は避けて通ることはできない。  ・相談の多くは障害者への偏見や誤解によるものであり、これらの偏見や誤解をなくすための啓発活動が重   要である。 ----------------------------------------------------------------------------------------------------  次回の障害者部会は6月9日に開催され、@地域移行、A就労支援、B住まい、C所得保障について審議され る予定。 〔参考URL〕【厚生労働省】 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/05/s0528-6.html       2.障害者自立支援法等に係る担当者会議(平成20年5月22日)について  平成20年5月22日、障害者自立支援法等に係る担当者会議が開催され、@利用者負担の軽減措置、A利用者 負担に係るQ&A、B発注促進税制の成立についての説明が行われた。  既報のとおり、平成20年7月から障害者自立支援法の抜本的見直しに向けた緊急措置として、利用者負担の 軽減措置が拡充されることになるが、今回の担当者会議では、資産要件の取扱いや医療型個別減免、高額障害 福祉サービス費、税制の取扱いなどの具体的な取扱いが説明された。 ※詳細については、別添資料@を参照。       3.平成20年4月以降における通院等介助の取扱いについて  平成20年4月25日、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長より「平成20年4月以降における通 院等介助の取扱いについて」(障障発第0425001号)が発出された。  既報のとおり、「障害者自立支援法に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要す る費用の額の算定に関する基準」(平成18年厚生労働省告示第523号)の一部が改正され、「通院介助」を 「通院等介助」として居宅介護における通院介助の対象範囲が官公署まで拡大されたところであるが、今回の 通知では、官公署の具体的な範囲や通院等介助の具体的な取扱いが示された。 ※詳細については、別添資料Aを参照。       4.地方分権改革推進委員会「第1次勧告」を公表  平成20年5月28日、地方分権改革推進委員会(委員長・丹羽宇一郎氏)は、国から地方への権限移譲などに関 する『第1次勧告』を決定した。  施設設備に関する基準については、全国一律の最低基準という位置づけを見直し、国は標準を示すにとどめ、 具体的な基準は地方自治体が地域ごとに条例により独自に決定し得ることとするよう勧告がなされた。  なお、施設最低基準については今後さらに検討を進め、本年夏に取りまとめが予定されている『第2次勧告』 で結論を得ることとされている。概要は以下のとおり。 ---------- 『第1次勧告』〜生活者の視点に立つ「地方政府」の確立〜 ----------------------------------- 【福祉施設の最低基準等】 ◆勧告の前提となる事実関係や委員会の課題認識◆  保育所や老人福祉施設等の各種福祉施設については、床面積、廊下幅、設けるべき部屋などの施設設備基準や 入所定員、入所者の処遇などの運営基準、職員配置基準が全国一律の最低基準として定められている。  このため地域の知恵と創意工夫を生み出す芽を摘み取ってしまい、住民の多様な福祉サービスに対応し難い状 況が生まれてしまう。したがって、まず施設整備基準のあり方を見直すとともに、その他の基準についても、 義務付け・枠付けの見直しとあわせて、さらに検討を進め、第2次勧告において結論を得る。  老人保健施設及び児童福祉施設に関する都道府県の設置認可等について、市町村への権限移譲を進める。                                          〔厚生労働省関係〕 ◆勧告事項◆ ○保育所や老人福祉施設等についての施設設備に関する基準については、全国一律の最低基準という位置づけを  見直し、国は標準を示すにとどめ、具体的な基準は地方自治体が地域ごとに条例により独自に決定し得ること  とする。 ○福祉施設の認可、指導監督等に係る事務については、老人福祉施設並びに児童福祉施設のうち保育所、児童館  及び認可外保育施設に関するものは、市に移譲する。あわせて、児童福祉施設のうち助産施設及び母子生活支  援施設に関するものは、特例市に移譲する。 ○指定介護保険事業者の指定・指導監督等に関する事務については、市に移譲する。この場合、指定については  都道府県の同意を要することとする。 ○指定障害福祉サービス事業者の指定・指導監督等に関する事務については、中核市に移譲する。この場合、  指定については、都道府県の同意を要することとする。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------- 〔参考URL〕【内閣府】 http://www.cao.go.jp/bunken-kaikaku/iinkai/torimatome/torimatome-index.html       5.研究会・検討会等の動向 (1)「介護労働者の確保・定着等に関する研究会」  平成20年4月25日、「介護労働者の確保・定着等に関する研究会」が第2回目の会合を開いた。今回の研究会で は業界団体に対して、介護労働者の定着を図るための措置等や人材確保の状況、雇用管理の状況、厚生労働省へ の要望についてヒアリングが行われた。  引き続き、5月8日、第3回目の研究会が開催され、前回と同様、業界団体へのヒアリングが行われた。  次回は6月6日に開催され、好事例事業所からのヒアリングが行われる予定。 〔参考URL〕【厚生労働省】(第2回)http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/04/s0425-10.html              (第3回)http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/05/s0508-3.html (2)「労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究会」  平成20年5月20日、「労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究会」が第2回目の 会合を開いた。今回の会合では、前回に引き続き、諸外国における「合理的配慮」についてヒアリングが行われ た。 〔参考URL〕【厚生労働省】http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/05/s0520-10.html (3)「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」  平成20年4月25日、「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」が第2回目の会合を開き、地域生活 支援体制の充実について検討が進められた。  引き続き、5月29日、第3回目の検討会が開催され、@精神保健医療体系、A精神疾患に関する理解の深化につ いて検討が行われた。 〔参考URL〕【WAM NET】 http://www.wam.go.jp/ (「行政資料」→「福祉」→「検討会等」) (4)「障害児支援の見直しに関する検討会」  平成20年5月12日、「障害児支援の見直しに関する検討会」が第4回目の会合を開いた。これまでの障害者児関 係団体へのヒアリングの結果をもとに、障害者の早期発見・早期対応策についての検討が行われた。早期発見の 機会の充実や早期対応への取組の強化に関して、各委員より意見が出され、検討が進められた。  引き続き、5月30日、第5回目の検討会が開催され、@就学前の支援策、A学齢期・青年期の支援策について検 討された。就学前の支援策については、保育所等での受入れの促進や通院施設と児童デイサービスの機能の充実 を焦点にあて、学齢期・青年期の支援策については、放課後や夏休み等における居場所の確保や卒業後の就労・ 地域生活に向けた学校・福祉・就労施策の連携を中心に検討が進められた。  次回は6月10日に開催され、@ライフステージに応じた支援、A家族支援の方策について検討される予定。 〔参考URL〕【厚生労働省】(第4回)http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/05/s0512-8.html       6.「平成20年度障害福祉サービス等経営実態調査」に関する調査票の回収について  先般、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課より「平成20年障害福祉サービス等経営実態調査」 の調査票の回収に関する協力依頼があった。  調査票の提出期限は平成20年6月13日(金)となっている。この調査は、制度の施行状況を把握するための重 要な調査であるので、該当する施設は調査票の円滑な回収に向けて、ご協力をお願いしたい。 〔調査に関する問合せ先〕厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課            「平成20年障害福祉サービス等経営実態調査」事務局            TEL:0120-358-838(フリーダイヤル) 受付時間/平日9:00〜17:30            FAX:0120-166-224(フリーダイヤル) 受付時間/24時間対応            ホームページ ⇒ http://www.h20-syogai.jp       7.みずほ福祉助成財団・平成20年度社会福祉助成金の募集のご案内  財団法人みずほ福祉助成財団は、社会福祉に関する諸活動の向上に寄与することを目的として、障害児者に 関する事業・研究を行う法人施設・団体等に対する助成を実施している(先駆的・開拓的なものを優先)。  今般、平成20年度「社会福祉助成金」の申込募集が開始された。募集要項及び申込書類は、「みずほ福祉助 成財団」のホームページに掲載されているので、ご参照いただきたい。 〔URL〕http://homepage3.nifty.com/mizuhofukushi/ 同封資料3(通算)194号 @「障害者自立支援法等に係る担当者会議(平成20年5月22日)」資料(一部抜粋) A平成20年4月以降における通院等介助の取扱いについて